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次の二つのことは、絶対に軽視してはならない

第一は、忍耐と寛容をもってすれば、人間の敵意といえども溶解できるなどとは思ってはならない。


第二は、報酬や援助を与えれば、敵対関係すらも好転させ得ると、思ってはならな

い。


「政略論」


マキアベリ氏の生きた時代は、イタリア半島内の都市国家(フィレンツェ・ヴェネツィア・ミラノ・ローマ教皇領・ナポリ等)が互いに牽制し合い、または争い(同盟と裏切りが頻発)、さらにフランス・スペイン・神聖ローマ帝国・ローマ教皇・オスマン帝国といった外部勢力が、絶えず介入し、勢力図はさらに混乱する多重戦国時代だった。


そのような複雑極まりない時代では、「善意」(忍耐と寛容、報酬や援助)は相手国の敵対感情を緩ませる効果がなかったのだと思う。

もちろん、一時的な同盟があったかもしれない。

しかし、自国からの「善意」(忍耐と寛容、報酬や援助)を、相手国が「善意」と、捉えない場合もある。(むしろ、屈服と捉えてしまう場合もあった)

だから、相手国は同盟関係を結んでも、簡単に裏切ることもできたのである。


隣国が全て善意に満ちており、信頼に値すると信じ切る人々には、容認できない言葉と思う。


ただ、日本を取り巻く諸外国の言動を冷静に考えれば、軽々に信じ切ることができるとは思えないし、マキアベリ氏の二つの警句も、十分に意識しておく必要があると思う。


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