才能が無い
「二人とも構え。始め」
レイルの合図と共に、私達は共に距離を詰める。
「やあーーーっ!」
私は素早い突きを放つ。
それをアランは真っ向から受け止める。
「くっ!」
私はその勢いのまま連撃を浴びせ、攻め立てる。
一撃の重さは奴の方が上。
手数で勝負する!
アランは上背があるため、振り下ろしの一撃が重いとレイルも言っていた。
こちらの一撃は何度かアランに当たるが、どれもたいしたダメージになっていない。
アランの大きな横振りを剣で受け、私は大きく後退する。
「次はこっちから!」
アランはそう言うと、距離を詰めて来た。
私はアランの振り下ろしに合わせるように、突きを放す。
「そう来ると思っていたよ」
アランは直前で、振り下ろしを止める。
誘われた!?
そして、アランは私の突きを躱すと、下から切上を放つ。
その一撃を受けて、私の剣は大きく上に弾かれた。
まずい。
アランの振り下ろしを受け、私の剣はまたもや弾かれて地面に突き刺さった。
「そこまで」
レイルの淡々とした声が響く。
負けた……!
私は蹲り、爪で地面を引っ掻く。
涙が出そうだった。
だが、ここで泣く訳にはいかない。
「ありがとう……ございます」
私はなんとか言葉を絞り出した。
「ありがとうございます」
「今日はここまでにしておこう」
レイルの一言を聞いて、私は走ってその場から逃げ出した。
私は、近くの森にまで逃げた後、何も考えずに剣を振る。
「まだ練習が足りなかったのよね……もっと練習しないと」
そう言い訳しながら一人で剣を振る。
「アランも練習していただろうし……私だけじゃないもの。次、次は勝つわよ」
そう言いながら剣を振る。
けど、私の振るう剣は、レイルと全然違う。
レイルの動きは綺麗で……無駄がない。私の剣はまるでお遊びだ。
だが、気付けば剣を振れなくなっていた。
頬を涙が伝う。
耐えられなかった。
「どうしてっ……! どうして私は……!」
気付けば蹲り、涙が溢れて、止まらなかった。
「お爺ちゃんも剣士だったはずなのに……どうして! どうして私にはこんなに才能がないの! レイルどころか、後から練習に参加したアランにすら負けて……! こんな様でどうやって、アダマンタイト級になるっていうのかしら!」
私は自らを嘲笑う。
「やっぱり才能がないから、私を捨てて、行ってしまったの? お父さん、お母さん……」
私は泣きながら、自分を捨てた両親を思い出していた。
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