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みなそこにひそむもの

作者: みなはら


よどんだ水面(みなも)


澄んでいない水をたたえた気持ちの泉


そこの見えないわたしの心のうち



こぽり


こぽり



感情(こころ)泡沫(あわ)


見えぬ水の奥底から姿をあらわして


そしてはぜる


感情(おもい)のうちをあらわにする




かなしみ


いらだち


いろいろなもの


よどんだ水


そこへ溶け込んだ想い




にごってしまった心


それが水底(みなそこ)の奥から浮かび上がってくる


はき出される重いものたち




こぽり


こぽり




いろいろなおもいが


おもいもしなかったことが


みなそこへと


うずたかくしずんでいたこと


そのことをいまさらにきづく





こぽり


こぽり




こぽり


こぽり





みなそこからはぜる


おもいのあわ




みなもへうかび


はぜてかぜにながれ



ちぢとちりゆく


うたかたのおもいたち




そのおもいは



どこをめざすのか……











こぽり








ときがすぎる




おもいがいつしか


かるくなりゆく




やがて、


にごっていた水のよごれが淡く淡くなり、

よどんでいたものは、やさしくいやされる




みなそこから出された泡

泡へと込められていたおもい


意識していなかった気持ち

うたかたとともに水の濁りは薄く薄く

いつしかそれは澄んだ水へと変わりゆく



湧き出すやさしいきもち

おもいの泉はいま、

やさしい水でたたえられている


みなそこからみなもへと

想いがあふれてゆくことを感じる



澄んできた水

やがて淡くなった淀みは、

別の彩りでやさしく色づいてゆく



うれしさ


たのしさ


好きだという気持ち


書きたい


その情熱



そうした


いろいろなおもい





愛しき



感情(おもい)



溢れゆく想い



感じる






こぽり


こぽり




こぽり






いま


水は色づき


きれいな色


輝きを魅せる






そうしてわたしは周りの景色へと気づく




泉のほとりには樹々が枝を広げている


色づく花と木漏れ日の混じりあう彩りが、目に飛び込んでくる



蒼空には浮かぶ雲があり、大空を泳ぐ鳥が見える





世界はこんなにもきれいだと


気持ちを変えて目を向けられるのならば


そうして気づけることもあるのだろう




わたしの想いが広がり、この世界の空気へと溶けてゆく



わたしは世界の想いを、強く強く感じとる







こころのみなそこからあらわれるもの




みなそこのおもい




こころのうちへとひそむもの










こぽり




こぽり










みなもに



あわがはじける

言葉や想いというのは

なかなかに思い通りにはなりませんね

今回もそれを感じました


初め思っていたものとは違う形に結実した言の葉です

それもよしですね


またひとつ

おもいのそこへと

いしがおかれたようでした

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― 新着の感想 ―
[良い点] なんでしょうね~… み~さん…いえ、みなはらさんの詩は「こころにとける」といいますか~…。 私の今持つ言の葉では言い表せられない、感覚、感情?を覚えるのですよね~…m(_ _)m 息を…
[一言] 気体になって浄化されるのならばいいなぁ、と思いました。 空に溶けてまた雨になって落ちてくるのでしょうか。
[良い点] うん、世界は美しい! 私は一生懸命生きてるなぁ! そう思えるような、素敵な詩でした。
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