6話 実際に届いたお客様からの声
メモを書いてひと段落すると、楓はベッドに横たわった。ああ、まだあの工場にいたことが夢見心地のようだ。レザーの工程を一から見ることができたし、革の専門知識まで
楓は自分の好きなことに対する知識と集中力は凄まじかった。宿谷さんに教えてもらった内容をほとんど記憶していた。そしてそれに対して全て記録することができた
そうするとふとなんとなく楓はスマホから会社のホームページを開く。そういえばあんなすごい経験を積んで信頼もある会社だ。お客さんからの声はどういうものなのだろう?
すると楓は驚いた。今まで会社のホームページなど見たことがなかったが、なんとそこにはうちの会社で直した革製品に対するお客様からの喜びの声が何十件と書かれていたのだ
『今回は修理をありがとうございました。
バッグもお財布も主人からのプレゼントだったため、また以前のように使えるようになったことが嬉しいです。
全く知らない会社に修理依頼する不安が当初はありましたが、
最初のメールの返信の早さと料金の明瞭さ、
丁寧な対応に「大丈夫」と確信が持てました。
届いた品物も満足です。
他のバッグの修理も検討したいと思います。
修理に携わってくださった方々、
大変ありがとうございました。』
『おはようございます。
無事に届きました。
きれいに直していただき、ありがとうございました。
また、何かありましたらよろしくお願いいたします。
色味が薄いピンクだったので、どうなるか心配でしたが、出来上がりを見て満足しました。
ありがとうございました。』
『本日、依頼しておりましたバッグ、無事に受け取りました。
思っていた以上に綺麗に修復していただき、大変嬉しく思っております。
色もなかなか無い色なのにそっくりで感動しました。
ありがとうございました。』
このようなお客様からの直しの声を聞いて楓は驚いた。そして中には数十万、数百万円するようなバッグを修理したという記録もホームページに載っていた
その内容を見て楓の中に何かが入ってきた、そして楓はその内容を見るとともにとある大きな決意を固めることになったのだった