表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
Ink Violet Snow  作者: E-theL
2/3

700年以上前の遠い昔のお話 -第2章-

ヴァルシュタイナーとニヴェアの出会いから、十年後のお話になります。


美しい白銀の髪を揺らしながら、艶やかに踊る、赤いドレスを身にまとった女性。

ニコッと笑いかけると、吸血鬼特有の鋭い八重歯がチラッと見えて、可愛らしい。

露出している腕や顔は真っ青なくらいに白くて、寒くないのかな?と心配してしまう。


彼女がこちらに手を伸ばしてきたので、その手をとり、僕も一緒に踊る。

くるくると、二人で踊りながら、笑い合う。

とても幸せだ。


真っ赤な口紅に彩られたふっくらとした唇。

切れ長で、でも大きな、深紅の瞳に見つめられ、鼓動が高鳴る。

艷めく唇が、動いた。

何かを話しているが、聞こえない。

聞き取ろうと、彼女に顔を近づけた時、彼女の鋭い八重歯が首筋にぐっさりと突き刺さった。

痛みはなかったが、一瞬視界が真っ暗になり、意識が戻るのを感じた。


「うわぁあ!」


大きな声で叫びながらベッドから飛び起きたのは、赤茶色の髪で紫色の瞳の青年、ヴァルシュタイナーだ。

彼は二十歳くらいの年になり、少年の時の無邪気なところはそのままだったが、体は大きく成長した。

温厚で心優しい性格は変わっておらず、祖母と二人きりで暮らしていた。

両親は11歳の時に亡くなり、祖父は数年前に病で亡くなって、今は祖母の世話をしながら牧場で仕事をしていた。


「また…あの夢だ…」

ヴァルシュタイナーは、10歳の頃に森で出会い、友達になったヴァンパイア、ニヴェアの事を今でも覚えていた。

愛犬のチャリオットが死んでからは、一度も会っていないが、時々彼女を思い出すのだ。

今どうしてるのか、どんな見た目になったのか、ふと考える時もあった。


祖母が最近、吸血鬼や魔女の話をするので、ヴァルシュタイナーはニヴェアの夢をよくみるようになった。

それから十年ぶりに、森へと赴くようになった。

何度か、二人が出会った場所、湖を見に行ってみたが、ニヴェアの姿はもちろん、人の気配すら無かったのだ。


汗ばむ体を起こし、クローゼットを開く。

クローゼットの中には、正装服やジャケット、仕事着など、ヴァルシュタイナーの私服がびっしり入っていた。

その中に、ハンガーに結ぶような形で、赤いリボンがぽつんとあった。

これは、ニヴェアが汚れたからと言ってヴァルシュタイナーに渡したリボンだった。

「ニヴェア…」

小さな声で彼女の名を呟き、ヴァルシュタイナーは仕事着に着替え、いつもの様に牧場へと向かった。


ーーーーーーーーーーー


同じような日々を繰り返して半年後、寒い冬の出来事だった。

冬場は牧場の仕事も殆ど無く、買い出しに行っていたヴァルシュタイナー。

数時間後、家に戻り、暖炉に薪をくべ、あまり動けない祖母の為に、食事を用意し部屋に入る。

祖母に話しかけながらベッドに近づき、気がつく。

祖母は死んでいた。

ベッドに仰向けになり、目を瞑っていた。

恐らく眠ったまま、安らかに逝ったのだろう。

表情は穏やかで、苦しんだ形跡などは無かった。

ヴァルシュタイナーの悲痛な泣き声が、誰もいない屋敷に響きわたった。


その日、ヴァルシュタイナーは大好きな祖母を、庭にある小さな墓の隣に埋めてあげた。

この小さな墓には、チャリオットと書いてあった。

彼が子供の頃に死んでしまった愛犬だ。

血液が空っぽの状態で森で見つかり、ヴァンパイアハンターの警備隊の人に家に連れてきてもらったチャリオットは庭に埋められ、小さな墓石を作り、ヴァルシュタイナーは毎朝チャリオットの墓に話しかけていた。


