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同類らしいです

 さて、色々な事をやってみてある程度は自分の身体について分かりました。

 直ぐに忘れてしまいそうなので一度まとめてみます。


・視覚と聴覚以外の感覚はない。

 その2つの感覚には前世との違いは特に見られず。


・手を伸ばしても物体に触れる事は出来ずすり抜けてしまう。

 また、風の影響も受けていない事から判断すると基本的には現実に干渉出来ない模様。

 話す事は出来る。


・前後左右上下、自由自在に移動可能。

 速度は全速力で走る時と同じぐらい。

 ただし疲れない。


・特に食事も水も摂る必要はない、というか摂れない。


・呼吸は不要。


・三大欲求は消えた模様。

 というかあっても身体がない以上どうしようもない。


・魔法などは使えない、というか使い方が分からない。


・自分に影はない。


・ぼっちは寂しい。


・いまだに生物とは出会わない。


 ざっとこんな所です。

 後半は願望混じりになりましたので気にしないでください。

 ちなみに先程実験として20分間上昇し続けてみましたが特に息苦しさも寒さも感じませんでした。

 明らかに生物を辞めているどころの騒ぎじゃありませんね、はい。


 で、ひとまず元クラスメイトを見つけるという事を目標にすると決めたのですが……ここがどこかも分からないと。

 つまりどちらに行けばいいのかが全く分かりません。

 あの神様はこの世界についてほとんど教えてくれませんでしたし。


 仕方がないので人を見つけ次第話しかけますか。

 如何せん情報が足りませんし……何より独りぼっちでいるのは寂しいです。

 流石に戦闘民族のように会話が出来ないタイプの方に話しかけるのは全力で遠慮しますがね。

 異世界で最初に出会った人間に襲われるとかホラーでしかないので。


 そうなると一番の問題はどの方向に行くかという事になりますよね。

 これに関しては運に任せるしかないのでしょう。

 何せ南北も分からないのですから。

 勿論、どこぞのパパとは違って太陽は東から昇って西へと沈むという知識ぐらいは知っていますが……それはあくまで地球での話ですからね。

 ここでも通用するかと言われると……さっぱりです。

 そもそも私が今いるこの星が球体であるという確証や、地動説が正しいという保証すらありませんし。

 魔法が存在する時点で何でもありですからね。


 というわけで選択肢は前後左右上下などの自らを中心にした概念しかないわけです。

 勿論、上下を選択肢に含めるつもりはありません。


 ここは古典的に木の棒を倒して……と思いましたが幽霊なので木の棒に触れる事すら出来ないのです。

 仕方がないのでひとまず太陽の方角にでも向かいましょうか。

 それぐらいしか目印になる物がありませんし。

 とは言え、時間が経てば太陽も動いてしまうので正しい目標と言えるのかは少し怪しい所ですが。


 しかし幽霊が日を求めて歩くというのはなかなかに矛盾した、シュールな光景ですよね。

 地球で読んだ小説や映画だと太陽というのは幽霊やゾンビなどの夜に生きる生物にとって致命的な物になっていたと思うのですが……そんな事は全くありません。

 むしろ活動しやすいぐらいです。

 ただ、太陽が照っていようがいなかろうがその暖かさを感じないというのは少し悲しいですね。


 ……それにしても何もありません。

 歩いても歩いても草しか生えていません。

 そりゃ草にも多様性はありますけど……ねえ。

 さすがにずっと見ていたい物ではありませんよね?



 さて、あれからもずっと太陽の方向へと向かっていたのですが……夜になってしまいました。

 おかげで目印はなくなってしまったのですが……新しい発見が一つありました。

 何と、私は夜目が利くみたいです!

