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大金を拾う

 ナイフ作りはけっこう単純で腕が痛くなったが一日で作ることができた。その後3日くらいナイフ作りに専念し慣れてきたところでダガーという護身用の短剣を作ってみることにした。


「何か素材を混ぜてみるか?そういや何か石をもっていたよな?」


 そういえば転生するときに女神様に魔法石なるものを渡されていた。キレイな半透明の緑色で直径2センチほどの石で、使い道がわからなかったので部屋の枕元に置いていた。


「えっとこれは女神様、あ、いや大事な人にもらった石で、でも使ってみます」


「魔法石じゃねえか、こりゃなかなかのもんだからたぶん何かしらの能力が付くんじゃねえかな、この石を砕くのはもったいないから柄にはめ込むといい。」


 こうして刃渡り20センチほどの実用的なダガーができた。魔法石を柄にはめ込むことでアクセントにもなり、見た目も綺麗で満足の出来に仕上がった。


「で、出来はどうですか?ハワードさん」


「こいつは…スゲェな、いや出来はまあまあ普通の出来なんだが、何かオーラを纏ってるな。」


「オーラですか。」


「魔法石ってのは何かの魔力やエネルギーが込められた石だ、世界中色んなところに落ちているし自分で精製できる錬金術師や魔道士もいる」


 私には何も見えなかった。修練が足りないのかもしれない。


「鑑定士に頼んで見てもらうといい。鑑定士のスキルにかかれば作った本人ですら気づかない能力も知ることができるからな。」


 もう夕方になり疲れていたがどうしてもダガーについている能力を知りたかったので、すぐに鑑定士の所に行ってみることにした。自分の作った武器に何か特別な力が付いてるなんて嬉しくてワクワクしていた。


 鍛冶屋は町の東側にあり、鑑定屋は西側にある。着く頃には辺りはすっかり暗くなっていた。


「この武器は幸運剣フォーチューン・ソードとでも名付けましょうか。エンチャントされている効果は千載一遇(オーバー・ザ・ラック)。所有者がコントロールすることばできない潜在型の能力です」


 鑑定士さんは顔全体を覆うフードを被っており目元しか見えなかった。ずっとダガーを見て喋っていた。


「幸運値…運が良くなるってことですか。」


「そうだね。具体的にどんなことになるかはなんとも言えないですね、私も見るのは初めての効果なんで。手元に置いておかないと効果はないから常に装備しておくといいですよ、ところでこの魔法石はどこで?」


「知り合いにもらったものです」


「もらいもの…そうですか。このような能力の魔法石は具体性がなく価値が低い。ただ秘めたエネルギーは凄まじいものがありますね、持ち主はよっぽと幸せな方だったんですね」


 そうそう、滑って頭をぶつけるほどに、って私の前世ほんとひどかったんだな。でもこれから幸運が訪れるってこと?なのかな


 私は鑑定屋を後にして帰路についた。本当に能力がついていたことで嬉しさはあったが、あまり具体的な効果ではなかったので複雑だった。運が良くなるっていうのはどうゆうことなんだろう。とにかくこれはこの世界で最初に手に入れた特別な能力だ


「幸運が訪れるのかー。どっかに百万ゴールドとか落ちてないかなあ」


 そんなことを思いながら人の少ない通りを歩いていると道の端っこに大きな皮の袋が落ちていた。足を止めて中をチラッと覗いてみるとたくさんの札束が見えた。(神様ありがとう)

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