昼食もとらぬまま辺りは真っ暗になり、ヴァルシュタイナーはトボトボと家に戻り、汚れた服を脱ぎ、シャワーを浴びた。

一日中外にいて、手袋もせずに土を掘っていた手は真っ赤にかじかんで、ぬるいシャワーが熱湯の様に熱く感じた。

だがそれも気にならないくらいにヴァルシュタイナーは落ち込んでいた。

その日、彼は夕食もとらずにベッドに入り、静かに眠った。


数日後、誰もいない屋敷で、おもちゃを手に取り、一人で遊ぶヴァルシュタイナーの姿があった。

両親も居なくなり、愛犬も居なくなり、祖父が居なくなって、祖母も居なくなった。

ひとりぼっちになってしまったヴァルシュタイナーだったが、その姿は普段通りに変わりなく、楽しそうだった。

ふと時々、悲しげな表情を浮かべる時もあるが。


雪が降ってからは、時々しか屋敷に来なかった使用人が、住み込みで屋敷に留まるようになった。

元々、ヴァルシュタイナーの住む大きな屋敷には使用人が何人か居たのだが、街から離れていて、吸血鬼や魔女の出る地域ということもあり、みな離れていってしまったのだ。


ヴァルシュタイナーが子供の頃から屋敷で働く熟年の使用人、ルヴィアンが、祖母の死を聞いて駆けつけてくれた。

祖母が亡くなってから一月後のことだ。

雪が深々と降り続け、辺りは一面真っ白になり、それはまるでニヴェアの肌のようだった。


「ヴァルシュタイナー様、お食事の用意が出来ております」

なんの遊びをしていたのか、服をきちんと着ずにワイシャツのボタンも蝶ネクタイもベストも羽織っただけの状態のヴァルシュタイナーに、使用人のルヴィアンはニッコリと微笑みながらそう伝えた。

