第18話 まったりギルドの、裏側
検索結果を見て、俺は固まった。
「……無理だろ、これ……」
補助用アイテム。
入手方法、イベント超低確率ドロップ。
初心者が狙うもんじゃない。
……そりゃ高いわ。
戻るか。
ゲーム画面に戻ると、
チャットログが大量に流れていた。
全部、ギルマスの発言だ。
嫌な予感しかしない。
「さっきのさ」
「なんで遠慮するの?」
「初心者なんでしょ?」
「こっちは善意で言ってるんだけど」
「そうやって線引くの、正直よく分からないんだよね」
「体験とか関係ないでしょ?」
「助け合いって、そういうもんじゃない?」
返信する間もなく画面が埋まっていく
「自分で調べるとか言ってさ」
「それ、信用してないってこと?」
「別に責めてるわけじゃないけど」
「価値観合わない人、ちょっと苦手なんだよね」
「……まあ、いいけど」
……うわ。
これ、もう無理だ。
「あの……戻りました……」
「で? 無理だったでしょ?」
「だから言ったのに」
「えっと……
俺、揉めたいわけじゃないので……」
「体験ですし、今回は抜けさせてもらいます」
「……あ、そう」
「はいはい、おつかれさま」
……軽っ。
逆に怖いわ。
脱退後。
メール通知が来た。
「うちのルールで、脱退者には支援アイテム送ってます」
添付:
・通常育成アイテム ×10
「……いや、そこは成長補助用だろ!」
しかも、フレンドじゃないから返信不可。
なんだこの後味。
……無理だ。
ベッドに倒れ込む。
「はぁ……」
A姉さん編より短いのに、
メンタル消耗量は圧倒的にこっちが上だ。
善意の皮をかぶった圧力って、
こんなにキツいんだな……。
翌日。
俺は、あの公式掲示板をそっと閉じた。
「……当分、ソロでいいや」
フレンド0。
ギルド0。
でも、変な安心感だけは、確かにあった。
「俺のMMO人生、
まだ終わってない……よな?」
……たぶん。




