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リアルス

少しずつPVが上がってきました!

 翌日の朝、ユウリとレオンはリアルスへと向かう準備をしていた。


 ユウリが着ていたのは、王国で支給された服だった。しかし、ゼハード迷宮攻略の際にボロボロになったはずだったが、服は綺麗に縫い直されていた。どうやら、フィラが直してくれたそうだ。


 ユウリはレオンと話していたフィラを見つけると、フィラの元に向かった。


「フィラ。この服、直してくれてありがとう」

「いいのよ、お礼なんて」


 ユウリがお礼を言うと、フィラはほんわかとした雰囲気で返した。すると、荷物を積み終えたレオンが、ユウリに声をかけた。


「ユウリ、準備ができたならそろそろ行くぞ」

「ああ、分かった」


 ユウリは返事をすると、荷車に乗り込んだ。


「それじゃあ、行ってくる」

「はい、行ってらっしゃい」


 そう言うと、レオンは馬を出発させシナクイ村を出た。


 シナクイ村から出ると、そこからは早かった。シナクイ村からリアルスまでの道は一本なので、その道通りに行けばいいだけなのだ。


 時間が経ち、もうすぐリアルスに着きそうな時に、ユウリはふと疑問に思ったことがあった。


「なあ、レオン。ルーリアン王国ってここからかなり遠いんだよな?」

「ああ、そうだな」

「それってどのくらい離れているんだ?」


 さすがに、かなり遠いと言ってもそんなに離れてはないだろうと、ユウリは思っていた。


「どのくらいか・・・・・・。まあ、少なくとも馬車を使ってもそうそう着かないぞ。なんせ、遠過ぎだからな」

「・・・・・・嘘だろ」


 ユウリが事実に落胆しているとリアルスに着いた。街の入り口には検問が行われていたので、検問を終えて抜けるとレオンは馬車を預けた。


「ユウリ、着いたぞ」

「・・・・・・ここがリアルスか」

「そうだ。じゃあ、予定通りギルドへ行くか」

「ああ」


 ユウリはレオンに連れられ、ギルドへと向かった。そこでユウリは気が付いたことがあった。この世界の街中の雰囲気や風景が、中世の頃とよく似ていた。


 ユウリたちが少し街中を歩いていると、そこにはこっちの世界も文字で『ギルド』と書かれた建物があった。何故、ユウリがこちらの世界の文字が読めるのか。それは、訓練の合間に文字の読み書きを教わっていたからだった。


「レオン、ギルドってここ?」

「ああ、そうだ。早速、中に入るか」


 レオンが先に入ると、ユウリもその後を追うようにギルドに入った。ユウリたちが中に入ると、様々な人たちがレオンに気付き、話しかけてきた。


「おお!レオンじゃないか!なんだ?戻ってきたのか?」

「レオンさん!お久しぶりです!今日は何故ギルドに?」

「実は調べたい事があってな・・・・・・」


 レオンは元冒険者で、この辺ではかなり名の通った冒険者だったらしい。だが、フィラと出会って結婚をすると、フィラの為に危険な仕事はできないと言って冒険者をやめたそうだ。そこからは、今のような平穏な暮らしをしている。


