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第二十三話
朝、勇気を出して、おにぃに途中まで一緒に学校までむかわないかと声をかけた。
「昨日、莉奈と何を話していたんだ?」
歩きながら、おにぃは昨日の事を尋ねてきたが、「・・・内緒」としか言えなかった。
正直に打ち明けたかった。
莉奈さんがおにぃと付き合う為に、忠光さんの事が好きだと言っている性悪女だと。しかし、昨日の帰り際に釘を刺されてしまったのだ。
「冬也にこの話をしたら、コップを使って盗み聞きをしていた話をするからね」
私がコップを使っておにぃの部屋を盗み聞きしていたのが莉奈さんにバレてしまっていた。
・・・仕方ないと思う。だって、片思いしている人が隣の部屋にいる。誰であれ、気になってしまうでしょ。
「冬也。春ちゃん。おはよう」
心の中で言い訳を並べていると、莉奈さんが後ろから声をかけてきた。




