貞操逆転世界の小説が書きたかった
連載を書きたかったのに元気が足りなくて短編で断片だけ書きました。
ここは貞操観念逆転世界です。それ以上でもそれ以下でもありません。
強いて言えば、ちょっと女性の方が多い。
そんな世界で一般人をしていた俺は、何故か頭上から降ってきた教科書が頭に当たった衝撃で、前世の記憶を思い出した。
ただ、前世を思い出したからと言って、何も変わらない。
そう思っていた。
ただ…思い出してから、世界の見え方が変わってしまった。
一言で表すなら、『違和感が凄い』。
学校では女子が下ネタを言ったりゲラゲラ笑っているのに対して、男子は数人で集まってヒソヒソ話している。
テレビでは女性の性犯罪が取り上げられたり、女性芸人が身体を張った企画に挑戦していたり。
エロ画像で調べて出てくるのは男ばかり。
なんというか、前世の記憶視点で言うと、なんか微妙。
こう、女性が積極的に来るのは良いけど、性格とかは前世のままの方が良かった。
たまに、見た目が美女なだけのおっさんに見える人までいるし。
で。俺が記憶を取り戻したのは高校生の頃。
今では微妙だと思う世界だけども、当時は喜んでたし、調子に乗っていた。
女の子を侍らしてハーレム…この世界では逆ハーレムだけど…を作ろうと画策したこともある。
でもまあ、貞操観念とかがあべこべなだけで、一般常識は前世とそう変わらない。
そんな中で色んな女の子と色々してたら…大問題になった。
具体的には、修羅場ったとしか言えない。
まあそれで。色々懲りた俺は、ちょっと落ち着いて。
大学からは親元を離れて、一人暮らしをすることにした。
同級生と顔を合わせにくかっただけとも言う。
朝起きて、顔を洗って、朝ご飯のパンを食べて。
歯磨き、着替え、家を出る。
一人暮らしを始めて早1ヶ月。
前世では社会人だったのもあって、一人暮らしにはすぐ慣れた。
あ、高校生の頃は身体に精神が引っ張られてたんですよ、うん。
社会人だったくせに、調子に乗って修羅場ったのは訳があるんだ、ええ。
大学は家から歩いて5分くらい。
前世では電車で1時間以上かけてたから、なんと楽なことか。
家を出たときに聞き始めた曲が、3曲目になる前に到着してしまう。
今は4月の2週目。
やっと全ての授業が1巡して、2回目の授業もチラホラ始まった。
教室に入ると、視線が一瞬集まる。
その後、視線が散って…1人だけまだこっちを見てるな。
「湊、こっちこっち」
可愛く手招くのは、莉茉。
入学してすぐ、俺に話しかけてきた彼女は、同じ学科で同じ授業が多いこともあり、一緒にいることが多い。今日みたいに席を取ってくれるようにもなっていた。
「おはよう」
「おはよー。遅刻かと思ったよ」
「家も近いし、急ぐ必要も無いからな」
「いいなぁ。私は電車で30分以上かかるのに」
「それでも近い方だろ。そういえば、昼からのアレ行く?」
「あーえっと、新入生歓迎会兼、サークル説明会だっけ」
「それ。サークルの方は説明というより、自己紹介らしいけど」
「んー、私はサークル入るぐらいならバイトしてお金稼ぎたいな」
「そか。まあサークルに入ったら逆にお金かかりそうだしな」
「そうそう。湊は行くの?」
「悩んでる。今日は授業これだけだし、帰るのもありかなって」
「5分で帰れるし、それもいいかもね」
「そうなんだよなー。あ、授業始まりそうだからまた後で」
新入生歓迎会兼サークル説明会にやってきた。
結局1人で。
前世ではサークルとか陽キャの集まりだと思って入れなかったけど、せっかくだから今回は入ってみたい。
色々話を聞いてみて。見てみて。
今のところ気になってるのはアウトドアサークル。
アウトドアサークルは、バーベキューしたり花見したり、長期休暇には旅行したりするらしい。
まあ、お金がかかるから結構自由参加らしいし、気楽な雰囲気だったから良いかなと思った。
その後、学校主催で近くのホテルで歓迎会があった。
同級生とか先輩とか、色んな人と軽く話した。
で、そこで仲良くなった人と二次会に来た。
名前は沙希先輩。3年の先輩で、アウトドアサークルの人。
メッシュみたいに髪の一部に金髪が混じってて、ノースリーブのニットとかいうオシャレな服を着こなしているお姉さん。スタイルも良い。
サークルの説明も沙希先輩から聞いて、楽しそうだと思ったから、入りたいと思ったところがある。
「んじゃカンパーイ!」
「乾杯!」
ジョッキに入った冷たいビールを飲む。
あー、美味い!!
