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他称四天王最強に改名を勧められました

 パンドラさんがここを去ってから数分が経ったわけですが……暇ですね。

 ヴァイスさんは特に話す気は無さそうですし、ゲニウスさんは子供達と遊んでいますし。


 そう言えばさっきの会話って子供に聞かせていいようなものだったのでしょうか?

 割とシリアスな話だったと思うのですが。

 それに今って深夜12時は過ぎていますよね?

 子供をこの時間まで起こしておいて良いのでしょうか?

 この時間帯に外を歩いていれば前世では補導されたはずなのですが……。

 

 あーでもこの都市には睡眠を必要としないアンデッドという種族がいるのでしたっけ?

 ならばいっその事、アンデッドに合わせて昼夜逆転の暮らしをした方が良い、何て事もあるのかもしれませんね。

 生憎と触覚がないためどれほどの気温なのかは分かりませんが、気温と視界以外の点においては夜の方が暮らしやすそうです。

 特に鍛冶師のように熱気あふれる場所で仕事をする職業にとってはそちらの方が良さそうですよね。


 それはさておき、折角四天王が前にいるというのに話しかけないのは少し勿体無い気がします。

 多少は信用されているようですが完全に信用されているわけではありませんし、好感度はあげておいて損はないでしょう。

 というわけで思い切って話しかけてみましょうか。

 まずは当たり障りのない話から。


 「ゲニウスさん。ゲニウスさんとその子供たちの関係はどういう物なんですか?」


 「ん?ああ。この子達と儂との関係か。こっちの子は儂の曾曾曾曾曾曾曾曾曾曾曾曾曾曾曾曾曾孫でこっちは儂の曾曾曾曾曾曾曾曾曾曾曾曾曾曾曾曾曾曾曾曾曾曾曾曾曾曾曾曾曾曾曾曾曾孫だった筈だ。でこの子は……。」


 声に敵意は消えて好々爺という雰囲気に変わったのですが……地雷を踏んでしまったのでは?

 これ。

 明らかにおかしな返事が返ってきたような……でもゲニウスさんの雰囲気を見るに嘘ではなさそうなのですよね。


 アンデッドですし爺と呼ばれるという事は長生きなのだろうな、と思っていましたがまさかそれほど長生きだったとは。

 正直言って信じられる気がしないのですが、もし本当ならば200歳なんて目じゃないですよね。

 魔族やアンデッドの生態について詳しいわけではありませんから正確には分かりませんが、500歳とか余裕で超えてませんか?

 いくら異世界といってもこれは……。


 「……凄いですね。それほど長生き、いやアンデッドですから長死にしてきたとは……。もしかしてこの都市が造られる前から生きているのですか?」


 「そうだな。あれが儂の曾曾曾曾曾曾曾孫とかの時代だったはずだ。今思えばあれから随分と経ったものよ。」


 ……正真正銘の化け物じゃないですか。

 魔都ハウエルが出来上がったのが666年前ですよね?

 その時に曾曾曾曾……いくつ曾が続くのかは忘れましたが魔都が出来上がるかなり前からゲニウスさんが存在していた事には違いありませんね。

 下手したら1000歳超えてません?

 

 ん?

 つまり彼らはゲニウスさんの子孫という事ですよね?

 でもそれって少しおかしくありませんか?

 スケさんのように他者の死体に魂が宿った場合、スケさん本人にとっての子孫はいません。

 前世の記憶はありませんし、子孫がいるという記憶を持っていたとしてもそれはあくまでスケさんが宿った肉体の、他者の子孫であってスケさん自身の子孫だとは言い難いでしょう。

 ……もしかしてゲニウスさんはスケさんとは違って死んだ際に自身の魂を自身の肉体に留めたままアンデッドになったのでしょうか?