「さらばだ、友よ」

「今日はどちら様がいらしたので?」

架空の人物と話すヴァルシュタイナーに、ルヴィアンは真面目に問いただした。

「一緒に戦った戦友だよ」

嬉しそうにニコニコしながらヴァルシュタイナーは歩き出した。

食卓からは、焼きたてのパンの香りと、濃厚なスープの香りが漂って、食欲をそそる。

ルヴィアンは、肌を露出し、だらしない格好をしたヴァルシュタイナーのワイシャツのボタンをしめながら、自分の昔話をした。

ベストのボタンもきちっと閉めてくれて、蝶ネクタイも綺麗に付けてくれて、ルヴィアンは何から何まで世話してくれた。

食後に毎日欠かさず薬を飲むヴァルシュタイナーの為に水と薬を用意し、いざと言う時のための注射器や別の薬や吸引器などを彼に持たせた。

心臓の病を抱えたヴァルシュタイナーは、長くは生きられないと、専属の医師に言われていた。

心臓に負担のかかることは彼にとって、命懸けなのだ。

故にルヴィアンはヴァルシュタイナーが外出する時などは、まるで親のように彼を心配するのだ。


食事を済ませ、片付けをするルヴィアン。

ヴァルシュタイナーも一緒に片付けをするが、ルヴィアンに怒られてしまった。

「おやめ下さいヴァルシュタイナー様!全てわたくしがやりますので!どうか寛いでいてください!」

「気にしないで。ルヴは休んでていいよ。」

柔らかい笑顔でそう答え、ヴァルシュタイナーはルヴィアンの隣で皿を洗いはじめた。

「相も変わらず…お優しいですね」

老若男女、誰にでも優しさを振りまく温厚な性格は、子供の頃から変わっていない。

「ねぇ、僕が子供の時、キレイな人に出会ったんだけどさ」

二人で一緒に皿洗いをしながら、ヴァルシュタイナーはニヴェアの話をはじめた。

相槌をうちながら静かに聞いてくれるルヴィアン。

吸血鬼だということを聞いても、何も否定することなく最後まで話を聞いてくれた。

「聞いてくれてありがとう!ルヴは僕の最高の友達だよ!」

無邪気な子供のような表情でそっとハグをしてくるヴァルシュタイナーに、ルヴィアンも嬉しそうに笑った。

自分の孫のように可愛がっていたヴァルシュタイナーは、ご主人様でありながら、大切な家族でもあるのだ。


しばらくして、暖かいコートを身にまとい、紳士的な帽子をかぶったヴァルシュタイナーは玄関先でルヴィアンと挨拶のキスを交わし、そそくさと雪の中を走っていった。


彼は、十年ほど前にニヴェアと出会った森へ向かっていた。

雪の積もった道で、人と出会うことはなく、森についてからも、ずっと一人で歩いていた。

森の中は一段と雪が深く、ギュッギュッと雪を踏みしめる音だけがする。


草木をかき分けてようやく辿り着いた湖。

見慣れた湖はカチコチに凍結していた。

冬に森へ来るのは初めてだった為、凍った湖は新鮮で、ヴァルシュタイナーはテンションが上がった。

「すごい!」

凍った湖をトントンと叩いて、湖にはしばらくの間、ヴァルシュタイナーの笑い声が響いていた。

カチコチに凍った水の上で遊び呆けていると、ふと、湖の向こうの草陰に、人の姿が見えた。

もしかしたらニヴェアかもしれないと、ヴァルシュタイナーはゆっくりとそちらへ向かったが、人影はサッと走り出してしまった。

慌ててヴァルシュタイナーはその人を追って走り出した。

雪の中をひょいひょいと走る後ろ姿は、自分が探していた女性にそっくりで、白銀の髪をサラサラとなびかせていた。

だけど、当時ニヴェアは長髪でリボンの髪飾りをしていた。

今、目の前を走る娘は、肩までしかないショートヘアだった。

寒い雪の中だというのに、娘は茶色のシンプルなカーディガンを羽織っているだけで、下は煤けた濃い赤色の薄手のスカートだ。

追いかけながらヴァルシュタイナーは、もしかしたら彼女かもしれないという期待に胸が躍った。

だが残念ながら、あまり長く走れないヴァルシュタイナーは息を切らし、その場に立ち止まってしまった。

ハァハァと呼吸をしながら、自分の胸に手を当てて、片手を膝につき前屈みになった。

心臓がバクバク言っているのが手から伝わってくる。

少しだけ呼吸が整い落ち着いたところで、当たりを見渡す。

先程まで追いかけていた娘の姿はどこにも無かった。

「おーい!」

森の中に響くヴァルシュタイナーの声。

それと同時に、木々の間から鳥が数匹羽ばたいて行った。

静けさだけが残り、自分の呼吸しか聞こえなくなった。


まだ諦めきれなかったヴァルシュタイナーは、再び歩き出した。

広い森の中は、まだ知らない場所が幾つも存在している。

何度か森を訪れていたヴァルシュタイナーもまだ見ぬ場所、それは少し進んだ先にあった。

ひらけたところに、小さな建物がぽつんと立っていた。

「こんなところに、家があったんだね」

立ち止まり、辺りを見渡し、初めて見る光景に目を輝かせながら3歩4歩と再び歩き出す。

5歩目を踏み出そうと足を上げた瞬間、上から重たいものがのしかかり、ヴァルシュタイナーは雪の中に倒れ込んだ。

「わぁっ!」

仰向けの状態のヴァルシュタイナーにまたがる形で力強く押さえ込もうとしてくるそれは、獣のような勢いだったが、人の形をしていた。

手前の上の方に太い木の枝が伸びてきていたので、そこから飛んできたのだろう。

その人は、暴れるヴァルシュタイナーの動きを止めようとするが、ヴァルシュタイナーも必死に抵抗している。

暴れる二人の周りには雪が舞い上がっていた。

「じっと、しな、さいよ…!」

攻防の中、聞き覚えのある声がして、ヴァルシュタイナーはピタッと抵抗をやめた。

一瞬、時が止まったかのような一時に、ヴァルシュタイナーは相手の顔をしっかりと見た。

しかしそれはつかの間、牙を剥き出し今まさに噛まれる!という寸前でヴァルシュタイナーが口を開いた。


「ニヴェア!」


森の中に声が響いた。

キュッと目を瞑るヴァルシュタイナーがゆっくりと目を開くと、自分の両腕を抑えながらこちらを見つめている相手と目が合った。

自分の上に乗り腕を掴む人物は、先程まで追いかけていたあの娘だった。

そしてその娘はやはり、ニヴェアであった。

「ニヴェア…!」

ずっと会いたかった人物にようやく巡り会えた喜びに、満面の笑みでニヴェアを抱き寄せるヴァルシュタイナー。

ニヴェアの小柄な体をぎゅうっときつく抱きしめる。

「はぁ?」

熱烈な抱擁から顔を上げたニヴェアは、目と鼻の先のヴァルシュタイナーの顔をジロジロと見てから、確かめるように彼の胸に手を置いた。

この鼓動には聞き覚えがあった。そして何より、自分のことをニヴェアと呼ぶ人物は一人しかいない。

「アンタ、ヴァル?」

「そうだよニヴェア!会いたかったよ!」

雪まみれの二人はまた抱き合った。ヴァルシュタイナーの方から一方的だが。

「そうならそうと早く言いなさいよ!」

ヴァルシュタイナーの体から離れ、おもむろに立ち上がり、雪を払うニヴェア。

ヴァルシュタイナーはまだ仰向けのままだった。

十年ぶりに見たというのに、当時と全く変わらぬ姿で、とても美しい。

「とっくに死んでるかと思ってたわ」

「……」

十年前に出会ったのがまるで最近の事のように話すニヴェアを、微笑みながらじっと見つめるヴァルシュタイナー。

周りの雪と同化してしまいそうな真っ白な肌に、燃え盛る真っ赤な瞳、十年前は気にしていなかった、ふっくらとした唇、大人になってから改めて見る彼女はとても色っぽく、艶やかだ。


