1 少し旅に出よう
十二支は神話の有名な話。長くしたらどうなるか、
十二支に出てくる龍とゆいと天界と下界を巡るハイファンタジー小説。
今までにない、世界観が出せるように工夫しています。
もちろん、十二支達も後々出てきます。
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天界の端の森の奥に滅多に外に出られない女の子がいた。女の子はゆいと言う名前で、あらゆる動物と話ができいろんな動物と友達になることができた。
その家には年老いた男の神様とゆいの2人だけが暮らしていてゆいが外に出ることを心配し外に出る事を禁じていた
「神様 私は疑問に思ったのですが、
何故人間に似た神様には何か役目があるのに動物達には無いのですか?何かの役を与えればもっと動物達と仲良くなれると思うのですが何か与えてもらえませんか?」
「そうか 役目か‥。」
「‥?どうにかできそうですか?」
「うっうむ。ただ闇雲にあたえても争いになるし、そうじゃ競争でもさせようかの。動物達に日の出から数えて12番目までに来れたものに何か役目をもたせよう。」
「お役目ですか?何でしょう。」
「ふぉふぉふぉそれはな!秘密じゃ、」
っと人差し指を口に近づけた。
翌朝年老いた神様は地球に存在するすべての動物に知らせた。
「この世界に生きている動物達よ、私の声が聴こえるのならば1月1日の日の出から日が隠れるまでに我が家の門を通った最初の12番目までに特別な褒美を取らせよう。」
そう言って朗らかに笑ったが、その声を聞いて実際に動いたのは僅かだった。
蜘蛛はその声を聴くには聞いたが巣を作るのに忙しく、蝶は嬉しくて、左右の羽を器用に動かした。
しかし、長いこと跳べない事実に気がつきがっかりした。
※中には大陸を横断できるものもいるが稀である。
鰯は太陽が水面にキラキラ映る時や、イカが夜に星の如く青く光る..その違いは分かるが、太陽が何処から登り何処に沈むのかまでは知らなかった。
そして殆どの動物は神様の住まいがわからなかった。 それは神様がここ何年か自分達に似ている人間に親身になるようになり道具を使い畑を耕す方法や、稲作の仕方を教え、動物達に構うのを忘れ家に招くのを忘れてしまった事が原因。
年老いた神様はうっかりその事を忘れ、自分の声を聴いて誰が来てくれるのだろうかと考えるとワクワクした。
そのスキにゆいが龍に乗り出し下界にでかけてしまった事も気が付かずに。
△▲△▲△
ゆいは、龍の頭の後ろにしがみつきながらおもいっ切り息を吸うと肺の中に冷たい空気が入りあまりの冷たさに肺の中まで凍るのではないかと焦った。
何度も
「ふうーっ」と呼吸をし、コツを掴んだ。
歯の隙間から空気を吸い込み直接冷気を吸い込まない工夫をする事で、少し気持ちが落ち着いた。
龍が急上昇したことにより外気の冷たさに息苦しさを覚え少し目眩もしたが、今は風の強さとかなり高い高度を飛ぶ恐怖を口角を上げることで誤魔化し、これ位大丈夫と笑顔になるのに数秒掛かった。
龍はゆいが寒そうにしているのに気がつくと、急上昇している自身の体をなるだけ水平にしようと身体を傾けた。
ゆいは、暫くすると龍の耳の下辺りに暖かい空気の壁があるのに気がついた。
「ねえッ、いいの?」
『何が?』
龍は耳のうしろが何だかこそばゆい。
「私を連れ出して。」
『ああっ勿論。今しかなかったろうー。 今しか君は外を見れない。ずっと‥ずっと外を見たがっていた。君に、人を人間をこの世界のあらゆる物を見て貰いたかった。』
「‥そう。ありがとぅ。(貴方はにはずっと‥甘えぱなしで、申し訳ない。)」
ゆいは、龍に依存していた、果たしてそれが依存と呼べるかは定かでは無いが。
