悪魔養成所
こちら魔界。人間が呼ぶ、悪魔というもの共がいる。そんな世界だ。
*
黒い羽、真っ黒な服。俺はこの格好が嫌いだ。
って制服何だけど……。制服に特に規定はなし。
とりあえず、真っ黒な服であること、が求められる。
悪魔養成所。
そこに俺は通う。所謂、変魔らしい。あ、変人ならぬ変魔だからね? 俺の名前はかの有名な悪魔、ジョニー……
「何してんのよ!! いろんな意味で有名な、アルス・ロビンソン!! 行くよ!」
夢にさえ浸からせてくれない、コイツは俺のクラスのクラス委員をしているザ眼鏡女史!!
「アルス!? な・ん・て??」
「嘘です! 嘘です! サニー・クライン様ぁ!!」
クソッ!! 透視の魔法なんて使うんじゃねぇ!! 卑怯だ!!
「わかればいいのよ!!」
サニーは偉そうにいうと俺より数歩前を歩く。
「相変わらずアルスは学習能力がないね」
穏やかな口調で笑うコイツは俺の親友レーヤ・クライヤー。
「学習能力と言えば……。アルスもそろそろ真面目に授業出なさいよ! だからいつまでたってもいろんな意味で目立つのよ!」
サニーは振り返り怒鳴る。
「はぁ!? 出てるつーの!! っていうかさっきから何なんだ! いろんな意味でって!」
サニーに言い返す俺にレーヤは苦笑を浮かべて突っ込む。
「毎時間ねてるけどね。……アルス、知らないんだ? 有名だよ、名門悪魔養成所でかつてないほどひどい点数叩きだしてるって」
「う……、寝てるのは睡眠学習だよ! その点数ってたかが、零点じゃねぇか!」
苦し紛れにした言い訳にサニーがわざとらしく手を合わせて俺を見る。
「わぁ!! すごい! アルスっていつの間にそんな高等技術得たのかしら? 確か睡眠学習って“睡魔法”の“上級”魔法よね? みんな出来るような“飛行”すら出来ないアルスくんが出来るなんて、信じらんなーい!」
サニーの目は笑っていない……。
「す、す、す、す、すみません!」
「っていうか、零点を“たかが”っていう悪魔、初めて見たわ」
「どもりすぎだよ、アルス。サニー、それがアルスだから仕方ないよね?」
「まぁ、そうかしら?」
「二人とも! ひっでーぞぉ!」
そう、俺はぞくにいう出来損ないで、サニーは知識だけは博士並みの知識人(魔法レベルは普通)で、レーヤはもう大人の悪魔として活躍出来んじゃねぇかってくらいすごい。
「っていうかさ、ずっと言いたかったんだけど……」
「何? サニー?」
俺は2人に背を向けて歩き出す。
「アルスは飛行出来ないのになんでいつも羽着けてくんの?」
「あぁそれは……」
レーヤが苦笑しながらおしえようとする。
「レーヤァァァア!!」
悪魔の羽(子供のみ)取り外し可なのである。因みに、大人になると全ての服に糸で縫われるが。そんな俺の必死な意見を無視してレーヤは言う。
「何でも、大人になって縫いつけるのが面倒だから全部加工済みを買っているんだよ」
「おまっ!! それ言っちゃ!!」
「アルス」
サニーの低い声に恐る恐る振り向く。
「何? サニー?」
内心ビクビクしながら笑顔でサニーに聞く俺。
「アルスの変魔・ズボラ・出来損ない」
「おまっ!! 容赦ねぇ!! っておい!! レーヤも笑ってんじゃねぇよ!!」
顔をしかめるサニー。
多分、青いであろう俺。
クスクス笑うレーヤ。
魔界・悪魔養成所は今日も賑やかです。
end
(いい加減授業でなさいよね!?)
(そうだよアルス寝てちゃ意味ないし、ね?)
こんにちは^^
芽実です!
この作品は結構楽しんで書けた作品です!
長編にするか悩んだんですけど……とりあえず今は短編ってことで!
感想、アドバイス、その他もろもろお待ちしています!