「…いつまで寝てるのよ」

「あ…ごめん、手伝ってくれないかな?」

「は?何様のつもり?」

動けないでいるヴァルシュタイナーに冷たい視線を向け、ニヴェアが傍にしゃがみ込んだ。

「生意気ね」

鋭い爪のある細い指で、ヴァルシュタイナーの鼻をちょんっとつついた。

「んっ」

急襲に合い、ニヴェアに出会えた喜びのあまり、腰が抜けてしまったヴァルシュタイナーは寝たまま静かに、ニヴェアの話を聞いていた。

ジェスチャーを交えながら笑いかけるニヴェアの柔らかそうな唇の隙間から、可愛らしく牙が見え隠れする。

「ニヴェアは変わらないね、すごく、かわいいよ」

「かわいい?ほんと?」

ウフッと嬉しそうにするニヴェアをヴァルシュタイナーも嬉しそうに見つめる。

ニヴェアはヴァルシュタイナーに手を差し出した。

彼女の手を借りて、ヴァルシュタイナーはようやく立ち上がった。

「ありがとう」

服についた雪を払い、襲われた際に雪の中に投げ捨てられた自分の荷物を手に持った。

「最近までこんなに小さかったのに…ずいぶんと大きくなったわね」

立ち上がったヴァルシュタイナーは思ったよりも背が高く(自分が小さい為)、ニヴェアは怪訝な顔をした。

自分の腰ほどの身長だった小さなヴァルシュタイナーは、今や15cm以上も大きかった。

少しだけ見上げるようにヴァルシュタイナーの顔を睨むように一見し「生意気だわ」と言って歩き出したニヴェア。

彼女の口癖なのだろう。

それを見て微笑みながら、ヴァルシュタイナーも後を追った。


ーーーーーーーーーーー


二人は傍にあった建物の中にいた。

建物の中には地下室が存在しており、ニヴェアはずっとここで暮らしていたと言う。

螺旋状の石の階段をコツコツと音を立てながら降りていく。

1分ほどかけて降りた先には広くはないが狭くもないちょうどいい広さの部屋があった。

部屋に入った瞬間、甘ったるい香りがぶわっと押し寄せ、ヴァルシュタイナーの鼻を刺激した。

生活感の溢れる部屋には、一人暮らしには贅沢なダブルベッドがドンと置いてあり、サイドテーブルにはグラスが置いてあった。

グラスの中には赤い液体が入っていた。

ヴァルシュタイナーはそれを手に取り、香りを確かめた。

「鉄の匂いがするよ」

一見、ワインが入っているようだったが、それは人の血液だった。

「それは農家の子供の血よ」

「…!?」

不穏な空気を感じさせる目つきでニヴェアが言った。

「こ、子供を殺したのかい!?」

驚き悲しむヴァルシュタイナーに近付き、ニヴェアは彼の両頬を片手でぎゅっと挟むように掴んだ。

アヒルのような顔になるヴァルシュタイナーを見てニタリと笑うニヴェア。

「フッ、ジョーダンよ」

「なんだー!良かった…」

これは実際のところ、農家の夫婦の血であるが、それはあえて言わずにニヴェアはソファに腰をかけた。


ヴァルシュタイナーは大好きなニヴェアの部屋を興味津々な様子で見渡した。

ソファやベッドは赤色のカバーがしてあり、細かい花柄や薔薇の絵が描かれていた。

赤を基調としたこの部屋は、とても情熱的だった。

地下にある為、そしてニヴェアが吸血鬼ということもあり、窓は一切なく、オレンジ色のロウソクがユラユラと揺らめいている。



吸血鬼であるニヴェアが真昼に外を出歩けるのには、理由があった。

彼女の首元には、いつも決まってこじんまりとした可愛らしいネックレスがキラキラとしていた。

これは単なる飾りではなく、太陽の影響を極力受けないという、魔法のネックレスなのだ。

遠い昔、友達だという魔女にもらって以来、肌身離さず身につけている。

しかしながら、魔法の力があっても尚、長い間太陽の元に照らされることは出来ない。



上まで繋がっている暖炉から、パチパチと音を立てて木が燃えていて、近くに行くととても暖かかった。

吸血鬼であるニヴェアには寒さというものを殆ど感じない為、暖炉は必要無いはずなのだが、元々この建物にあった暖炉に、雰囲気を良くする為の飾りとして火を入れているらしい。


