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3.一方その頃のポンコツ。

ざまぁは、別の意味で。









 一方その頃、ポンコツ勇者たちは。



「レナ、お前――」

「アタシたちが情けなかったから、アイルは死んじゃったんだもん。これからは、自分たちでなんとかしなくちゃいけないんだから……!」

「だからって、八時間も勉強なんて! 死んじまうだろ!!」



 また、なんともポンコツらしい会話をしていた。

 アイルの離脱後、とある街に立ち寄った勇者一行は宿に泊まっている。そこでレナは勇者の反対を押し切り、一生懸命に魔法の勉強を始めたのだ。

 自分たちのせいでアイルは死んでしまった――もっとも、死んでないが――と。



「このままじゃ、お前が壊れちまう!」

「えへへ。平気だよ、このくらい……!」

「レナ……!」



 目の下に大きなクマを作って微笑む少女。

 そんな彼女を見て、勇者は唇をかみしめて拳を震わせた。そして――。



「分かった、レナがそのつもりなら……!」

「…………?」



 そう言うと、彼は踵を返す。

 レナがどうしたのかと、首を傾げるとこう言った。



「オレだって、勇者だ。一人でコボルトを倒せるようになってやる!」――と。



 なんとも、低い目標を。

 ちなみにコボルトというのは、魔物の中でも最下級とされるもの。正直なところ、一般人でもそうそう苦戦しない。

 しかしながら、彼らにとってはまさに魔王級であるかのようで。

 勇者の背中を見ながら、レナはこう叫ぶのだった。



「馬鹿、どうしてそんな無茶を……!」



 迫真の声で。

 すると勇者は振り返り、まるで死地へ赴くかのように微笑んだ。

 言葉はない。すべてはその表情に。まるで、そう言わんばかりに彼は部屋を出て行くのだった。レナはそんな勇者を見送って、口を真一文字に結んだ。

 そして、再び魔法の勉強へと戻る。



「アタシも、いつかアイルのように……!」




 高すぎる目標を掲げて。

 少女は、一心不乱に本を読み耽るのだった。



 


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「万年2位のだからと勘当された少年、無自覚に無双する」11月2日発売です。こちらも、よろしくお願い致します。
― 新着の感想 ―
[良い点] ・アイルが慕われている ・勇者達が努力している
[一言] 【妄想劇場】 勇者「うおおおお!!やったぞー!オレだってやればできるんだー!!」 子供「ねえママ、あのお兄ちゃんレッサーコボルトモドキを踏んでなにやってるの?」 ママ「しっ、見ちゃいけませ…
[一言] 情けねーぞ! 勇者パーティー! 頑張れ!お前ら…
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