再会
「こんなもんでいいかな?」
ア―ロンは精一杯ドレスアップした。
今夜はエイミ―のパートナーとして、彼女の仕事関係の出版社主催のパーティーに出席する。
「素敵よ。セクシ―だわ。見違える」
「君も綺麗だ」
会場はビバリーヒルズの高級ホテル。作家や脚本家、テレビや映画関係者、ライターやカメラマン等で埋め尽くされ、ア―ロンは小柄なエイミ―を見失ってしまった。
「エイミ―!消えちまったよ」
彼は仕方なくスタンド・バ―でカクテルを飲むことにした。
「テリ―なの?変わったわね!今、何やってるの?」
「テレビプロデューサーさ」
エイミ―は、高校のクラスメイトのテリ―と15年振りの再会をした。
「エイミ―、君の出世には驚いてるよ。何てったって、ベストセラ―作家だからね」
「たいした事ないのよ。ラッキーだっただけ。次も良い作品書こうとするから、結構プレッシャー」
「僕と同じだね。次も面白い番組作ろうと思うから、結構プレッシャー」
「アハハハハ」
二人はタイムトラベルをして、あの頃のように笑い合った。テリ―は、エイミ―が所属していたライター倶楽部の部員だった。メンバ―の中には、先月急死した三流作家のエリザベス・ホワイトもいた。
「エリザベスは残念だったわ」
エイミ―がそう言うと、テリ―の表情が僅かに曇った。
「ああ、そうだね。エリザベスは可哀想だった。撃たれたんだよ。………………………君のパートナーかい?初めまして、高校の同窓生のテリ―・ウィルソンです。………じゃ、パーティーを楽しんで」
いつの間にかア―ロンが横に来ていて、エイミ―の腰に腕を回していたので、テリ―はバ―へ移動した。
「忘れ去っていたジェラシ―という感情を思い起こさせてくれる君は何て偉大なんだ」
「は?高校のクラスメイトよ」
「同業者がいるね」
「カメラマン?話してきたら?」
「今夜は君から離れるのは止めとこう」
エイミ―はパーティーから帰宅後、パソコンで過去の事件について調べものしていた。
「そろそろ寝たら?」
近所に自宅がありながら、エイミ―と同居状態のア―ロンはシャンパンに酔い、先にベッドに入った。
エイミ―は先月のありとあらゆる記事を調べた。
「あった。作家のエリザベス・ホワイト氏、心臓発作で急死」
心臓発作。
テリ―は「撃たれた」と言った。
エイミ―は変な胸騒ぎがした。
続く