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議題が何であれ、会議というものに参加した経験のある人ならば、

議題が何であれ、会議というものに参加した経験のある人ならば、人間は「何と誤った判断を下すものなのか」との感想を、一度ならず持ったことがあるに違いない。


素晴らしく優秀な人間が参加していない限り、そこでなされる決議が、本来進むべき方向とは、真逆の方向に走ってしまうことが、数多くあるのだから。


まして、衆に優れた人物というのは、堕落した共和国では、それが平時ならば、なおさらなこと、少数派にされてしまうことが多い。


その結果として、真に有益な意見を述べる者よりも、すぐに利益になりそうな意見を吐く者が、会議の空気を支配するようになるのである。


「政略論」


民主主義至高、絶対と信じている人たちでは、到底容認できない言葉になる。

ただ、マキアベリ氏は民主主義、会議自体を否定しているわけではない。


・民主主義会議の、議決自体が、「すぐに利益になる話」「耳ざわりのいい話」で落ち着きやすいこと。

・もう少し視野が深く、広い人が語る「リスク要因」に、耳を傾けない傾向にあること。

・多数決によって決定した方向性が、「正しく有効」とは、限らないこと。


等に、疑問を呈しているのである。

つまり、「民主主義的に正しい政策(多数決で決まった政策」=「真に有効な政策」ではない。


たとえば、

1. アメリカの禁酒法(1920–1933)

多数派の支持で成立したものの、 社会的には逆効果になった。

1910年代のアメリカでは、宗教団体や市民団体の強い支持により、禁酒法が圧倒的多数で可決されたものの、しかし実際には密造酒の横行、マフィアの台頭、税収減、飲酒量の増加(統計的に増えた州もある)となり、結果、13年で廃止された。


2. イギリスのブレグジット(EU離脱)国民投票(2016)多数決で決定 → その後の経済・貿易で混乱が生じている。

国民投票で「離脱」が多数となったものの、しかしその後、貿易摩擦の増加、物流コスト上昇、 労働力不足、経済成長率が低下した。

(大半の企業・専門家は「残留の方が経済的に有利」と分析していた)

民主的に決まったが、政策効果は議論が続いている。


3. 日本の「米騒動後の米価統制」(1918–1920年代)

米騒動後、政府は「米価を高く買い上げる」政策を導入し。国民の支持は強かった。

しかし、農家は高値を期待して出荷を渋り、米価がさらに上昇した。

その結果、都市部の生活困窮が悪化し、政府は財政負担に苦しみ、制度は破綻した。

多数派の“安心感”を優先した政策が、逆に物価高を加速させた。


4. ギリシャの年金・公務員制度(1970–2000年代)

選挙で人気の政策が 財政破綻の一因になった。

選挙で票を得るために、公務員を増員、高い年金給付、早期退職制度を主張した。

国民の多数が支持したものの、財政赤字が急拡大し、2010年代の国家債務危機を招いた。

民主主義の“人気取り政策”が長期的な破綻を招いた例とされる。


5. カリフォルニア州の住民投票による税制改革。

住民投票で税率固定 した結果、 公共サービスが劣化した。

1978年、固定資産税を大幅に下げる住民投票が可決し、住民には人気だった。

しかし、結果として、学校予算の不足、インフラの老朽化、州財政の硬直化を招き、長期的には「税金は安いが公共サービスが悪い」状態に陥った。


6. 日本の「高速道路無料化」議論(2009–2010)

多数派に人気 だったが、 実際には財源不足で非現実的だった。

「無料化」は国民に人気が高かったものの、試験的に実施すると渋滞悪化、物流効率の低下、財源不足を招き、結果、政策は撤回された。

多数決で支持されても、実務的には成立しない例である。


また、 なぜ多数決は「有効な政策」を保証しないのかとしては、以下を考えるべきである。

有権者は長期的コストを過小評価しがちであること。

人気取り政策が短期的に支持されやすいこと。

専門知識が必要な政策は、一般人では判断が難しいこと。

利益を受ける集団が組織的に動くと、少数でも多数派を動かせること。


以上、民主主義は「正当的」に見えるが、政策の“有効性”は別問題ということが、歴史的に繰り返し示されている。

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