ふと床に視線をやると、女性の下着がチラホラと散らかっており、よく見たらベッドにも幾つか下着が散乱していた。

紫、黒、赤の下着は黒いレースで縁取られていて、彼女が派手好きだということを物語っている。

そのひとつを手に取り、ヴァルシュタイナーは派手なベッドに腰を掛けた。

使用済みなのか否かは分からなかったが、下着から色々と想像してしまい、ヴァルシュタイナーは顔を赤く染めた。

それを見たニヴェアはヴァルシュタイナーが手に持つ黒いブラジャーをバッと奪い取り、おもむろに服を脱ぎ始めた。

「女の子の下着で何を想像してるのかしら?」

「え!?いや!」

あたふたとたじろぐヴァルシュタイナーを見て、楽しそうに笑うニヴェア。

「下着なんて、別に無くても良いんだけど。今はオシャレで可愛いのがたくさんあるのよ。昔は地味なのしか無かったわ」

喋りながらニヴェアは、着けていたブラジャーを外し、先程までヴァルシュタイナーが手に持っていた黒いブラジャーを身に着けた。

その様子を後ろから見ていたヴァルシュタイナーだが、ニヴェアが振り返ると同時に視線を逸らし、落ち着かない様子だった。

「それとも…」

そんなヴァルシュタイナーにゆっくりと近付き、彼の太ももに片手をついた。

下着姿のまま、もう片方の手で彼の手を取るニヴェア。

「何もつけてない方がお好みかしら?」

ヴァルシュタイナーの手を自分の背中にまわし、ブラジャーのホックに手をかけさせた。

目を丸くして赤くなるヴァルシュタイナーはその手をバッと戻し、赤ちゃん歩きをするようにベッドの上を歩き、反対側へ逃げた。

その様子をポカンと眺め、ムッと眉を下ろして細目になるニヴェア。

「つまんないわね」

そう吐き捨てて、ニヴェアはサッと上着を着ると、グラスを手に取り、中の血液を半分ほど口にした。


「そ、そういえば!」

動揺を誤魔化すかのように、ヴァルシュタイナーが口を開いた。

「初めて会った時、どうして僕を食べなかったんだい?」

十年前、子供だったヴァルシュタイナーを吸血しなかったニヴェア。

当時、何度も会う中で二人は色々な話をしたが、自分の血を一切口にしようとしなかったことを聞いても、本人は血が不味いからとしか答えてくれなかった。

「カンタンなことよ、アンタが病気だったから。アタシがわざわざ不味い食事をすると思う?ありえないわよ。アンタが小さかった時にも教えてあげたはずよ?バカなの?」

他にも何か理由がありそうだ。

「病気の人の血液は美味しくないんだね?でもなんとなく、それだけじゃない気がするんだよなぁ…何か隠してない?」

「はぁ?しつこいわね!なにも隠してなんかいないわよ!」

ニヴェアは少し不機嫌な様子でソファに横になった。

「ちょっと、いつまで人の家にいるつもり?早く出ていきなさいよ」

夜行性である吸血鬼にとって本来、昼間は寝る時間なのだ。

いつまでも帰ろうとしないヴァルシュタイナーに向かって、牙を剥き出して脅すニヴェア。

「ごめんよ!今行くよ…」

慌てて帰り支度をし、上へ上がる階段の入り口で立ち止まった。

「また会いに来ても、いいかな?」

「勝手にしなさい!」

ニヴェアの声が地下に響き、ヴァルシュタイナーは「またね!」と言いながら階段を登っていった。


地上に出て、外の寒さに震えながらも、楽しそうに帰路に就くヴァルシュタイナー。

屋敷に戻り、ルヴィアンにニヴェアの話をする。

その様子をニコニコしながら静かに聞いてくれるルヴィアン。

幸せそうなヴァルシュタイナーを見るルヴィアンもまた、とても幸せそうだった。


夕食を済ませた後、シャワーを浴び、ベッドに入る前に謎のポーズをとる。

「決めポーズ!」

何やらまた子供遊びをしているようだ。

アクションを加えながら悪の組織と戦った後、ヴァルシュタイナーはようやくベッドに入った。

暖かい毛布にくるまりながら、大好きな友達、ニヴェアの事を考えていた。

彼女と出会えたことがよほど嬉しかったのか、布団の中でニヤニヤするヴァルシュタイナーだった。


ーーー


次の日、さっそくニヴェアに会いに行き、二人は他愛もない会話をした。

その次の日も、またその次の日も、何度もニヴェアに会いに行った。

最初はツンケンしていたニヴェアも、次第にヴァルシュタイナーを受け入れ、二人の仲は急激に縮まった。


そんなある日、いつものようにニヴェアに会いに行くと、見知らぬ男が彼女の部屋にいた。

逆立てた黒髪に、奇抜な服装をし、顔や耳には幾つかピアスがチラホラと見えた。

会ったことも見たこともない人だ。

