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フレンド0から始めるMMO ―俺のMMO生活はまだ終わっていない―  作者: 御門


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23/50

第23話 休憩という名の居場所

俺は、コーヒーを受け取ってから、ちゃんと店主に礼を言った。


「ありがとうございます」


「はーい。好きな席で、休憩していってね」


……ええ人や。


前に行ったBARの店主とは、えらい違いだな――

……いや、待て。


あの人も、ただ

「好きな席に座って」と言ってただけか。

雰囲気が暗かったから、勝手に圧を感じてただけで。


初めてだったしな。

俺の問題だ...。


……さて。


このコーヒー、どうしたらいいんだ?


インベントリを開いて、アイテム説明を確認する。


【カフェ特製コーヒー】

使用時、1時間

STR上昇/HP上昇


……なるほど。


いや、そうじゃない!

効果の話じゃない。


これ、今使うべきなんか?

使ったかどうか、店側で分かる仕様やったりするんか?

それとも、お土産的なポジション?


いやいや、カフェに入って、いきなりお土産渡されるって……

それもう「飲んだら帰ってええで」みたいなもんだろ。


……でも。


さっきの店主さんに限って、それはない。


つまり。


これは――

ここで使うのが正解や!


なんせ、カフェだ。

コーヒー飲まずに、何を飲めっていうんだ。


よし。


アイテム使用。


……普通に、バフ欄に表示された。


……ハッ。


もしかして、これでチェックしてるんか?

なるほどな。

誰の発想か知らんけど、うまいこと考える。


まあ、いい。


とりあえず、席に着こう。

入口に突っ立ったままは、さすがに邪魔だな。


……さて。


店内を見渡す。


カウンター席が四つ。

今は三人、埋まってる。


手前に四人掛けのテーブル席。

奥にも、同じ配置。


手前の席には、女性キャラが一人。


……うん、無理。


カウンターの空席?

座れるわけがない。


隣に座った時点で、誤解が生まれる可能性がある。

ナンパNGって書いてあったしな。


相手だって、知らん黒ずくめが隣に来たら嫌だろう。


ディスタンス、大事。


初心者は――

一番、隅っこだ。


俺は、奥のテーブル席の、さらに奥。

壁側の椅子に腰を下ろした。


……はあ。


ようやく、座れた。


椅子に座るだけで、

こんなに時間と勇気が要るとは思わんかった。


ひとつ、勉強だ。


……それにしても。


キョロキョロ。


前のBARに入った時も思ったけど――

みんな、ハウジング上手すぎだな。


あっちは、完璧なBAR。

ここは、完璧なカフェ。


いいなぁ……。


自分のハウス持ったら、

こんなことも出来るんだな。


羨ましい。


それに……。


これ、MMOあるあるなんかもしれんけど。


ただキャラが座ってるだけなのに、

まるで自分が本当にカフェに座ってるみたいで。


妙に、落ち着く。


店の雰囲気も明るいし。

これが、募集文に書いてた「休憩」ってやつか。


……いや、ほんまに休憩感あるな?


いや~、落ち着――


「店長! こんちゃ! きたよ!」


「いらっしゃいませ。

 あら? にゃっこさん、なんか久しぶりね?」


「最近ちょっと忙しくてさ~」


……ほう。


どうやら、常連客らしい。


ふふ。


なんやろな。


自分が話してるわけでもないのに、

この感じ。


心地いい。


ようやく――

人と触れ合える場所に来た、って感覚がある。


俺は、こういうのを求めてたのかもしれんな。


少しだけ、

会話を聞かせてもらおう。


そう思って、

俺は静かに、勝手に納得して。


小さく、頷いた。

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