 流石に日が出ている時ほど辺りがはっきりとは見えないですが、それでも100メートルぐらいならば見通す事が出来ます。

 お陰で行動をする分にはあまり支障はありません。


 幽霊という一般的には夜に活動すると思われている生物となったのでそのぐらいは当たり前と言いたい所ですが、実際にこの事に気付いた時は涙が出てきてしまいました。

 感涙の、ではなくて人間を辞めてしまったという悲しみの、ですが。


 そんなわけで歩みを止める理由もないので夜になってもずっと歩いているのですが、動物たちは既に眠ってしまっているのか何にも出会いません。

 そのため非常に心細いです。


 それに……気味が悪いです。

 あ、私が、ではありませんよ。

 周りの様子が、です。

 確かに幽霊が夜に歩いている光景というのは不気味ですけれどね。


 今いる場所は数分前にいた場所と比べると明らかに植物の数が減っている上に所々に枯れた植物が見え、さらには白骨化した人間らしき物まで転がっていてまるで死者の世界に迷い込んだかのようです。

 しかも辺りには薄い霧のような物がぼんやりと掛かっているような気がします。

 マスクを被ったチェーンソーを持った人物が現れても不思議ではないほどに不気味です。

 触覚がなくても肌寒いという錯覚を覚えるほどで、ここが長居すべき場所ではないと警告されているかのようです。

 ……肝試しには良いのかもしれませんが、独りぼっちのまま過ごすには厳し過ぎる場所ですね。


 「もしもし。」


 ……ああ。

 遂に人が恋し過ぎて幻聴まで聞こえてきたようです。

 かなり低い男性の声でしたがどうせ聴くのであれば女性の声が良かったですね。

 そちらの方が安らぎますから。


 「もしもし?」


 また聞こえました。

 地球では幻聴を聞くことなど一度もなかったのですが……もしかすると幽霊になったせいで身体に何かしらの不具合が起きているのかもしれませんね。

 例えば辺りに漂う魂の声を聴きとる事が出来るようになってしまうとか。

 ……これはこれで良さそうな気がします。

 情報集めには良さそうですし。


 「もしもし!」


 ……三度目の正直という事なのでしょうか。

 ……どう考えても幻聴じゃないですよね、これ。

 かなりはっきりした大きな声で言われましたから。


 しかし変ですね。

 夜なのではっきりと色を区別する事は出来ないですが、闇を見通す事が出来るのですから動いている者がいたならば見逃すはずはないのです。

 では一体どこから私に声を掛けて来た人物は湧いたというのでしょうか?

 まさか私と同じ幽霊だったり……。


 ……でもいくら気味が悪いと言っても放置するわけにはいきませんよね。

 一応最初に出会った人という事になりますし。

 それなりに礼節を保って向き合わなければ。


 「はい、何です……!」


 振り向くとそこには骨がいました。

 大事な事なのでもう一度。

 骨です。

 ガリガリにやせ細っている事の比喩ではなく白い骨です。

 骨粗鬆症になっているかどうかは別として、理科室で踊っていそうな白い骨がそこにいました。

 いわゆるスケルトンとかいう奴のように思われます。

 シンプルに怖いです。

 