ニヴェアはそこにはおらず、部屋を物色する男だけがそこにいた。

男は、部屋に自然に入ってくるヴァルシュタイナーに驚き、ヴァルシュタイナーもまた見知らぬ男に驚いた。

「誰だお前!?なんでここにいる!?」

「き、君こそだれ!?」

同じ質問をお互いにし、数秒間、二人は距離を保ったまま動かなかった。

「ここはニヴェアの部屋だよ?君は…ニヴェアの友達、なのかな?」

「ニヴェア???」

知らぬ名を聞き、不思議そうな顔をした男は、ゆっくりとヴァルシュタイナーに近づいた。

「あの女のことか?」

近くまで来た男は、ヴァルシュタイナーを舐めまわすように見て、ニタリと笑った。

「お前、人間か」

話す中でよく見たら男の口元にはニヴェアと同じ牙が見え隠れしていた。

この男の正体は、ヴァンパイアだ。

「ここ最近は人間を味わってなかったなァ…」

ヴァルシュタイナーの周りをゆっくりと歩きながら、男はニヤニヤしていた。

部屋の入口で立ち尽くすヴァルシュタイナーは、怪しい男から離れようと、部屋の真ん中まで進もうとした。

だが男に遮られ、壁際へと追い詰められた。

「お前はアイツの食料か?こんな立派な食事を用意してるとは、さすが、ずる賢い女だぜ!」

何を言っているのか、ヴァルシュタイナーには理解出来なかったが、ニヴェアが悪く言われている事に、顔をしかめた。

「ニヴェアは良い人だよ!良い…吸血鬼?かな?ワガママだけど」

「は?ハハッ!ヴァンパイアって知っててここに居るのか!ブハッ!お前も騙されたんだな!ハハハ!」

笑いながら話す男。

男はいきなり、壁際に追い詰めたヴァルシュタイナーの服を無理やり引っ張りだした。

「わ!ちょっと!」

抵抗する暇もなく、暖かく着込んでいたコートを剥ぎ取られ、吸血鬼の鋭い爪により、首元を露出させる形で服を破かれてしまった。

「運が悪かったな」

一言そう言うと、男はガバッと大口を開け、ヴァルシュタイナーの首元に噛みついた。

「うあぁッ」

急な出来事と激しい痛みにびっくりして声をあげ、ジタバタと暴れるヴァルシュタイナーだったが、彼を抑える男の力には適わなかった。

「やめろ!はなせ!」

噛みついたヴァルシュタイナーの首元の血管からギュイギュイと血液を吸い出す男、その早さはとてつもなく、ヴァルシュタイナーの抵抗力も次第に弱まっていった。

「あぁ……ぅ…ぁ」

ごくごくと勢いよく、まるでジュースでも飲むように、ヴァルシュタイナーの血液を飲む男。

段々と血の気が引いていき、ヴァルシュタイナーは喘ぐことしか出来なくなっていた。

体の力も入らなくなり、ぐるぐると目が回る。

1分くらい経っただろうか、息継ぎの為か、男がヴァルシュタイナーの首から口を離した。

男の口元に血が滴る。それと同時に、ヴァルシュタイナーは壁に背中をつけたまま、ぐったりと床に崩れ落ちた。

心臓の弱かったヴァルシュタイナーにとって、血液が奪われることは命取りだった。

「おいおい!もうくたばっちまうのか?まだ半分も飲んでねぇぞ」

男はしゃがみこみ、ヴァルシュタイナーの頬を軽くペチペチと叩いた。


貧血を起こし、意識が朦朧とする中で、ヴァルシュタイナーは見た。

突然、目の前の男が、物凄い勢いで吹き飛ばされたのだ。

騒音と共に、激しく言い争う声が聞こえた。

気を失いかけていたヴァルシュタイナーには、くぐもって、途切れ途切れにしか聞こえなかったが、その声の主が誰だかはハッキリと分かった。

「なんでアンタがここにいるのよ!」

うっすらとぼやけて見えるその姿は、まるで獣のように男に襲いかかる、ニヴェアだった。

男に跨り、鋭い爪で男を攻撃している。

そして今度は男がニヴェアに跨り、両腕を押さえ込んだ。

「やっと見つけたぜお嬢さまよォ…すげー探したんだぜ!あんたに全て奪われたあの日からずっとな!」

「なによ?復讐でもするつもり?」

「おぅおぅおっかねぇなァ…あんときゃニャアニャア鳴いてて可愛かったのになァ?」

ニヤけた顔でニヴェアを挑発する男の瞳には、憎しみや怒りが感じられた。

だが同時に、激しい欲望に満ちた瞳もしていた。

「口を閉じなさいゲス野郎」

男の下で、睨みをきかせるニヴェア。


この男の名は、アロイシウス。

かつて、富ある者としてヴァンパイアの裏社会で有名なリーダーだった。

しかし今では、ヴァンパイア界のならず者である。


ーーー


百年ほど前、ニヴェアがヴァンパイアになって二百年が過ぎた頃、彼女は色んな国を飛び回って遊んでいた。