…未成年飲酒?あはは、中身はアラサーっすよ、はは。
「良い飲みっぷりだね」
「先輩もですよ」
「ふふ、歓迎会じゃお酒飲めなかったからね」
「そりゃ学校主催だし、未成年もいましたし」
「そーだねー?」
先輩が俺の発言を聞いてニヤニヤする。
「まあ、居酒屋に来たら普通飲みますよ」
「まるでおばさんみたいな口ぶりだね。まあ、私は一緒に飲める方が嬉しいけど。
…それにしても、今日会ったばかりの先輩と1対1で飲みに来るなんて、湊くんって結構遊んでる?」
「いや、飲みに行くのは大学生になって初めてですよ」
前世ではよく行ってたけど嘘はついてない。
「そっか。私のこと結構気に入った的な?」
「そんな感じです。先輩美人だし」
「え!?そ、そう?」
「はい。胸も大きいし、魅力的です」
ちなみにこれ、前世で言う
『筋肉鍛えてて格好いい』
っていう意味だから。急にセクハラしたわけではない。
この世界に来て数年経ってるから、こういうことを言うのも慣れた。
高校生の頃はめちゃくちゃしてたし。
「そ、そう見えるか~、あはは、嬉しいね」
「はい。彼氏とかいそうに見えますよ」
「あー、彼氏出来たことないんだよねぇ」
「えぇ、先輩がですか?めっちゃ美人なのに」
「恥ずかしながら、事実なのよ」
前世ではモデル…グラドルとかしてそうなスタイル抜群(爆乳)の美女に彼氏が出来ない世界。
男女比はちょっと女性が多い程度だけど、中々に狂ってると思う。
「えー、俺が同級生なら絶対に告白してましたよ」
「」
あ、先輩が顔真っ赤にしてる。
可愛いね。純情な感じが良い。
「も、もう。先輩をからかうのは良くないよ!
あ、あーお酒無くなったから注文しないとー」
「はーい。俺も何か頼もっと」
飲み始めてはや2時間。
美女の先輩をからかいながら飲む酒は美味かった。
ただ、からかいすぎたのか、先輩の酒が進みすぎて大変なことになった。
「あーやばい、世界がぐらぐらするぅ」
「ちょ、先輩、真っ直ぐ歩いてください」
「まっすぐ歩いてるってぇ」
先輩に肩を貸して歩く。
俺の方が身長が高いから何とかなってるけど、先輩がかなりフラフラしてる。
「もうちょいで俺の家なんで頑張って」
「はーい」
家に先輩をお持ち帰りして、ベッドに寝かせる。
寝転がった瞬間気絶するなんて、流石に飲み過ぎっすよ…。
「うん、おっぱいデケぇ」
寝転がって無防備に晒される柔らかそうな胸がエロい。
まあ俺は紳士だし、今さらがっつくようなチェリーでもない。
シャワーを浴びて寝る準備して、先輩の横で寝た。
この人身体ムチムチ過ぎるだろ。
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目を覚ますと、昨日会ったばかりの後輩が隣で寝てた。
「!?!?!?」
思わず声が出そうなぐらい驚いた。
なんだこの男は。
サークル紹介の時にたまたま話して。
今まで会った男の誰より女の子に慣れていて、未だに処女の私なんかと楽しそうに過ごしてくれて。
歓迎会では顔見知りだったからか、私に話しかけてきてくれて。
そのまま二次会に行くことになり、酔い潰れた私を家に連れ帰ってくれて。
そして隣で無防備に寝てる。
湊くんがあまりに油断しすぎてて怖い。
普通、会ったばかりの女を家に入れる!?襲われたらどうするの!?
ま、まあ、私は淑女だから襲ったりしないけど。
信頼してくれた後輩を襲うわけない(ヘタレ)。
それはそれとして。
この状況どうしよう。
あえて無視してたけど、横向きに寝ている湊くんの足が私の足を捕まえてて動けない。
あと太ももに、なんか硬いのが当たってる。
「こ、これは…!」
私はさも偶然かのように手を動かして、湊くんに触れる。
「かったい…!」
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起きたら先輩が顔を真っ赤にしてカチコチに固まってた。
ああ、俺が抱き枕にしちゃってたか。
「あ、おはようございます。すみません、今退きますね」
「お、おはよ…全然大丈夫だよ、あは、あはは」
先輩さすがに顔赤すぎでは。
…ああ、いつもの癖でシャツとパンツで寝てたわ。
「ごめんなさい、お見苦しい物を。
着替えてきますね」
「う、うん…」
「大きくなってた…」
その後朝ご飯を食べて、先輩はお風呂に入りに家に帰っていった。
シャワーぐらい貸したんだけど、教科書とかも無いなら帰るしかないか。
それにしても。
大学生になったけど、そんなに生活が変わらない。
なんなら、高校生の頃の方が遊びまくってたな。
エロい先輩をお持ち帰りしたのに、何も起こらなかったし。
まあいいか。さすがに何回も修羅場に突入したくはない。
「…あれ?」
休日に、たまには出かけてナンパでもされようかなぁって思ってたら。
目の前に見たことが有る顔が現れた。
「湊くん…2ヶ月ぶりだね」
高校生だったにも関わらず、沙希先輩にも匹敵しそうな爆乳を持っていて。
俺が前世を思い出して、最初に手を出した相手。
「会いたかったよ」
有紗と出会った。
もっとちゃんと話を作って、女の子から絞り尽くされる湊を書きたいし、修羅場に落としたい。
自分が一番仲良しだと思ってたら過去に遊びまくってた事実を知ってキレる莉茉を書きたいし、可愛くてエロい後輩が自分の知らないところでサークルメンバーと"仲良し"してたことを知って壊れる先輩も書きたいし、私のことが好きなんだと思ってたら色んな女の子と遊んでたのを知ってぶっ壊された有紗が湊を襲うのも書きたい。