 だとすれば納得できますが。


 「もしかしてゲニウスさんって生前と同じ肉体と魂を持っているのですか?前に会ったスケルトンはそうではなかったのですが。」


 「そうだ。儂の魂と肉体は生前と同じ物だ。ま、肉体に関しては肉の部分は無くなってしまっているがな。その事を尋ねるとはお主、アンデッドにもかかわらずアンデッドについては知らないという事だな?簡単に説明してやろうか?」


 「お願いします。」


 「良かろう。まず、アンデッドは2種類に分けられる。1つはスケルトンやグール、ゾンビなどのアンデッド。これらは死後時間が経ってから死体に他者の魂が宿る事によって誕生する。それ故に様々な不具合があるのだ。記憶と意思が合致しないというのがその1つだな。そしてもう1つは儂やパンドラのようなリッチや吸血鬼といった存在だ。こちらはより強烈な執着を持った者が死んだ際になる存在だ。特に憎しみや恨みといった種の感情を抱いた者がな。そのお陰かどうかは知らないが、前者とは違い死んで直ぐにアンデッドとなる。要は人生が延長されたようなイメージだな。そのため前者とは違い不具合が少なく強い個体が多い。で、お主は……前世の記憶があるという事は一応後者に位置する事になると思われるのだが……。」


 私の場合そもそも肉体がありませんからね。

 それに初めて死んだ時は寝ていたので特に執着などがあったわけでもなかったですし。

 つまり幽霊がどちらに属している種族なのかは正確には分からないと。

 おそらく世界最高齢のゲニウスさんにも理解できない種族とはこれいかに。


 「ちなみにゲニウスさんの前世ってどんな感じだったのですか?やっぱり今みたいに化け物級の魔法使いで……。」


 「いや、そうではない。儂はむしろ底辺の魔法使いだった。勿論、魔法をそれなりに使えるという時点でそれなりの才能がある、つまりは恵まれているという事だが当時の四天王や魔王と比べれば見る影もなかった。もっとも、家族も出来てそれなりに幸せな生活を送ってはいたのだがな。で、結婚してから暫くして魔族と人族の間で大規模な戦争が起きてな。儂はその途中で死んでしまったのだ。だが死ぬ間際まで魔族を守る事に執着したおかげで魂が肉体に留まり続け、リッチとなって復活した。それからも紆余曲折があって今の地位にいる。」


 ……底辺魔法使いがリッチになって、それから時間をかけて四天王まで成り上がりましたって事ですか。

 それだけで小説が書けそうですね。


 しかし一体どれほど魔族を守る事に執着したのでしょうか?

 四天王最強まで上り詰めるには単純な愛何て物では無理ですよね?

 それこそ魔族のために他の種族全てを根絶やしにするぐらいの気概がなければ。


 「それでお主はどうなのだ?前世ではどのような人間だったのだ?」


 私ですか。

 ゲニウスさんのように特徴的な人生を歩んできたわけではないので特に言う事がないのですよね。

 この世界と地球との違いであればいくらでも話せるのですが。


 「私はまぁ平凡な人間だったと思いますよ?可もなく不可もなくといった感じですね。若くして事故にあって死んだのでその先どうなるはずだったのかまでは分かりませんが。」


 「なるほど。異世界の話はまたいつかゆっくりと聞きたい物だ。で、他の転生者とやらはどのような者達なのだ?もしも殺してほしくない人物がいるならば今のうちに言っておいて欲しい。魔族としては彼らを長く放置するわけには行かないからな。それと彼らの内に誰か警戒すべき人物がいるならば教えてくれ。」


 おおっ!

 これはありがたい提案ですね。

 魔族側で転生者を保護しても良いと。

 勿論転生者を1人引き抜けば相手側の戦力をそれなりに削れるでしょうから、危険を孕むとは言え魔族にとってもそこまで悪い提案ではないのでしょうが、それでも厚意がこもっていないわけではないのでしょう。

 ……でも特に助けたい相手も思いつきませんね。


 特に恨んでいる相手もいないのですが親友とまで呼べるような相手がいたかどうか。

 誠に残念ながらリア充にも成れませんでしたし……。

 教師にもそこまでお世話になった記憶はありません。

 同じクラスで生活して来た者達でそれなのですからましてや他クラスの生徒など名前すら知りません。


 ……もう誰も助けなくて良いのではないでしょうか。

 魔族に迷惑を掛けるのもちょっと気が引けるというか。

 それに死ぬのも悪くないですよ?