 さて、見なかった事にしましょう。

 今ならまだ引き返せます。

 第一、骨が喋るわけがないじゃないですか。

 とうとう疲れからか幻聴だけではなく幻覚まで見えてきたという事なんでしょう、はい。

 やはり幽霊になってからも睡眠は重要ですよね。


 「いや、そこの者待たんかい。今言葉を理解していただろ?それなのにどうして立ち去ろうとする?」


 ……やっぱり幻聴でも幻覚でもないと。

 とりあえず落ち着きましょう。

 私は幽霊なのですから相手が魔物であろうが何であろうが死ぬ事はないはずです。

 単なる骨ならば楽勝楽勝。

 ……攻撃出来ないので勝てはしないですけれど。


 ところで人と会話をしようというのに引き攣った顔というのは失礼ですよね。

 相手が何者なのかは別として笑顔は意識しなければ。

 ほら、スマイルスマイル。

 よし準備出来ました。


 何とか笑みを作って振り返るとやはりそこには骨がいました。

 見間違えでも何でもなく、どうやって動いているのかさえもさっぱり見当がつかない骨だけで出来た生命体です。

 唯一普通の骨と違うところは眼窩(がんか)に青白い光があるという事ですね。

 口を開いている事と口調が僅かに弾んでいる事から察するに本人は笑みを浮かべているつもりのようですが、骨だけの身体でそれをやっているのでただただ不気味に見えます。


 「……骨、ですよね。生きているのですか、それ?」

 「人に向かって生きているか、と聞くとは失礼な。死んでいるに決まっているだろ。」


 ……そうですか。

 死んでいるのですか。

 この世界に来たばかりなので死人に対する礼儀がなっていない事はお許しください。


 あれ? 

 普通に返答してきましたが生きているのではなく死んでいると言いましたよね?

 その返答はある意味想定外でした。

 冷静に考えると死んでいるのに存在しているという事はアンデッド、つまり……魔物の一種という事ですよね?

 ……その割には私に敵意はないように感じられるのですが。

 

 「すみません。何せ死者に話しかけられた事がなかったので。私は影山という者なのですが……あなたのお名前は?」

 「名前か。一応本名はセーレン・キェルケゴールなのだが……あまり好ましい名前ではないのだ。だから適当にあだ名を付けてくれて構わないぞ。例えばスケさんとか。」


 キェルケゴールですか。

 何故好ましくないのかは良く分かりませんが字数が多くて面倒な名前ですね。

 だからと言って突然出会った人にあだ名で呼んでくれと言われるのもおかしな話だと思うのですが……本人がそう言うならばそちらの方が良いのでしょう。

 

 しかしあだ名を決めても良いと言われましたか。

 そう言われると少し困るのですよね。

 スケさんでは安直すぎるような気がしますが、かつての知り合い曰く私にはネーミングセンスがないらしいのですよね。

 下手に名前を考えるよりはスケさんの方が良さそうな気がします。

 どこぞのご老公のように隣にカクさんがいないのは少し不満ですが、まあそれは仕方がないでしょう。


 「ではスケさんで。出会って早々聞くのも何ですがスケさんの種族って何ですか?」

 「知らないのか?スケルトンだよ、スケルトン。逆に君の種族は何なんだ?見た事も聞いた事もない姿をしているのだが。」

 

 ……本当にスケルトンだったのですか。

 先程のスケさんという名を聞いた時にもスケルトンではないかと思いましたが本人の口から聞くとまた違いますね。

 ザ・ファンタジーな魔物なので少し心が躍りますが……やっぱり実物は刺激が強すぎます。

 だって骨が剥き出しになっているのですよ?

 アニメで見るのとは大違いです。


 せめて肉の部分があれば……あれ、スケルトンに肉を付けても人間から肉を減らすのも同じですよね。

 という事は肉があればその外見はゾンビのような物に……。

 前言撤回です。

 中途半端に肉があればそちらの方がグロそうですね。

 ゾンビよりはスケルトンの方がまし……だと思います。


 ……それにしてもどうやって動いているのでしょうか。

 骨以外に何もないのに。

 うーん、分かりません。

 脳がないのにどうやって思考しているか、も謎です。

 骨の中に脳に近い機能を発揮する部分があるとか……シンプルに気持ち悪いですね。

 考えるだけ無駄でしょうから分からない事は全部魔法という事にしておきましょう。


 で、確か種族を聞かれているのですよね。

 人族と答えたいところですが……幽霊だと答えなければいけないのでしょうか。

 自分で認めてしまう事になってしまいますが。


 「……幽霊です。なり立てほやほやなので分からない事が多いですがよろしくお願いします。」

 「幽霊?そうか、幽霊という種族なのか。それでいつ幽霊とやらになったんだ?」

 「今日です。気が付けばこんな姿に。」


 スケさんの反応から判断しますと幽霊という種族自体を知らないみたいですね。

 つまりこの世界に他に幽霊という存在がいるかどうかは分からないと。

 他にも幽霊がいるならば是非とも会ってみたいのですがねえ。

 まあ転生に失敗した者がなるような種族に普通の人が至る手段があるとは思えませんが。


 それはさておき初めの疑問に戻りましょうか。

 魔物の一種のスケルトンであるにもかかわらず何故私に敵意を向けないのかという疑問です。

 というかそもそも何故会話が成立しているのでしょうか?

