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第1話 包丁は逆さに持つとよく刺さる

オレ、ヤンデレ、スキ

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

5月3日(水) 19時27分




「あなたを殺して私も死ぬ」


どこからか持ってきた包丁を持って俺に迫ってくる。


「いや、違うんだ!勘ちg...」


「大好きだよ」


俺の首から血が吹き出した。


---------------------



「ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛あああ!!」



俺はベットから飛び起きた。



「あれ?なんで生きてるんだ……?」


首を触ってみてもそこに傷はなかった。


一体何が起きているんだ……?



何度も傷がないかを確認していると


「お兄ちゃーーん起きてるーー??」


勢い良くドアを開けて妹が入ってきた。


「って何してるの……?」


「ああ、なんでもないよ」


「そ、そう………あ、!ご飯できてるから早く来てねー!!」


部屋で上裸になっていた俺と遭遇した妹は、少しテンパりながら階段を下っていった。







「ただの上裸で慌てすぎだろ……」


かわいい妹を見送りながらベットの上にあるデジタル時計に目をやるとそこには4月10日と表示されていた。


「時間が…………戻ってる……?」



ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

1階のリビングで学校に行く準備をしながら状況整理を試みる。


まず、俺の名前は永瀬圭、近所の高校に通っている2年生。身長は167cmぐらいの平均近く、5月5日の子供の日に生まれる予定だったけど難産の影響で5月6日が誕生日になったりした。両親の仲は近所では評判なくらい良好、1人の妹がいる。永瀬あき という名前で中学3年生になったくせに兄離れができない手のかかる奴である。好きな食べ物はみたらし団子。

いま悩んでいることは最近花粉症になったせいで春がしんどいこと……


よし、基本的には大丈夫そうだな。

しかし、どんなに思い出そうとしても、刺される前の記憶を思い出すことができなかった。



でもやっぱり昨日?の夜起きたことは本当なんだろうな……



大きな理由は心当たりがあるからである。

あの夜に包丁を持って迫ってきたのは幼なじみであり、隣の家に住んでいる桜井桃だったからだ。

彼女は幼稚園の頃からの付き合いであり、両家の親同士の仲が良かったこともあり、小さい頃からお互いの家で遊んでいた。

思春期を迎えた中学生になっても付き合いは変わらず、遊んでいた。しかし、その時ら辺から段々と

「死ぬまでずっと一緒だよ」

とか、なんなら

「死んでも一緒にいようね」

とか言っていた。つまり、

桜井桃はヤンデレなのである。とは言っても独占欲が強いなぁ程度にしか思っていなかったし、実害を受けたことは無いし、少し好意を寄せられていることが嬉しかったし、他人にも迷惑をかけることの無い良いヤンデレだった()

そんな良いヤンデレが俺を刺すのだろうか……

そんなこと考えていると、




[ピンポーン]

インターホンが鳴った。



「ケイちゃーん今日から学校だよー!ちゃんと起きてるー??」


噂をすればなんとやらで桃が迎えに来たみたいだな。


「起きてるわ、バカにすんな?」


そう言いながら扉をあける。今日のところはいつも通りに過ごし、あの夜が起きてしまった理由を探ってみるしかないかな。


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


「今年はケイちゃんと一緒のクラスになれるかな?」


「どうせ一緒じゃなくても休み時間の時にクラスにくるんだから関係なくない?」


「そんなことないよ!授業中に会えないだけでも50分×6コマで5時間も会えないんだよそれが1年間続くとだいたい1125時間も会えないし、日数換算すると51日間丸々捨てることになっちゃうんだよ!?1年の7分の1をケイちゃんと過ごすことが出来なくなるのが確定しちゃうんだよ!?この重要さが分からないの!?」


「おお、そうだな、大事だな。一緒にいると楽しいしな」


中学生の頃は同じクラスにならなかったために、休み時間ごとに俺に話しかけにきていた。当然その光景が目立たないわけがなく、桃のあだ名が『通い妻』になったり、俺への風当たりが強くなったことは言うまでもない。当人は気にするどころかどこか誇りに思っているけどね。


ていうか学校って1年間で1125時間も授業していたんだ……


他にも、誰が担任であって欲しいとか、冬休み中にだれだれが付き合ったり別れたり等の話をしているうちに学校に着いた。


昇降口前にある掲示板には新しいクラスが貼りだされ、既に人だかりができており、近づくのは大変そうだ。


「私、これ持ってるからこれで見なよ」


桃は鞄の中から双眼鏡を出してきた。名門大学の合格発表かよ。


しかし、双眼鏡がなければ見えなさそうなので借してもらった。


「俺のクラスは7組か。お、桃も一緒の7組か」


「ほんとに!?良かったぁぁー今日まで祈ってた甲斐があったよ!」


両手を組んで「同じクラス同じクラス同じクラス同じクラス」と唱えていた桃に教えてやると有頂天になった。


「お、こんなところに永瀬夫妻ではありませんか。ご機嫌よう。今日もラブラブで世界の平和を感じますぞ」


「智洋くんもご機嫌よう」


「おい、ツッコミどころが多すぎるだろ。桃も変な世界に引き込まれるな」


このお調子者は仲田智洋って奴で中学からの付き合いだ。結構運動ができるらしく中学生の時から並の高校生よりもサッカーが上手い割とすごいやつ。欠点があるとすれば、


『ところで永瀬、今日の桜井さんのパンツは何色なんだ?』



スケベで女子からの評判を下げている点だろう。


「ちなみにオレも7組だぜ。1年間よろしくな」



………今年はトラブルが多そうだな。


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


「はい日直、号令」


「起立、気をつけ、礼」


新学期最初の授業は各々が新しいクラスでの友達作りを始めるための自己紹介である。


初めて書いた文章ですので、感想の方をどうかよろしくお願いします!

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