第6話 来たものと、消えたもの
――2時間後。
「……来たああああ!!」
マジで来た。
ちゃんと、人間から。
テンションが跳ね上がる。
深呼吸。スーハースーハー
落ち着け。まだ読む前だ。
内容。
「種族○○で、私も最近始めたばかりです。
ゲーム内でフレもいなくて、この掲示板に辿りつきました。
よかったら一緒に遊びませんか?」
……。
「きたで……ワイのターンきたでぇえええ!」
これよ。
これこそMMOの醍醐味ちゃうんですか?
ここまで。
ソロで遊んできた時間が、
一気に肯定された気がした。
即返信。
「メールありがとうございます!
同じ初心者さんみたいでよかったです!
ぜひ一緒に遊びましょう!
都合のいい時間教えてもらえたらログインします!」
送信。ポチッ
……早すぎたか?
いや、いい。
こういうのは、勢いだ。
――10分後。
「……え?」
返信が来た。
思ったより、早く。
「すみません……
実は別の方からメール来てまして……
その方がゲーム歴が長くて、
色んなコンテンツに連れて行ってくれると言ってて……
今回はそちらの方と一緒にしたいと思います。
またの機会にお願いしますね」
「……うん……」
それは、そう。
強い人の方がいい。
リアル世の中と同じだ。
納得は、できる。
できるけど。
……なんだろう。
胸の奥で、
ドス黒い何かが動きそうになる。
でも、止める。
ここで出すのは、違う。
「……今日は寝よう」
画面を閉じる。
誰にも拒絶されてない。
ただ、選ばれなかっただけ。
――このゲーム。
まだ俺の心を折る余地、残ってたらしい。
……覚えておこう。
掲示板は、優しい。
でも、席は有限だ。




