表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
1/96〜男女比1:96の貞操逆転世界で生きる男刑事〜  作者: Pyayume
第四章「準 備」

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

38/159

第37話「空中散歩」

マイク付きのヘッドホンをしてはいるものの、ローターの音が耳の奥を叩いていた。


夜の街の光が、次々に流れていく。


機体が傾くたびに、シートベルトが腰に食い込んで息が詰まりそうになる。


隣では後藤が、何度目かの舌打ちをした。


「おい、何であんたがいんだよ!あんたの現場は執務室へやでしょうが!」


「いいじゃないですか、こんな機会ないんですから。私も乗りたかったんですよ。」


「遊びで飛んでんじゃないんだよ、これは!」


「知ってますよ。でも、屋上の監視者割らないといけないの、後藤部長もわかってますよね?」


「……チッ。だいたいあんたSランクなんだから、何かあったら責任取れないでしょ!」


「まぁそうなったら責任取るのは上司の仕事なので。山崎係長には事後承認貰うつもりですから。」


「この馬鹿!」


ヘッドセット越しでも後藤の怒りが伝わってくる。


「大丈夫です。佐藤主任は私が命に代えても救助します!」


そう言いながらヘリの操縦士が夜の川をなぞるように旋回した。


目的のビル群が見えてきた。


俺と後藤と森下は景色を確認すると、ヘリコプター内部のモニターに目を移した。


「近いです。もう少し北西方向です。」


俺の指示を聞きながら操縦士がLUXEの屋上に近づく。


「あ、今日もいますね!」


森下が指をモニターに指をさした先には、LUXEの屋上でスマホを見ている人影があった。


流石にスマホの画面までは見えないが、十分確認可能だ。


後藤がズームを上げると、背格好が確認できるレベルになった。


柵に寄り掛かった長い髪の女が膝を抱えて座り、スマホの光を覗き込んでいる。


髪の毛は中途半端に金髪だった。


「あいつプリン、です」


森下が言った。


「今日はたまたまプリンが監視してるだけかもしれないが、新しい顔じゃないね」


後藤が頷き、期待外れだとも言いたげだ。


そんな時、夜の街で少し目立つ白のパーカーで。フードを被った人間がLUXEから出てきた。


「まってください!下、出口から兎です!」


「あの歩き方、確かに兎に見える」


室内に緊張が走り、俺の心拍も早くなるが、不思議と恐怖はなかった。


むしろ、最近書類仕事ばかりだったためか、久々に血が巡る感じがする。


「カメラ固定、座標マークしました。」


オペレーターの声がヘッドホンから響く。


「撮影継続。森下、地上班に送れ」


後藤が淡々と指示を出す。


さっきまで怒っていた顔が、もう現場のプロの顔に戻っていた。


私はふと、窓の外を見た。暗闇の中で、街が息をしているようだった。


下では、誰かの生活が続いている。


その屋上で、ひとりの元SPが、別の誰かの人生を裏で操作している。


「後藤部長」


「なんだ」


「終わったら、一杯行きません?」


「バカ、まだ始まってないよ。それに、男から酒なんて誘うもんじゃないよ!好色だと思われるよ!」


そう言いながらも、笑った後藤の横顔が、いつになく穏やかに見えた。


機体が再び旋回し、モニターは確実に兎をとらえている。


今日で突き止めてやると、話さなくても全員が思っていた。

ヘリコプターに乗ったことが無い故に短めになってしまいました。


あの、プルルルルっていう音は、「ヘリコプターのローターの音」と言うらしいですね。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