プロローグってこんなものでは
初めましてが大半で、お久しぶりの人はごめんなさい。
前のやつ連載状態でほっぽり出してきた……。
反省はしている。
ので新しい物語を楽しんでもらえたら幸いな感じで。
不定期なのは悪しからず。
時の日本総理大臣、国頭英雄はあるシステムを作り上げた。
ニッポンジョブシステム――それは人々にステータスを実装し、ジョブを与え能力を高める。
しかも、何か知らんがモンスターも出るわ、地形は変わるわ、未知の鉱物とかも出だすわで。
要は、日本はファンタジーの国ニッポンになってしまったのだ。
国頭の言い訳としては「我らが日本は、近年どんどん落ちぶれていっている! 人口も減少し、平和主義を無視した相手により国土を脅かされ、それにヘコヘコするしかなくなっている! モノづくりも下手になった! もう日本には何がある!? 何が残っている!?」
興奮しながら、国頭は日本のまあ、ダメさを並べていった。
そしてそれらは日本国民が心の片隅に思っていても、もうどうすることも諦めた問題の数々だった。
「ならばこそ! 今から発する私の案に、日本の改革に耳を傾けて欲しい!」
ここまではありきたりな言い方、言い分。しかしこれは〈言い訳〉の序章。
「私は、いや我々はニッポンジョブシステムというシステムを開発した! これを実装すれば……世界は変わる! ここで限定的に実装している私の身をもってどんなものかお見せしよう!」
ポカン、としている民衆に対して国頭は一つの台車と計りを持ってこさせた。
台車に乗っていたのは、ひと振りの剣と盾。
見た目はフルに金属で、とても重量感がある。
それらを国頭は右手に剣を、左手に盾をそれぞれ軽々と持ち上げて、計りの上に置いた。
民衆が見守る中計りの示した数値は――剣、盾あわせて500キロ。
おおよそ、人間の所業ではなかった。
「これがジョブシステムの一端だ! ステータスを実装し、それに応じた力をつけることができる! 更に……『スラッシュ・飛』!」
おもむろにまた剣を持ち、気合一閃。国頭が剣を振り切った先では、木製の重厚な扉が真っ二つになっていた。
「このような力を身につけることもできる! しかし、モンスターも発生する!」
力に驚愕し、疑いながらも見守っていた民衆はざわつく。
現実離れした力を魅せられたが、今度は現実離れした死の脅威が示された。
「だが、安心して欲しい! 察しのいい人ならもう気づいているだろうが、蘇生の力なども存在する! 加えてこれは〈システム〉である! 条件を満たしているものはこれらの脅威によって死ぬことはない!」
民衆は、もう固唾を飲んでこの演説を最後まで見送るしかなくなった。
それに、民衆にも「そんな世界の方がいいかもしれない」と思うものが出始めていた。
「皆、色々と疑問がある。いや、疑問しかないだろうが、私の声に応えて欲しい! 希望のために現状を捨てるか! それとも這いつくばってこのまま衰退するか! 私はこう思う、今こそ立てよ国民! 国に絶望しているなら! 変化のために剣を取れ! 人として生きたいのなら! この奴隷のような日々から脱却したいなら! 我らは勇者になるべきである! 恐怖を乗り越えた先にある、明日を掴め!」
熱烈な総理の言葉に民衆は
『うおおおおおおおおおおおおおおおおお!!!!!!!!!!!!!!!』
あらん限りの雄叫びで返した。
正直、これだけ乗り気ならいいよねって思った。
国頭はちょっと恥ずかしそうにそう言っていた。
事実日本は豊かになっている。
魔大国ニッポンとなっているが、紛れもなく現在の日本の位置にある。
これは国頭の宣言&システムの施工から十年が経ち、国頭が退陣した後も続けられている(たった十年でシステムは好評どころでなく、生活に欠かせないものとなった)ニッポンジョブシステムの下で、まあなんやかんやと展開していくお話である。
誤字脱字、感想をくれる親切なかたいたらどうかよろしくお願いします。