2020
レビュー執筆日:2021/8/17
●日々の生活で感じることをハードなサウンドに乗せて「ダサく」鳴らす。
【収録曲】
1.新型コロナウイルスが憎い
2.筋肉マイフレンド
3.サクガサク
4.ああ無性
5.牛乳推奨月間
6.足の筋肉の衰えヤバイ
7.ニンニクは正義
8.明日の計画
彼らがどういうバンドなのかはその楽曲を聴いただけですぐに分かるでしょう。自身の音楽を「生活密着型ラウドロック」と自称するだけあって、自身の思いをそのままタイトルにしたような『新型コロナウイルスが憎い』や筋トレを題材にした『筋肉マイフレンド』、特定の飲食物をテーマにした『牛乳推奨月間』や『ニンニクは正義』のように日々の生活で感じるようなことを歌詞にしてハードなサウンドに乗せるというのが大きな特徴となっています。インパクトのあるフレーズがコミカルに聞こえる面も強く、その点からヤバイTシャツ屋さんに近い印象を受けますが、こちらの方はメロディの歌謡性がより強く、歌詞の内容も「あるあるネタ」に近い雰囲気があります(もっとも、バンドとしてはこちらの方が先輩なのですが)。
ただ、「あるあるネタ」に近いだけあって彼らなりの視点はそこまで多くないですし、「飲んで飲んで飲んで」(牛乳推奨月間)や「貧弱! 貧弱ゥ!」(足の筋肉の衰えヤバイ)のように有名なフレーズをそのまま歌詞にしたものも結構目立ちます。歌謡曲的なメロディも「ベタ」に感じられる点が多く、そういう意味では、良くも悪くも「単純」である意味「ダサさ」を強調させている印象があります。
もっとも、そういった意図的な「ダサさ」を楽しめる点もあり、決して一概に否定できるものではありません。そう考えると、その「ダサさ」をどう捉えるかによって今作の評価が変わってくるのではないでしょうか。
評価:★★★★