第56話 未知との遭遇
なんだろう。
あのアイコンは……。
よく見ると、
まったく初めて見た、というわけでもない。
街中や……
戦闘エリアでも、
たまに見かけたことがある気がする。
その時は違和感はあったものの、
まあ初心者だし、
今はわからなくても、
いずれわかるだろう。
そう思って、
スルーしていた。
……うん。
どうせ、やることもない。
こんな時こそ、
Google先生に聞くか……。
OK、Google先生。
「○○MMOで、○○な形のアイコンが
キャラの頭上に表示されるのは何?」
《それは、ゲーム内でSSを
撮影している時に表示されるアイコンです》
ああ……。
なるほどな。
SS、か……。
正直、
ゲーム内で写真撮ってどうするの?
勢だったからな……。
ふむ。
しかし、SSか。
今思えば、
一緒に撮ったSSなんて(やめておけ)
うん。
それを考えても仕方ない。
SSか……。
でもな。
何の役に立つんだ?
SSなんて。
PC内のデータが増えるだけじゃないか?
メリットが、
正直よくわからない。
でも、
使ってる人がいるってことは……。
ここでも、
俺がズレてる可能性があるってことか。
……うん。
ここもGoogle先生だな。
OK、Google先生。
「○○MMOでSSを撮る意味とは?」
……こんなので、
ちゃんと返ってくるのかよ。
《はい。SSは単なるゲームの記録にとどまらず、
「思い出の保存」「自己表現」「交流」「鑑賞」
といった複数の要素が含まれています。
ひとつずつ説明していきます。まず――》
いや、
長いな!?
え、
SSって、
そんな意味あんの!?
正直、
ちょっと驚きだ。
どれどれ……。
ふむふむ。
思い出は……まあ、わかる。
自己表現?
交流?
鑑賞は……まあ、わかるか?
自己表現と交流の意味は……。
ああ。
これか。
「自己表現・キャラクターへの愛」
……ん?
うちの子?
よその子?
いや、
SS調べただけで、
こんな流れになるの?
どれどれ……。
ああ。
自分のキャラクターを「うちの子」。
自分以外のキャラクターを「よその子」か。
ふむ……。
そう言われてみれば、
自覚はなかったけど……
確かに、そうかもしれない。
例えば、
おしゃれとかもそうだ。
自分のキャラに合った服装。
雰囲気。
世界観。
確かに、
自然と考えてるな。
それをSSで撮って。
SNSに載せて。
そこから交流が生まれる……。
……パーフェクト理論やな?
まだ、
こんな交流の仕方も残っていたのか。
まあ、
交流は今は置いとくとしても……。
自分のキャラを、
かっこよく撮って、
眺めるってのは――
悪くないかもしれない。
何より、
今はダンジョン周回するより、
ずっといい気がする。
……やってみるか。




