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何かをなしとげたいと望む者は、

何かをなしとげたいと望む者は、それが大事業であればあるほど、自分の生きている時代と、自分がその中で働かなければならない状況を熟知し、それに合わせるようにしなければならない。


時代と状況に合致することを怠ったり、生まれ持った性格から、どうしてもそうすることを嫌う人間は、生涯を不幸のうちに送らなければならないし、なそうと望んだことも達成できないで終わるものである。


これとは反対に、状況を知り尽くし、時代の流れに乗ることができた人は、望むことが達成できるのである。


「政略論」


歴史的な事例として、

① チェーザレ・ボルジア

(マキアベリ氏の同時代の生きた例である)

 教皇の息子としての権力を背景に、軍事・外交・謀略を駆使して中央イタリアを統一しようとした。 

 マキアベリ氏は彼を理想的な「状況適応型リーダー」と見た。

 反乱鎮圧に必要なら残酷さを使い、同盟や裏切りを柔軟に使い分けた。

 (それも全て、民衆の支持も計算に入れたうえでの計略だった)


② ローマ共和国の「独裁官」制度

 ローマは平時は共和政(合議制)であったが、緊急時には「独裁官」を一時的に任命した。

 通常体制では、議論重視になり、「政策決定」に時間を要する。 

 危機時には、その欠点を補うため、迅速な独断決断を可能とする体制を取った。 

 マキアベリ氏はこれを高く評価し、共和国が長く強かった理由とした。


失敗例としてはマキアベリ氏の生きた時代のイタリアは、小さな都市国家に分裂し、外国勢力に侵略されることが多かった状況だった。

その原因としてマキアベリ氏は、古い理想や慣習に固執し、時代変化に適応できていないと判断した。(「不幸な人間」の国家版といえる)


マキアベリ氏の「人」を「国家」に置き換えても、わかりやすいことである。


日本の事例として、代表的成功例と失敗例を一つずつ、示す。


成功例として、小泉純一郎氏がある。

郵政民営化等をアピールし、既存の自民党構造(利益分配政治)を破壊した。

日本はバブル崩壊後の停滞状況にあり、官僚・既得権益への不満が強かった。

小泉氏は、「調整型政治」ではもう国民に支持されないと考え、あえて、(民営化 vs 抵抗勢力)の対立構造をて作った。

結果として、国民人気を獲得し、政策を実現した。


失敗例としては、「失われた30年」を生んだ政策の積み重ねをあげる。

1990年代以降、日本は長期停滞に入った。

原因として指摘されるものは、・不良債権処理が遅れ、資源配分が停滞したこと。

既得権益の抵抗が強く、構造改革が遅れたこと。

リーダーシップにかける首相や短命政権が続き、長期戦略が描けなかった こと。


マキアベリ氏的分析をすれば、

「悪い判断」よりも「判断しないこと、先送り」が最大の失敗原因である。

日本は、既得権益者達への「配慮」を最優先するだけで、必要な改革を行わず、痛みを避けて先送りだけの政治が続いた。

結果として、問題が巨大化するだけとなり、現在も、さらに厳しい状況が続いている。

これは完全に、「時勢を見ずに、時期を逸した国家」の典型である。

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