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女魔王 ①
目を開くとまず最初に真っ黒な夜空が窓ごしに見えて、近くからは獰猛そうな動物の鳴き声が聞こえてくる。
プレイしていたゲームの世界……リアルな夢でも見ているのか私は今は病室にいない感覚だ。
「私……どうなってる?」
椅子に座っていて背中に違和感がある。恐る恐る触れてみると鳥のようなさわりごごちがする。
「はね?」
部屋の鏡を探して確認してみると背中から羽が生えていた。 もしかして空飛べちゃう系?
「一つむしって痛かったら現実ってことで」
勢いよくつかんで……ぷち……なんてかわいいもんじゃない。ぶちって感覚、髪の毛抜けるより痛い。
「これどう見ても小悪魔系……」
私が高校生になる前に休刊しちゃったファッション雑誌を思い出した。
「ここどこなんだろう……」
急に現実に気分が傾いて知らない場所に一人でいるのがこわくなってきた。