2/3
Ep2.『──影女──』
夕焼け小焼けに立ち尽くしてシルエットを見つめる。僕とお姉さんの二人しかいない公園の、奇妙に奇麗な景色。特にながぁい影を伸ばす時計台。見ると、五時よんじっぷんを示していた。
「そろそろ帰んなきゃ。ばいばいお姉さん」
「バイバぁイ」
お砂場にいるお姉さんに別れを告げて公園を出る。お姉さんとはもうすっかり仲良しだ。
靴底でアスファルトを叩いて帰る。
真っ直ぐ、前だけを向いて。
影に潜む、また別の女にも気づくことなく。
そして彼女もまた、彼に気づいてもらう気などなく。
寡黙に、静謐に、彼を愛でる。




