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第2話 フレンド募集掲示板を見つけた

それから月日が経ったある日、

理由もなく――いや、理由がないと思いたかっただけで、

フレンドリストを開いた。


――0人。


「……まあ、当たり前だよな」


思わずそう呟いて、自分で納得した。

これまで誰かと会話らしい会話をした記憶がない。

パーティは毎回違うし、終われば即解散。

フレンド申請をする機会なんて、最初から存在していなかった。


むしろ、ここまで誰とも繋がらないのは、

逆に才能なんじゃないかと思う。


そう考えると、ちょっと笑えた。

笑えた、はずだった。


フレンドリストの画面を閉じても、

なぜかその『0』という数字が頭に残った。


ゼロ。

数としては軽い。

でも、表示されていると、やけに重い。


何かを失ったわけじゃない。

最初から、何もなかっただけだ。


それなのに、

胸の奥に、妙な引っかかりが残った。


その日から、

俺は少しだけ、無駄なことをするようになった。


ダンジョンが終わって、

リザルト画面が表示される。

「お疲れ様でした」のマクロが流れる。


その直前。

解散ボタンが押される前に、

必死でチャットを打つ。


「ちょっとまって!」


……間に合わない。

文字が表示される前に、画面が切り替わる。


「どないなっとんねんこのゲーム」


思わず関西弁が出た。

そんなに急いで、みんなどこに行くんだよ。

トイレか?

トイレなのか?


何度か試して、全部失敗した。

成功率ゼロ。

フレンドリストと同じだ。


その夜、ログアウトしてからも、

そのことが頭から離れなかった。


「……このままじゃダメだ」


誰に言うでもなく、そう思った。


MMOなんだし、人と関わらないと。

効率とか、装備とか、

そういうの以前の問題だ。


というか、

普通に、寂しいわ!

なんで冷静やねん、俺!


……落ち着け

一人で黙々と進めるのは慣れている。

でも、それを続けている理由が、

だんだん分からなくなってきていた。


しばらく考えて、

俺はスマホを手に取った。


そして、

なぜか、検索窓を開いていた。


検索ワード:

「大規模○○ゲーム フレンド 作り方」


ポチッ


「大規模○○ゲーム フレンド・相方募集掲示板」


画面を見た瞬間、

微かな希望が見えた気がした。


――ここから、

俺の黒歴史が始まる。

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