第12話 地雷原デートと、不穏な告白
「ダンジョンとか行きます?」
「うーん……」
一瞬、間が空いた。
その間が、やけに長く感じた。
「ダンジョンより……」
A姉さんが言う。
「デートしよっか?」
「……え?」
思考が止まった。
デート。
今、デートって言った?
いや、待て。
MMOでの“デート”って、
どこまでが本気で、どこまでがノリなんだ?
「じゃあ、
私についてきてね~」
返事は反射だった。
「あ、はい!」
連れて行かれたのは、
街外れの高台。
夕焼け。
静かなBGM。
人影も少ない。
……雰囲気が、良すぎる。
「俺君、
こういうとこで風景眺めて
ぼーっとしたりする?」
「いえ……」
即答したあと、
少し間が空く。
「クエストに追われて、
気づいたら時間経ってましたね……」
「だよね...」
A姉さんが、
遠くを見る。
「最初は、
どうしてもそうなるよね」
……落ち着く。
落ち着くけど、
落ち着いていいのか分からない。
俺、ここにいていいのか?
この雰囲気、
初心者がいていい場所か?
「ところでさ」
A姉さんが、
こちらを見る。
「私が、
この獣人オス使ってる理由、
不思議に思わなかった?」
「少しは……」
「好きなキャラなのかな、
って思ってました」
「まあ、
嫌いじゃないけどね」
「……男避けなのよ」
「……え?」
頭の中で、
嫌な音が鳴った。
「私ね」
A姉さんは、
ゆっくり言う。
「少し前に……
相方、いたの」
……あ。
これは、
成功体験の続きじゃない。
俺は今、
踏み込んだ。
綺麗に整地された場所じゃない。
ちゃんとした、地雷原だ。
――続く。




