第4話 初めてのメッセージ
その中で、
なんとなく良さそうな人を見つけた。
理由は曖昧だ。
プレイスタイルは「まったり」。
レベルは俺より高そう。
文章も……まあ、雰囲気よさそう(根拠なし)。
でも、
条件が厳しすぎないのが決め手だった。
「よし、送ってみるか……」
そう決めた瞬間から、
心拍数が上がるのが分かった。
メール本文を書く。
たった数行なのに、やけに時間がかかる。
「初めまして!〇月からスタートした初心者ですが、
よかったら一緒に遊びませんか?
もしかしたらそちらの方がLV高いかもですが、
色々教えてもらえると嬉しいです!よろしくお願いします!」
読み返す。
変じゃないか?
馴れ馴れしくないか?
逆に距離ありすぎないか?
……まあいい。
送信。ポチッ
「……あー、緊張してきた」
3時間後。
来てない。
「時間帯、悪いだけかな」
9時間後。
来てない。
「……ちゃんと送信されてるよな?」
確認する。
送信履歴、ある。
つまり――無反応。
3日後。
「……スルーか?」
胸の奥が、
じわっと冷える。
ゲーム内でスルーされ、
ゲーム外でもスルーされる世界線。
「これ、一生フレンドできないパターンじゃない?」
さすがに笑えなかった。
……いや、待て。
今のは、
「募集してる人に送った」から失敗したんだ。
なら、逆はどうだ?
「……自分で募集立てたらよくね?」
思いついた瞬間、
一気に視界が開けた気がした。
受け身がダメなら、能動。
待つ側じゃなくて、待たせる側。
「うは……俺様、天才すぎる」
根拠はない。
でもこの時の俺は、
本気でそう思っていた。
――なお、この判断が
どれだけの黒歴史を生むか、
この時はまだ知らない。




