32/56
第三十一話
「(はぁ)」
春が俺の事を好き。この大きな問題に心の中でため息をする。
・・・正直に言うと、薄々気づいてはいた。だって、明らかに血の繋がりがない兄妹だと話をしてから春の様子は変わったのだから。
「ねぇ。おにぃ。私たちって血が繋がってないんだよ。つまり、恋人になってもなに問題ないよね」
「そ、・・・うだな」
言い返す良い言葉が見つからず、言葉が詰まってしまう。
「おにぃ。だから、私。おにぃに来年の春に告白する。・・・知ってるんだ。今のおにぃに告白しても、上手くいかないって。だって、おにぃには好きな人がいるでしょ」
誰が好きとは言わなかったが、恐らくバレているのであろう。何故なら春は言うのだ。
「来年の春にはその人より絶対おにぃに、私の事を好きになってもらうから」




