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プロローグ ここは俺に任せて――。

新作です。








「くっ……! この魔物、強いぞ!?」

「どうするの! このままじゃ――」



 一人の剣士が後退すると、その様子を見た魔法使いが声を上げる。

 目の前にいるのは、どう贔屓目に見繕っても下級の魔物だった。そんな敵の群れを前にして、冒険に出て三年経つ彼らは苦戦している。

 正直に言ってしまえば、ポンコツだった。

 これが勇者と、その仲間の姿なのだから呆れたものだ。



「アイル! どうする!?」

「…………」



 こちらが思わずため息をつきそうになっていると。

 勇者は俺に向かって、助けを求めるようにしてそう言った。



「仕方ない……」



 対してこちらはそう呟く。

 そして、今まで考えてきたセリフを口にした。




「ここは俺に任せて、お前たちは先に行け」――と。




 まるで、死地へと赴くかのような真剣な声色で。

 俺はその言葉を最後に、勇者パーティーを離脱したのだった。







「ようやく、あのパーティーを抜けることができた……」



 俺は思わず、そう独り言を口にした。

 【あのパーティー】というのは、言うまでもなくポンコツ勇者のパーティー。勇者とその仲間として王都を送り出されて早三年。

 だが先ほども言った通り、あの勇者たちは一向に成長を見せなかったのだ。

 結果として、賢者である俺がすべての役割を負ってきた。



「危うく、過労死するところだった」



 ――魔物に殺されるよりも先に、だ。

 あのまま勇者パーティーに留まっていたら俺は、きっと文字通りに忙殺されていた。かといって喧嘩別れも面倒なので、自分は死んだことにした方がいい。

 そうすれば今後、理不尽にまた頼られることもない。


 俺はそう思い至って、あの言葉を口にしたのだった。



「さて、三年振りの王都か」



 そして今、俺は故郷に帰ってきたのである。

 あの日、勇者と共に送り出された場所。忌々しき三年の苦行へと旅立った、そんな場所に。だがそれも今日で終わりだ。


 何故なら俺はもう、アイルという名を捨てたのだから。



「お兄さん、名前は?」

「アイゼン・リークワースだ」



 名を問われて、そう答えた。


 ここは冒険者ギルド。

 世界各地から様々な旅人がやってきて、己の力によって生計を立てる場所だ。今までの冒険で培った力を使って、再出発を図るには最適な環境である。



「はい、これが冒険者カードね」

「あぁ、ありがとう」



 それに、偽名でも問題なく加入できる。

 俺はひとまず冒険者として、第一歩を踏み出すことにした。




「ひとまずは、ダンジョンに向かうか」




 力試しに、王都の外れにあるダンジョンへ向かうのが良いだろう。

 そう思って俺は、迷いなく前に歩き出した。



 


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「万年2位のだからと勘当された少年、無自覚に無双する」11月2日発売です。こちらも、よろしくお願い致します。
― 新着の感想 ―
[良い点] 主人公強いっていいよね [気になる点] 故郷に戻ったのに顔バレしないのかな? [一言] 主人公が役立たずで勇者パーティー”クビ„ではなくて 勇者パーティーが役立たずで主人公が抜ける… それ…
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