その時、龍は人には聴こえない空気の波動を吐き出す声で空気の玉を作り、笑いながら楽しげに少し身体を左右にゆっくりとゆらし、海の向こうを遠くに見据え目の前の太陽を少し眩しく感じながら陸地に続く地上への入口に向かい飛び続けた。
「ぅぎゃあ!!」
不意に龍は角度をほぼ垂直に傾けると、更にこともあろうか着地をするのにワザワザ木を伝って垂直に地面に落ちるように着地した。
龍は褒めて欲しいのか口角を少し上げた。
ゆいは先程の恐怖と、震え出しそうな足を誤魔化し地面を2.3回蹴った。
「ぷぅ~!もう少し優しく降りれ無いの?」
龍は、ニヤニヤ笑いながら
『たまにはいいだろ。』
龍はイタズラが成功したと笑った。
「は〜。」
溜息をつきながらゆいが振り向くと、龍はすーぅッと空気の中に溶けるように身体を紛れ込ませ半分身体を隠している最中であった。
「あっ!何で隠れるの?」
『フッ。人間にはこれで視えない』
するとゆいは体中の細胞を巡らし大気の層を体からオーラを外に出す事で龍の身体を感じとった。
「隠れたって無駄!」
人差し指を突き出し龍の場所を特定する。
『いやいや、意味なく隠れた訳では無い。普通の人間に私の姿を見せるわけには行かないからな。』
龍は、そう言いながらも透明になっていた体がゆいに見えるようにもどした。
ゆいは、何故人間に姿を見せてはいけないのかが分からなかったので、頭を傾けながら、ふと背後に何かの違和感を感じ振り返る。
「‥‥‥。」
そこには、ひげをピクピクさせて気絶しているウサギがいた。
△▲△▲△
《パチッパチッパチッ》火の爆ぜる音。
横にウサギは寝かされていた。
その横で、
「最近爺ちゃん《老神》が下界の‥走る競走馬ばかり見ててね」
『うん競走馬?』
「うん。‥‥‥だけどーまさか新年の初めに゛動物達を競走させよう゛って言うとは思わなかった。人間ってさ、なんの為に(馬を)走らせるんだろって爺ちゃん言ってたからかと思って。」
『(馬を)鍛えているのではないか?』
「もしくは(馬を)美味しくいただくため?」
『ひぃっ食べないで!』
゛美味しくいただく゛と言う言葉にウサギは飛び起きて言った。
「食べないよ。クスッ。地上の物を食べると帰れなくなるから。」
ゆいはそう言いながら腰に提げていた袋からクッキーを取り出した
「はい、食べる?」
うさぎは恐る恐るクッキーを受け取り食べ始めた。口からクッキーのクズがポロポロと落ちるのを見ながら
「ダメですよ、ポロポロ落としちゃ。」
とみている。
『そんなこと初めて言われました。‥‥ふうッ、私は何をやっても上手くいかないんです。(遠い目をしながら)巣穴も上手に掘れないし、だから彼女もこないに違いない。
私なんてミミズよりも劣るんです。ああっ!もう未来が見えない』
ミミズの生態に、さほど詳しくもないウサギは、ミミズは大したことが無いに違いないと思い込み例えに出したのである。
突然大声をだしたウサギはユイが持っているクッキーの袋を奪い取り、中身を地面にぶちまけ袋の中に頭を潜り込ませた。
「ちょちょちょっと何するのもう!もう食べれないじゃない?もう!」
ゆいは、ウサギが被っていた袋を上から引っ張った。
『なんのことです?私は少し悲観的になっていただけです。この袋何気にいいニオイがして頭を入れるのにもいい塩梅です。』
ウサギは、地面に落ちているクッキーを口に入れまたモグモグさせながらそう言った。
「食べたわね。落としたのも拾って食べたわね。」
とゆいは少し涙目になりながら袋の中を拡げて覗いた。
「あれ?クッキー少し残ってる。」
クッキーを確認したゆいは
「何でずっと口をモグモグしてるの?」
とウサギに聞いた。
龍とウサギは
『『ウサギとはそういうものです』』
と言った。
※ウサギは食べた物をときどき反芻します。
ウサギの頭にはクッキーのかけらが少しのっていた。
『もぐもぐもぐ もぐもぐもぐもぐもぐもぐもぐもぐもぐ もぐもぐもぐ。』
