表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
6/8

1.4


「みんな、なにしてるの?」

皆の視線を向けると、ついた頃は穏やかな天気だったのが一変、酷い土砂降りだった。

「さっき、家に電話してみたんだけど天気がいつ回復するかわからないし港も酷い有様だから最低でも4日はこのままみたい」

「せっかく海あるのに海で遊べないんだ」

最初は乗り気ではなかった山倉も、この空気に感化されいざ楽しもう! というときに空は荒れ模様。この嵐のように気分も沈んでいく皆を励ますように梓が声をかける。

「そもそも、文芸部の合宿なんだし執筆活動出来てちょうどいいんじゃない?これでみんな来月の文芸誌に載せられるね」

「どれ、久々に小生ワールドへ誘おうかの」

「またあの変な挿絵付き小説を載せるつもりですか……」

「あれ、載せた時いつもアンケートで一番人気だった中崎が負けたんだよね」

「俺の黒歴史掘り起こすなよ……」

大田の一言で沈んでいた空気が少しだけ明るくなり、テーブルを8人で囲って執筆作業をすることにした。途中で飽きてゲームや漫画を読みだすものもいたが、いつもの部室だと梓はほっと胸を撫で下ろす。

夕飯を無事済ませ、それぞれ寝床につく。これから起こることなど知る由もなくーー


翌朝、里絵を除く7人は既にリビングへと集まっていた。

「里絵遅くない?」

「寝坊かな」

「あいついつも遅れるよな」

里絵は元々遅刻癖があり、約束の時間に来たためしがほとんどない。また寝坊だろう、そう誰もが思っていたが、亜未だけで8人分の朝食を作るのは骨が折れるので、誰か起こしにいけばという流れに。

「じゃあ、私行ってくるよ。亜未は出来るとこまでやっといて」

「了解、ごめんね」

「ううん、大丈夫」

私がと名乗りを上げた梓は、彼女を起こしに二階へと移動する。階段を登る途中、朝は感じなかった異様な臭いがした。その臭いの出処はーー里絵の部屋からするものだった。

「……里絵?」

ノックをしても返事がなく、部屋から漂う異臭に違和感を感じた梓はそのドアノブに手をかける。すると、鍵がかかっているはずのドアが開いたのだ。

「きゃああああああああああ!!! 」

梓は恐る恐るそのドアをあけ、目に飛び込んだものにただただ悲鳴をあげるしかなかった。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