第3.5話 浮気相手の大半は職場関係者
r15に設定した方がいい気がしてきた。
時間は少し遡る。
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桜井桃は焦っていた。クラスで目を離した隙に永瀬圭が居なくなっていたからである。授業が終わった途端に話しかけてきた。
「桃ちゃんはなんの部活入るか決めた?」
「あー、まだ決めてないんだよね!」
(クソが)
仲良しヅラしてくんじゃねぇよ。私はお前ほど暇じゃないんだよ。ケイちゃん部か花嫁部があるなら話は別だけど…
作ってみてもいいかもね。部活。
溢れ出す永瀬圭との妄想。部室の一室での毎日。男耐性をつけたいとかなんとかで手を結ぶ。夕暮れの2人きり、遠くで聞こえる他部活の声、背徳感が混ざったドキドキ。思春期の2人がそこで踏みとどまれるはずもなく。。
「ふ…ふふ、へへ」
ああ、ヨダレが出てきた。
「だ、大丈夫?体調悪い…?」
急に顔が溶けてしまった友人を心配する声。
「……ちょっとね」
恥ずかし所を見られてしまったが、逆に鬱陶しい奴らから逃れる口実もできた。
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下駄箱に来ると永瀬圭の靴がまだ中に入っていた。
良かった、1人で帰っていなかった。誰かに話しかけられた様にも見えなかったし、ここで待ってとこ。
15分ほど経過した頃、人の往来のピークが過ぎ、辺りには桃だけになってしまった。ふと横を見ると圭の靴がある。
嗅ぎたい。
「ワ、ワー、ムシガイルヨ。ア、ビックリシテスマホ、ナゲチャッタ。ドコカナー」
頭を下駄箱に突っ込む。そして深呼吸。肺いっぱいに愛する人の匂いが満たされる。
〜〜〜〜〜〜///!
すごいぃ今日のストレスが吹き飛ぶ…幸せすぎる…えへえへ…最高……
下半身を捩りながら、呼吸はどんどん激しくなる。
へへはへへへはへれへへへ。
極上空間である。
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まだ来ないのかな。
長い間ら極上空間に居たが、それでも圭が下駄箱に来ることはなかった。
誰かに襲われてるのかもしれない。助けに行った方がいいのかもしれない。実は教室に戻って私のロッカーを漁っているのかもしれない。私
のロッカーに入ってるタオルを堪能してるのかもしれない。私の────
人の気配を感じた。圭だった。
「どこ行ってたのー?」
圭に話しかける。
「いや、部活勧誘から逃げ回ってただけだよ」
にしては遅すぎる。
「そうなんだ」
圭の胸元に顔を近づける。
最愛の匂いと共に女狐の臭いが鼻腔を刺激してくる。
誰だ。
「おい、どうしたんだよいきなり」
「ケイちゃんは私に隠し事なんてしないよね?」
彼からの弁解を待ち望む。
「ああ」
弁解は得られなかった。
裏切り?どこのクソ雌が誑かしたんだろ。
「そうだよね! 一緒に帰ろっか!」
夫の嘘を信じるのもまた良妻賢母の勤めではあるが、度が過ぎてしまうといけない。
これから徹底的に調べあげなければいけない。
「1アウト」
心に決める桃であった。
アドバイス、感想を書いてくれると力が湧いてきますありがとうございます。