「ほーんと、いつまでも食べるのかしら。」
ゆいはそっとウサギの頭に乗っているクッキーを取り、口に入れた。
食いしん坊なウサギはそれを見て、
『ゴックン。とっくに食べ終わりましたけど。あまりにも美味しかったので‥‥‥。』
ウサギは初めて食べたクッキーが余りにも美味しかったので、クッキーの余韻を噛み締めていた。
「うそ?いつの間に食べ終わったの?」
『そうですね〜あなたが食べたの落ちたの騒いでいたところあたりですか。』
「もう‥信じられない!‥‥‥。」
と言いつつゆいは、ウサギをキラキラとした目で見つめる。
ウサギの愛らしい姿に、ゆいはハートを鷲掴みにされたようだ。
龍は、しばらく二人のやり取りをじっと見ていたが
『しかし弱りましたね。ふう~。こんなに直ぐにクッキーが無くなるなんて。まだ来たばかりなのに。』と呟いた。
「そうね、食べ物がないからもう帰らないといけない‥‥‥。もっとあちこち見てみたかったなー。」
『まだ来たばかりでしょう。』
「そう‥‥っだけど‥‥。」
ウサギは口をはさむ
『食べ物なら今は春ですから色々ありますよ。そちらのデカイのが満足できる量があるかは分かりませんが‥‥‥。』
話しながらウサギはふと、先程女の子の後ろの生き物を見た時の事を思い出した。
恐怖で全身が固まり、息が止まり、呼吸の仕方を忘れたかのようだった。再び普通に直視できてる自分のありように不思議に思った。
それに、女の子も人間であったことをうっかり忘れていた。
しかし、余りにも急に色んな事が起きたので考えるのを放棄した。
『ところであなたは何という生き物何ですか?初めて見ましたが?』と聞いてみる。
『わたしか?わたしは龍だ。』
『え‥‥‥‥‥‥‥?え‥‥‥‥?え?
龍なんて物語に出てくる伝説の生き物じゃ無いか、はっ‥バカバカしいあり得ないよ‥??』
『はっ?』
「あの‥‥ウサギさん龍の事うっかり人間には言わないでね、見つかってはいけないことになってるみたいだから。」ゆいは付け加える
『わたしはウサギではありますがロッチと言う素晴らしい名前があります。そもそもロッチは、人間に龍の事を話す以前に人間と話すこと自体ありえない。‥人間‥」
耳を立てふと目の前の人間を見る。
「‥あれ?そういえばあなたとは普通に会話できてますね。』
「ロッチさん申し遅れました。私はゆいと言います。その‥わたしがロッチさんと普通に話せるのは私が動物と話をするのが好きだからなんです。」
『ロッチで良いよ。美味しいクッキーを貰ってほぼ全部食べさせていただけて、しかも怒られもしないで会話ができる人間がいるなんてね。ほんと信じられないよ。しかも龍なんて、龍だなんて、龍と一緒に初めて見た!』
「クスクスッ!龍は、私の1番の友達なの。」
龍を右手で抱くようにしながらゆいは笑う。
それから龍は、ゆいが普段家の中だけで過ごし籠の中の鳥状態だということをロッチに話した。
『仕方が無いですね私も手伝います。クッキーを食べたり落としたりして食べられなくしたのはロッチですから。』
ロッチは、片方の耳を掌で後向きにに撫でながら申し訳無さそうに謝った。
龍は、ゆいが天界人と言う事を伏せて、ロッチにゆいが集めなければいけない地上に咲く春の七草を集めるように促した。
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春の七草とは
ほとけのざ(コオニタビラコ)
なずな
はこべら(ハコベ)
ごぎょう(ハハコグサ)
せり
すずしろ(大根)
すずな(かぶ)
以上の七草である。
龍は実在しないので消える能力があることにしました。
どのように書くか考えてないのでR15にしました。
ゴールの順番は決まっていますがまだ龍とウサギしか出てない(。゜(゜´Д`゜)゜。)