 その事を知っている冒険者たちは、ギルドに来たレオンを珍しがっていた。


 レオンはは知り合いの冒険者たちとの話を終えると、ユウリを呼んで受付の場所まで連れていった。


「よお、嬢ちゃん。久しぶりだな」

「レオンさん、お久しぶりです。こちらの方は?」

「ああ、こいつはユウリっていってな。訳あって、今は俺の家に住んでいる」


 受付をしていた女性も、レオンとは知り合いだった。だからか、受付嬢はユウリの事が気になったようだ。


「ユウリです。よろしくお願いします」

「こちらこそよろしく、ユウリさん。私の名前はミーナです」


 ユウリとミーナが挨拶を終わらせると、レオンが本題を切り出した。


「なあ、嬢ちゃん。この辺で、ダンジョンってあったりするか?」

「・・・・・・ダンジョンですか?」


 少し考えたミーナは、後ろの棚から地図を取り出してユウリたちに見せてくれた。


「この辺にダンジョンは存在してませんね。ですが、ここから一番近いとなると、樹海シュペルヘイムにあるアデルト森林ですね」

「シュペルヘイムか・・・・・・。割と遠いな」

「それに関しては、仕方ないですね」


 ユウリは地図を見ながら、今後の予定を考えていた。シュペルヘイムに向かうにしても、準備をする必要がある。


「・・・・・・流石にまだ行けないか」

「そうだ、ユウリ。まだ、シュペルヘイムには行かないよな?」

「ん?ああ、まだだけど・・・・・・」


 すると、レオンはある提案をユウリにした。


「なら、冒険者登録をしていったらどうだ?これから旅をするんだ、やっておいても損はないと思うぞ」


 そう言って、レオンはユウリに冒険者登録を勧めてきた。確かに、ユウリも冒険者になるのはいい考えだと思った。冒険者になれば、目的地に向かう間の街に寄った時などに、そこのギルドでクエストを受けたりできるからだ。


「・・・・・・そうだな、冒険者登録をしよう」

「でしたら、こちらの紙に名前などを記入してください」


 ユウリはミーナが出してきた紙に、名前などを記入した。記入し終えると、ミーナがプレートを出してきた。


「こちらが冒険者の証であるプレートです。今回は初回なので無料で配布しますが、以後、プレートの再発行は銀貨10枚になってしまうので気を付けてください」


 この世界で流通する通貨は4種類ある。銅貨、銀貨、金貨、白金貨。通貨の価値は大体100枚単位で変わる。


 つまり、銅貨100枚=銀貨1枚。銀貨100枚=金貨1枚。金貨100枚=白金貨1枚、となっている。


 といっても日常的に使うのは大きくても金貨までだ。白金貨はそうそう流通しない。


「冒険者にはランクがあり、それに応じて受けられるクエストやプレートが変わります。ユウリさんは今、Eランクなので銅プレートです」

「なるほど・・・・・・」


 その後も、ミーナはユウリに冒険者のランクについて説明してくれた。


 ランク別はこうだった。E・Dランクは銅プレート、C・Bランクは銀プレート、A・Sランクは金プレート。そして、SSランクがプラチナプレートだ。


 E・Dランクは簡単なクエストが中心で、C・Bランクから討伐クエストが中心になってくる。そして、A・Sランクはかなりベテランの冒険者たちが多い。SSランクは実際には一人で一つの部隊ほどの戦力として扱われるほどだ。Sランクでも人数が少ないので、SSランクともなると人数がかなり限られてくる。


 因みに、レオンは冒険者だった時はAランクだったそうだ。


 さらに、ランクの昇格はギルドマスターがするが、クエストの達成率などを見て行うため公平なのだ。


 説明を終えると、ミーナは地図を丸めてユウリに渡した。


「この地図はユウリさんにあげます」

「え?いいの?」

「いいんですよ。どうせ、まだ何個かありますから。それに、これから旅をするなら地図は必要になると思うので」

「・・・・・・それなら、遠慮なく」


 ユウリが地図を貰うと、レオンがニヤニヤとしながらミーナに質問した。


「嬢ちゃん、ユウリにずいぶん甘くない?」

「なんかユウリさんと話してると、弟みたいな感じに思えてきて、つい甘やかしたくなっちゃいました」

「弟って・・・・・・」


 ユウリはどこか複雑だったが、用事が済んだので帰ることにした。

 

「ミーナさん、色々ありがとう」

「うん、また来てね」


 帰り際にユウリはミーナにお礼を言って、ギルドを出た。


「・・・・・・一応目的は果たしたし、その辺を見て回って帰るか」

「そうだな」


 ギルドを出たユウリたちはその後、武器屋や出店を見て回ってからシナクイ村へと帰った。

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