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フレンド0から始めるMMO ―俺のMMO生活はまだ終わっていない―  作者: 御門


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第34話 規格外

「ここよ」


エリーさんに案内されて辿り着いたのは、

かなり大きなハウスの前だった。


……でかい。


今まで入ったハウスより、

一回り――いや、二回りは大きい。


数千万マネクラス。

それくらいは、すぐに分かる。


庭も広く、

しかも隅々まで綺麗にハウジングされている。


「……大きいですね」


思わず、口に出た。


「そうね」


エリーさんは、くすっと笑う。


「普通、“お店”って言えば、

 さっきのマスターのお店くらいのサイズだものね」


……確かに。


「とりあえず、中に入りましょうか?」


少し間を置いて、続ける。


「中では、個別チャットでね?」


「……はい」


【中に入りますか?】

→ はい / いいえ


……はい。


――あれ?


入った瞬間、違和感。


思っていたより、狭い。

それに、暗くない。


むしろ、明るい。


「……あれ?」


勝手に、

「でかくて暗いホール」を想像してたせいか。


拍子抜けする。


そう思いながら、エリーさんを見る。


エリーさんは、

入ってすぐの小さな部屋の奥へ、

迷いなく進んでいく。


……慣れてる。


俺は黙って、後を追った。


小部屋の奥には、通路があった。


「なるほど……奥が店か」


そう思った直後。


エリーさんは、そのまま通路を進んで行く。


暗くはならない。

相変わらず、明るい。


俺も続いて、通路を進む。


「いらっしゃいませ。

 エリーさん、ごゆっくりどうぞ」


カウンターの向こうに、

一人の男が立っていた。


……この店の店主さん、か?


「こんばんは。

 お邪魔しますね」


「いらっしゃいませ。

 俺さん、ごゆっくりどうぞ」


「……あ、はい。

 お邪魔します」


びっくりした。


いや、考えたら俺も客なんだから、

挨拶されるのは当たり前なんだけど。


……なんというか。


機械的だ。


「いらっしゃいませ。

 ○○さん、ごゆっくりどうぞ」


「お邪魔しまーす」


後ろから、別のお客さんが入ってきたらしい。


……ああ。


これ、マクロ挨拶だな。


悪いわけじゃない。

むしろ効率的。


でも、

妙に“人感”が薄い。


エリーさんは、そのまま奥へ進んでいく。


慌てて、俺もついていく。


さっき入ってきた客も、

同じように奥へ向かっていた。


「……え?」


視界が、開けた。


「なに……これ……」


ピロリン。


<個別チャット>

エリー

「ふふふ。びっくりした?

 これが、このお店の特徴なのよ」


……びっくりするわ!


というか、

この通知音、何回聞いても慣れない。


――いや、違う。


問題は、そこじゃない。


奥の部屋は、

想像していた“奥”の概念を、完全に超えていた。


……広い。


ホールだ。


それも、

今まで見たどの店とも、比べ物にならない。


人。


人。


人。


何人いるんだ……?


今まで行ったどの店より――

いや、そんなレベルじゃない。


……これ。


俺は数えようとして...やめた...。


ホールの中には、

びっしりとプレイヤーが表示されている。


中央に立っている者。

ソファに座っている者。

壁際で、静かに佇んでいる者。


多すぎだろ!


心の中で、

俺は叫んでいた。


これだけ人がいて、誰も俺を見ていない。

それなのに、

俺だけが「場違い」だと知っている。

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