同じヴァンパイアの仲間たちと夜な夜なダンスパーティーをしたり、まるで現代のティーンエイジャーの様な暮らしをしていた。

そんなある日、遠い国で、若い男が仕切るヴァンパイアクラブを見つける。

そこで、クラブの主である男、アロイシウスと出会う。

美しい美貌の彼女はいつだって男たちの的だった。

何人もの男(人間も含む)を魅了してきたニヴェアだったが、アロイシウスもまた、彼女に魅了され、自分のクラブの秘密を、ニヴェアに見せたのだ。

地下室に案内され、ニヴェアが目にしたのは、生きた人間を道具にして遊んでいるヴァンパイアたちだった。

生きたままの人間を張り付けにして、ダーツの的にしていたり、生きたまま体の部位が切断され、その流れ出る血を飲んでいたり…。

楽しそうに笑うヴァンパイア達の声と、人間の悲痛な叫び声が響くその空間は、とても恐ろしい光景だった。

人間を嫌っていたニヴェアだったが、食事以外で理由もなく人間を殺したことなど無く、ましてや娯楽の為に命を弄ぶなど、もってのほかだ。

この時何かが、ニヴェアを動かした。

その夜はアロイシウスに合わせて楽しむふりをし、彼と一夜を共にし、彼が眠っている間に金庫の金を全て持ち去り、かろうじて生きていた地下の人間たちを全員解放した。

朝にはニヴェアは姿を消していた。


ーーー


やはりヴァンパイアというものは人間離れした驚異的な力がある。

ニヴェアとアロイシウスの攻防は激しく、部屋の中がぐちゃぐちゃになっていた。

組み伏せられていたニヴェアはアロイシウスを再び突き飛ばし、ヴァルシュタイナーの傍にいた。

ぐったりした様子でかろうじて意識のあるヴァルシュタイナーの胸に、ニヴェアがそっと手を置いた。

そこに、先ほど突き飛ばされていたアロイシウスが喋りながら二人のもとに歩み寄ってきた。

「金も女も全て無くしたんだ!食料くらい少し分けてくれよ。若い人間はもうしばらく食ってねぇんだよ…っておい?ちょっと待て」


先にも述べたように、ヴァンパイアには驚異的な力がある。

自己治癒力、動くスピード、強靭的な力、瞬間移動などだ。

かつて十歳だったヴァルシュタイナーが発作を起こした時、ニヴェアは発作を鎮め、ヴァルシュタイナーを救った。

驚異的な早さの自己治癒力は、他人にも使えるのだ。


今まさに、瀕死のヴァルシュタイナーを回復させようとしていたニヴェアを見て、アロイシウスは驚いた様子で頭を抱えた。

「こ、こいつ、お前の食料じゃねぇのか!?」

血液を急激に失ったヴァルシュタイナーの心臓は、体に血液を送り出そうと通常の倍の速さで動いていた。

ニヴェアはヴァルシュタイナーの心臓自体に催眠をかけ、血液を補充するまでの間の応急処置とした。

「まさか…!こいつと寝てるのか!?その後で食うんだな!?俺のマネしてんのか!」

「はぁ!?」

ニヴェアはヴァルシュタイナーの胸から手を離し、混乱するアロイシウスの首をガッと掴んだ。

そして、小さな体からは想像もつかないほどの力を出し、そのまま片手で彼を持ち上げた。

もちろん、ヴァンパイアであるニヴェアにとっては、造作もないことである。

「ぁがっ…!」

首を絞められて喋れなくなるアロイシウス。

ギリギリと、ニヴェアの爪が彼の首にくい込む。

「アンタみたいなゲス野郎と一緒にしないでくれるかしら!?」

激しい嫌悪の表情でアロイシウスを見上げるニヴェア。

その様子をそばで見ていたヴァルシュタイナーがよろよろと立ち上がり、引き寄せるように弱々しくニヴェアを後ろから抱きしめた。

「だめだよ…ニヴェア」

優しいヴァルシュタイナーは、自分を殺そうとしていた相手すら助けようとしていた。

「ちょっと…!なんなのよ!」

唐突な抱擁にたじろぎ、ニヴェアはアロイシウスを離した。

「ゲホゲホッ」

ニヴェアの絞首から解放されたアロイシウスは激しく咳き込んだ。

「みんな…なかよく…しようよ」

時々まるで小さな子供のような行動をとるヴァルシュタイナーに、ニヴェアはいつも翻弄されていた。

「離しなさいヴァル!」

「……むぅ」

今、力を入れることが出来ないヴァルシュタイナーは、ニヴェアに全体重をかけている為、二人は同時に倒れ込んだ。

その脇で呼吸を整えていたアロイシウスが、ニヴェアに覆い被さるヴァルシュタイナーを引き剥がした。

床に転がったヴァルシュタイナーは力なくぐったりとしていたが、ニヴェアが彼の心臓に施した催眠はまだ続いていた。


「こいつは頂くぜ」

食事の続きでもするように、アロイシウスは再びヴァルシュタイナーの首元に噛みついた。