 あくまで偏見ですがスケルトンが人語を介するとは思えないのですよね。


 「ところでスケさん。スケさんはどうして私に敵意がないのですか?スケさんは魔物ですよね?」

 「敵意?何を言っているのだ?君も仲間なのだろう?聞いたことのない種族だがスケルトンと言葉が通じるという事は魔族、あるいは他のアンデッド種族に違いあるまい。そしてその摩訶不思議な様子を見るにまず間違いなくアンデッド寄りだ。」


 ……普通の人間ならばスケさんと会話することさえ出来ないのですか。

 つまり会話できる時点でそっち系の種族認定されると。

 認めたくないですけれど私はやっぱり幽霊なんですね。

 人間じゃなくて。

 

 「……そうなんですか。ところでスケさんはアンデッドなのですよね。生が羨ましくて人を襲うような事もあるのですか?」

 「襲う……こちらから積極的に襲う事はあまりないな。だがあいつらと出会えば襲われるから当然戦いにはなるさ。」


 ……仲良くして大丈夫なのでしょうか?

 人族と戦うと明言しているのですから間違いなく人族の敵ですよね。

 そして元クラスメイト達は当然人族側に付くのですよね。

 つまりこれ、あれです。

 元クラスメイトと戦いになりかねないやつです。

 私はラノベとかによくいる裏切り者のポジションに収まるという事です。

 ですが種族が人間じゃないのでアンデッドとの多少の癒着は仕方がないですよね。

 それに特殊スキル持ちの元クラスメイト相手でも簡単に傷を付けられはしないでしょうから裏切ってもそう簡単に死ぬ事はないでしょうし、そこまで頑張って人族の味方をする意味もあまりないような?


 と言いたい所なのですがこの世界には物理的じゃない物、例えば魔法などがありますからね。

 そこまで安心も出来ませんか。

 実際に魔法を受けて試すわけにはいきませんし。

 ってこれは今考えるべき事ではないですね。

 スケさんは私を仲間だと思っているようですからここは好意に甘えて情報を引き出さなければ。


 「では仕方がない……のでしょうか。ちなみにスケさんにはスケルトンになる前の記憶があるのですか?」

 「答えにくい質問だな。アンデッドというのは一般的に死んだ者がなる、これは分かるな?で、死んだ際に肉体の持ち主の魂とは別の、辺りを漂う現世に執着のある魂が魂のない空っぽな肉体に入り込む事で完成するのだ。ただこの時肉体の記憶は引き継ぐので、肉体の元の持ち主の記憶を持つが意思は別の魂の物になっているということだな。」


********************


       近くを漂っていた魂(意思持ち) 

            ↓

     肉体+記憶→ スケルトン      

     ↑                   

死んだ者

     ↓       

     魂(どこかへと飛んでいく)

********************


 ……図示するとこういう事でしょうか。

 えっと、要は人が死ぬと記憶は残るけれど魂は何処かに行って、その状態の肉体に別の魂が入り込む事でアンデッドが出来上がると?

 あれ?

 普通に考えてスケルトンになる際に肉体に入り込んだ魂も記憶を持っていますよね?

 そして肉体にも記憶があるという事は記憶が混ざり合って訳が分からなくなるのでは。

 少し気になりますね。


 ……でもそれよりも気になる事が一つあります。

 スケさんが一体何に執着してアンデッドになったのかという事です?