 既に2度目の死を迎えた私が言うのですから多分間違いないです。

 その時この世界に留まっていられるかどうかまでは保証しませんが。


 ……ダメですね。

 明らかにこの世界の考え方に染まってきて、というかアンデッド的思考に染まってきているような……ま、いいか。

 あの神は前世に戻れるとは言っていませんでしたから、過去にしがみつくよりも今はこの世界と自らの状態に適応する方が重要です。


 それに2度目の生……あ、私の場合は2度目の死ですか。

 ……2度目の死を受けた時点である意味では彼らとは全くの他人という事になりますからね。

 前世の私と今の私では異なった存在ですので、今の私にとってみれば彼らはただの記憶上の人物でしかなく知り合いでも何でもないのですから。


 私にとってこの世界における彼らとはあくまで前世がどのような人間だったかを知っているだけの存在です。

 今どのような人間なのか知りようもないですし興味もないです。

 結局のところただの他人ですね。

 もしも魔族側に付きたいと言う人間がいれば仲介するのはやぶさかではないですが……まあそれはその時ですし元クラスメイトを特別扱いする必要はないでしょう。


 「で、どうなんだ?誰か助けたい人間はいるのか?」

 「今の所はいません。どうぞご勝手に。」

 「……マジで?」

 「はい。別に殺してほしいとは思いませんが、魔族に犠牲者が出るぐらいならば殺してもらっても……。」

 「そうか、そうだったな。そんななりでも一応はアンデッド……知り合いだぞ?本当にいいのか?」

 

 ……四天王に心配されるって大丈夫なのでしょうか?

 もしかしなくても道を誤っているような気がしますが……でもこれが原因で魔族が負けるとスケさんに少し申し訳ないような気がするのですよね。

 あ、あのスケルトンは別に魔族でも人族でも良いから戦いたい戦闘狂的な何かでしたっけ?

 

 「んー大丈夫です。というか2度目の生を送っている分、他よりも有利なはずなのでそこまで配慮する必要はないと思いますよ。」


 少し周りの人達に、ゲニウスさんやヴァイスさん、子供達にまでドン引きされているような気がしますが……気にしたら負けですね。

 ほら、どこかの誰かさんも言っていたではないですか。

 他人の目を気にするなって。


 「それはそうだが……。まあ儂が気にする事でもないか。これでパンドラに連絡する手間が省けたな。……ところでお主の名はカゲヤマと言うのだったな?」

 「はいそうですが……。何か問題でも?」

 「呼びにくいのだがあだ名はないのか?」


 ええ……。

 先程の話題から突然重みが変わりましたね。

 しかし呼びにくいと言われた事は一度もなかったのですが。

 外国人が日本語を上手く発音出来ないのと同じような感じなのでしょうか?


 ……あだ名と言えるような物はなかったので何か考えなければ。

 でもそう簡単に思いつくような物でもないですよね。

 流石に違和感があり過ぎるあだ名は嫌ですし。


 いっそこの際、転生して新たな人生?を踏み出したのですから思い切って名前を変えてみるというのもありかもしれませんね。

 流石にそれで法律違反になるという事は無いでしょうし。

 どうせならばカッコいいと思う名前でも付けてみますか!


 やっぱりカタカナ語が良いのでしょうが……影を英語に変えてシャドーとかそういう感じですかね?

 でも一文字だけというのも何だか。

 影山……シャドーマウンテン、ダメですね。


 幽霊なのでスケさんと似たような感じでゴーストを少し変えてゴーシュ……セロ弾きじゃないので却下。

 山ではなく森を英語にしてフォレスト……特に何も思いつかない。

 かげはかげでも陰の方にしてシェイド……悪くは無さそうですね。

 候補として取っておくべきでしょうか。

 複数形にしてシェイズ……こっちの方がいいかな?