「んん…!」

またしても首に激痛を感じ、ヴァルシュタイナーは弱々しくアロイシウスの腕を掴んだ。

当然、今の彼には力など無く、どうやっても逃れることは出来ない。

「ヴァル!」

ニヴェアがアロイシウスの体を吹き飛ばし、アロイシウスはまた再び床に転がった。

「ヘヘッ…ただのビッチなお嬢さまかと思ってたのによ…気性の荒い女だぜ…」

起き上がろうとするアロイシウスの元にスっと立ち塞がるニヴェア。

そばに散らばっていたガラスの破片をおもむろに拾い上げ、アロイシウスの腕に向かって思い切り突き刺した。

「アァアアッ!!」

アロイシウスは悲鳴をあげたが、ヴァンパイアにとってこの程度の傷は直ぐに治るものだ。

だが痛みは、人間と同じように感じるのである。

「今すぐに!帰りなさい!」

激怒したニヴェアは、アロイシウスの腕にガラスの破片をグサグサと何度も突き刺した。

「アアッ!イッ!やめ!いてぇぇ!」

ヴァルシュタイナーが居なければ、彼と出会っていなければ、恐らくニヴェアはとっくにアロイシウスを殺害していたであろう。

ニヴェアはあえて、腕や足を攻撃していた。

「…はぁ…はぁ…容赦ねぇなァ…ニヴェア」

今まで名も知らぬニヴェアのことをお嬢さまと呼んでいたアロイシウスが、彼女の名を口にした途端、ニヴェアはカッと目を見開き、アロイシウスの太もも目掛け、思い切りガラスを突き立てた。

彼の悲鳴が、散らかったニヴェアの部屋中に響き渡った。


「その名前で呼ばないで」


十年前、小さな男の子から名付けてもらったニヴェアという名前は、彼女にとって、特別で、その名は、ヴァルシュタイナーだけが呼んでいいものだ。


静かに言い放つその声色に、アロイシウスは自分の命が危ういことを悟った。

血だらけだったが、彼の傷は少しずつ塞がっていた。

「…なぁ、協力しないか?二人でクラブを作り直して…お前がいれば、すぐにでも大金が…」

アロイシウスの話を聞いてか聞かずか、ニヴェアはガラスをぎゅっと握りしめ、スパンッと横に振り切った。

「ゥオオッ!」

アロイシウスは咄嗟に避けたが、彼の穿いていたズボンの股の部分がぱっくりと開いて、ダサい柄のパンツが丸見えになっていた。

その姿を自分で確認し、目を見開くアロイシウス。

「おい…嘘だろ…」

「次はそのダッサイぱんつよ、その次は…」

「待て待て待て!分かった!分かったから!」

今にも次の一振りが見舞われそうで、ニヴェアの神技に驚くよりも、自分の股間を心配したアロイシウスは、そそくさと部屋から逃げ出していった。

去り際に「これで終わりじゃねぇぞクソビッチ!」と叫んでいたが、ニヴェアはそんな戯言は聞き流し、ヴァルシュタイナーのそばに居た。


「ヴァル!」

地面に倒れているヴァルシュタイナーを上半身だけ壁に寄りかかる形で起こし、彼の胸に耳を当て、鼓動を聞く。

催眠により通常通りの脈拍が聞こえていたが、催眠の時間はそんなに長くは持たない。

すぐにでも輸血しなければ、死んでしまう。

鼓動を聞いていたニヴェアは顔を離そうとしたが、いきなりヴァルシュタイナーの手に拘束された。

「ひっ!?」

壁に寄りかかり座ったまま、ニヴェアを優しく抱きしめるヴァルシュタイナー。

だがその力は弱く、ニヴェアに簡単に解かれてしまった。

ヴァルシュタイナーの両頬に手を当てて、顔を確認するニヴェア。

その顔色は青白く、唇は紫色をしていた。

うつらうつらと重い瞼を持ち上げ、ニヴェアの顔を見ようと、必死に目を開け、同じようにヴァルシュタイナーもまた、彼女の頬に、手を添えた。

彼女の存在を確認するように、優しく頬を撫で、ニッコリと笑うヴァルシュタイナーだった。

「ニヴェア…」

彼女の名を呼ぶと、添えられた右手はだらんと落ち、ヴァルシュタイナーは意識を失ってしまった。

ニヴェアはひとまわりもふたまわりも大きいヴァルシュタイナーを軽々と持ち上げ、散らかった部屋を歩き、自分のベッドにゆっくりと降ろした。

綺麗だった机やドレッサーはバラバラに崩れ、かろうじて、ソファとベッドだけは無事だった。

疲れていたニヴェアだったが、ヴァルシュタイナーを放っては置けず、輸血するための血液を探しに、家を後にした。


最終章へ続く…

ニヴェアちゃんが、ちょっとらしくないかなぁって思いながら書いてました←

ツンギレ吸血鬼なので、優しさを出さないように〜って思っていたのですがね、、、あれ?w

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