番人の巨人
今回はかなり短いです。
すみません。。
ユウリが奈落に落ちてから、どれくらいの時間が経ったのだろう。今はいつで、何階層か。あと、どれくらい進めばいいのだろう。
ユウリはそんなことを考えながら、今にも倒れそうな身体を動かし進んでいた。あのムカデとの戦いの後、ユウリは次々に魔物に襲われ、今では傷がかなり増えてボロボロだった。
「はあ、はあ。・・・・・・かなりボロボロだな、俺」
ユウリは自分の姿を見て、思わず苦笑いしてしまった。自分でもよくもまあ、こんなにボロボロになったものだち思った。
足元がフラつき始めたので、ユウリは少し休憩を取ることにした。そして、ユウリはある魔法を唱えた。
「・・・・・・《アイテム・ボックス》」
これは収納用の魔法で、使用者の持ち物を異空間へ出し入れできるという魔法だ。
休憩していたユウリは《アイテム・ボックス》から、乾燥させた魔物の肉を取り出した。どうやら魔物の肉は食べられるらしく、日常的に食べられているらしい。
乾燥させただけの魔物の肉は血生臭かったが、ユウリはそんな事を気にしている余裕はなかった。空腹のユウリは一心不乱に肉を食べ、空腹を満たした。
休憩をしたユウリは立ち上がり再び歩き進むと、奥の方に大きな扉があることに気が付いた。
「・・・・・・なんだ、この扉?なんでこんな所に?」
ユウリが扉に近づき手を添えると、扉が開き始めた。扉が開ききると、ユウリは慎重に中に入っていった。
「この部屋、他の場所より広いな」
ユウリが中に入ると、扉が急に閉まった。それに焦ったユウリは、扉を開けようと力を込めた。だが、扉はビクともしなかった。
ユウリが扉を開けようと扉を押していると、部屋の中央に魔法陣が浮かび上がった。すると、そこからユウリの3倍の大きさの巨人が現れた。
「オオオオォォォォ!」
「ーーなっ!魔物!」
巨人の出現にユウリが呆然としていると、巨人は持っていた棍棒を勢いよく振り下ろしてきた。巨人の攻撃にユウリは反応が遅れたが、咄嗟に横に転がり回避した。そして、ユウリはすぐに立ち上がり、腰から剣を抜いた。
「・・・・・・何なんだこいつ」
ユウリは剣を構えると、巨人は再び棍棒を振り下ろしてきた。しかし、ユウリはその攻撃も上手く避け、剣に魔力を流して巨人の左足を斬った。
だが、巨人は怯む様子はなく、ユウリに攻撃を続けてくる。ユウリも上手く回避はするが、身体は既にボロボロの状態で、避けるので手一杯だった。
「くそっ!《フレア・ショット》」
ユウリは巨人の周りを走りながら魔法を放った。放たれた火球は巨人に当たるが、あまり効いてはいなかった。
「やっぱり、初級魔法じゃ無理か。・・・・・・なら」
そう言ってユウリは振り下ろされた棍棒を踏み台にして、巨人の顔の位置まで跳んだ。
「《ライト・アロー》」
ユウリが魔法を唱えると光の矢が放たれ、巨人の右目に刺さった。さすがにこれには巨人も効いたようで、痛みに悶えながら右目を押さえていた。
「はあ、はあ。・・・・・・初級魔法でも、要は使い方か」
地面に着地したユウリはこの隙を逃がすまいと、傷を負わせている左足をめがけ斬りかかった。
すると、巨人はそれを察知し、左足でユウリを蹴り、弾き返した。
「オオオオォォォォ!」
「ーーくっ!ーーっ!」
弾き返されたユウリが怯むと、巨人は棍棒を振り上げてユウリを殴り飛ばした。殴り飛ばされたユウリは勢いよく地面に叩きつけられ、朦朧とした意識を手放した。
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