 「ではシェイズという名ではどうでしょう?」

 「シェイズか……だいぶ分かりやすくなったな。良いと思うぞ。」


 良かった。

 これからはシェイズと名乗りましょうか。

 しかしたったの数分で名前を変えてしまうとは……今更言うのも何ですがこんな調子で大丈夫なのでしょうか?


 でもやはり名前が変わると転生した気になりますね。

 如何にも自分が新しい生を踏み出したのだぞという感じがします。

 実際には既に死んでしまっているわけですが。


 そんな事はさておき……他の四天王についてでも聞いてみましょうか。

 1人目がパンドラさんで2人目がゲニウスさん。

 どちらも中々個性的な方なのですが果たして他の四天王はどうなのか。

 少し気になる事ではあります。

 それにやっぱり四天王は男のロマンですから何としてでも聞いておかなくては!


 「ゲニウスさん。私はパンドラさんとゲニウスさん、つまり魔軍四天王の内の2人に会ったわけになるのですが他の四天王の方々についても教えてくれませんか?」


 「別にいいぞ。さすがに国家機密になりかねない部分まで話すつもりはないが。まず残りの2人は今はここにいない。国境の警戒と練兵に出掛けているからな。いずれはお主と会わせる必要があるだろうがそれはまだ当分先の事になるだろうな。……では今代の儂の同僚の解説をしよう。1人目はハッカベル。奴は恐らく四天王の中でも儂に次ぐ実力の持ち主だ。もちろん条件によっては変わる事もあるし、何も戦闘力で四天王の価値が決まるわけでもないが儂の次に強いのは間違いなく奴だ。ぱっと見は気の良い好青年といった感じだが……その中身は飢えた狼にも通ずる所があると思う。ただ奴の場合は狼とは比較にならないほど恐ろしい。単純にその力も脅威なのだが……奴は戦闘狂、いや戦闘狂の皮を被った獣と言うべきか?とにかくどこまでも恐ろしい奴だ。」


 ……出ました。

 地球にはいないけれど他の世界には良くいるらしい戦闘狂。

 まあ魔族自体がそもそも戦闘が好きそうですから戦闘狂がいてもそこまでおかしくはないと思いますが……シンプルに闘いたくないですよね。

 しかも話を聞いている限り私が思い描く戦闘狂とは何か違うようですし。


 「奴がどんな者か分かりやすい例を挙げると……そうだな。奴の得物は大剣なのだがほとんど突いたり叩き斬ったりはしない。ではどうやって使うのかと言うとだな……刃の鋭い部分ではなくその横の部分、つまり平らで相手を斬る事が出来ない部分を思いっ切り振り回して闘うのだ。前に奴に何故そうするのかと聞いたところ、面積が広いからそちらの方が便利だと答えたのだが……それならば別の武器を使えば良いと思わんかね?」


 ……なんですかそれは。

 剣で叩くって何がしたいのですか……。

 普通にハンマーでも使えば良いじゃないですか。

 出会い頭に魔法を放ってきたパンドラさんがかわいく見えてきました。

 あれ?

 ヴァイスさんも何か言いたげですね?

 

 「確かにあの人はえげつないらしいですね。私が副官を辞めたのは彼が四天王になるだいぶ前だったのでそこまで詳しくはないのですが、パンドラ様の今現在の副官、ハルトマンが手も足も出ずにボコボコにやられて危うく死にかけたという事をパンドラ様が寝言で言っていました。それに優秀な兵士の間では、

彼というか彼の軍に見つかればコロシアムや訓練場に連れて行かれて全治6か月は堅いので、見つけ次第逃げるようにと言われているそうですからね。」

 

 ……有名なんですね。

 退役したヴァイスさんもよく知っているぐらいには。

 無いはずの肌がぞわぞわしてきました。

 これが虫の知らせとかいう奴でしょうか。


 ……それにしてもパンドラさんの寝言って少し聞いてみたいような。

 でも、もし聞いていた事に気付かれれば目覚めと同時に魔法を放たれそうで怖いですよね。

 既に何度も攻撃されましたし。

 

 「で、もう1人はクレスト。奴は才能はある。実際、17歳で四天王にまで上り詰めたのだからそれは確かだ。ただ、辺に才能に恵まれすぎたせいか少し鼻に付く所が多いな。才能はあるのだが。」


 ……今度は随分とまた酷評ですね。

 才能は、あるという事はそれ以外は……察しましょうか、はい。

 

 「四天王については以上だな。他に何かあるか?」

 「では魔王様は……。」

 「魔王様?魔王様は実にかわいらしくてなぁ……。」


 あれ?

 さっきと違って孫を前にしたおじいちゃんみたいな雰囲気が。

 これはこれで地雷何て事は……ありますか?

 別に魔王様のどこがかわいいのかを聞きたいわけじゃなくて、四天王の時と同じようにどれぐらい強いとかそういう事を聞きたいのですが。


 「……正に天使と言うのが相応しい。この前も……。」


 はいはい。 

 そうですね。

 かわいいんですね。

 それは理解したのであとは全部聞き流しても構わないですよね?

 

 「……転倒した際にうっかり魔法を放ってしまって魔王城の壁を破壊する事もあってだな。まあかわいいのだ。どうだ?魔王様について分かったか?」


 ……うっかりで自分の住居を壊すんですか。

 しかもそれがかわいいと?

 私と魔族ではやっぱり捉え方が違うのでしょうか?

 異世界って怖いですね。


 「……聞いていましたよ。とにかく魔王様はかわいいのですね。で、魔王様の戦闘能力はどれほどの物なのですか?」

 

 「ん?ああ、何だそんな事を聞きたかったのか。魔王様はまだ幼いし戦場にも行った事がないからな。正確な実力は分からんが……潜在能力は間違いなく今の儂を超えている。だがまだ魔法を上手くコントロール出来ないからな。数年鍛錬すれば四天王クラスにはなると思うぞ。」


 逆に何を聞きたいと思ったのか。

 それがかわいさだと思ったからさっきの話が出てきたのでしょうが……。

 それにしてもやっぱり魔王というのは特別な存在なのですね。

 四天王、それも千年を生きてきたゲニウスさんを凌駕する力を秘めているとは。

 

 そう言えば魔王って世襲制なんですかね?

 今は四天王よりは弱いのですから最強の者がなるというわけではなさそうです。

 それに幼くして魔王になるという事はやはり世襲制としか……。

 でもそれで不満が起こらないのでしょうか?


 「もしかして魔王って世襲制なのですか?」


 「当たり前だろう?何を言っているのだ?」


 ……あーそういう感じなんですね。

 魔族にとっては疑問を抱く事さえない事実だと。

 でも私の場合は理由は特にないのに世襲制にそこまで良い印象は持っていないのでどうにも違和感があるのですよね。

 ほんと何でなのでしょう?


 ところでこの国を見る限りは無理やり力で押さえつけて統治しているような感じではありませんでしたから、世襲制の結果酷い状態になった、という事は無さそうです。

 君主の世襲制はそれはそれでどこかの国(ジャパン)みたいに衆愚政治をやるよりはましなのでしょうか?

 教えて、世界史の先生。


 「それにしてもお主はこの世界の常識を知らぬようだな。ここは儂がいろいろ教えてやろう。まずは……」


 おお。

 ありがたいですね。

 スケさんからもある程度は聞けましたが、あの人の記憶は人族の物なので魔族の常識は分からなかったのですよ。


 ……さっきから子供達に興味津々に見つめられているのですが……少し恥ずかしいですね。

 その、何というか穴があくほど見つめられることがなかったので。

 そのお陰で会話に口を挟まなかったと考えればまあ……。


 ……ところでゲニウスさんの子孫っていったい何人いるのでしょうか。

 もしかして魔族全員が親戚とか……。

 さすがにないですよね?

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