 今の所特におかしな点もなく……身体を除けばですが……まともで一般的なおじさんのようにしか思えないのですよね。

 聞いてみましょうか。


 「スケさん。スケさんは一体何に執着してアンデッドになったのですか?」

 「ん?ああ、この身体の前の持ち主についてではなく私自身についてか。何に執着したせいでこうなったかというとだな……忘れてしまった。」


 はぁ?

 アンデッドは何かに執着したから誕生した生物だというのに、執着していた物が何だったのかを覚えていないという事ですか?

 それで大丈夫なのでしょうか?

 一体何のために生き返ったと?


 「いや、正確に言うならばこの身体に入り込む前の記憶がないのだ。多分、魂をこの世に留めた副作用だと思う。ま、詳しい事は知らん。逆に聞きたいが君はどうやってその幽霊とやらになったのだ?先程の反応からすると元の記憶もあるようだが。」


 副作用ならば仕方がない……のでしょうか。

 でも自分が何者なのかも分からなくなるのならばアンデッドになるよりはいっそ成仏してしまった方が幸せなのでは。


 あ、幽霊になった原因を聞かれているのでしたっけ?

 どうやって説明しましょうか。

 転生に失敗しました、と言っても案外信じてくれそうな気はします。

 何せ相手もスケルトンとかいうまともではない種族なのですから。

 でも転生とかについては多少はぼかしたほうが良いかもしれませんね。 

 これからの事を考えると元クラスメイトが魔王を倒そうとしている事を教えるのはあまり良くないような気がします。


 「私も良く分からないのですよ。実は私、この世界の人間ではなくてですね。他の世界から転生させられた人間なのですがその際に転生に失敗してしまったのです。」

 「……。」


 ……拙い説明だと思いますが理解してくれたのでしょうか?

 それとも幽霊になった副作用か何かで頭がおかしくなったとでも思われたのでしょうか?

 転生という概念は分かってくれそうですが、流石に異世界という概念はきついような気は少しします。

 だとすると馬鹿正直に答えるよりも多少は嘘を混ぜた方が良かったかもしれません。

 ……それにしても転生に失敗するって自分で聞いていても中々に訳が分かりませんね。

 どのようにすれば失敗するのか想像もつきません。


 「……なるほど、とにかく普通ならば幽霊にはなれないという事だな。幽霊とは普通ではない者がなる存在だと。理解した。」


 ……それは理解じゃなくて思考の放棄じゃないですかね。

 骨しかないから脳がスカスカになって思考力も低下しているのでしょうか?

 普通ではないの意味が存在が異なるという意味ならばまだいいのですけれど、どうにも頭がおかしいという意味で使っていそうな気がするのですよね。

 ……自分で言っていて悲しくなってきましたからその事は考えないようにしますか。


 「で、君はこれからどうするつもりなのか?その身体だと特に注意する事もなさそうだが。行く当てがないならば私と一緒に行かないか?」

 「別に良いですが……どこに向かっているのですか?墓場とかは流石に嫌ですよ?」

 「ハハッ、面白い冗談だ。目的地は残念ながら墓場ではなくて魔族の王都だな。そこで兵士にでもなろうかと思っているのだよ。」


 ……なんか思ったよりもまともな事を言いますね。

 もっとアンデッドぽい事を言うのかなと思っていましたが。


 ……ところで今の発言から察するに魔族はアンデッドが兵士になる事を受け入れているようですね。

 もしかして人族よりも魔族の方がグローバルな社会なのでしょうか?

 良い仕事に就くためにはアンデッド検定1級を持っていなければならないとか。


 まあ考えていても仕方がないですしとりあえず行ってみましょうか。

 元クラスメイトと会うのはだいぶ先になるでしょうが、魔族がどのような所に住んでいるどのような種族なのかは気になりますし。

 やっぱり異世界でも異文化交流って重要ですからね。

 いきなりサーチ&デストロイでは少しどころか相当不味いでしょう。

 それにほら、魔族ならば幽霊の状態から元に戻してくれるかもしれません。

 これはあくまで魔族は魔法に長けていそうな気がするという偏見ですが。

 

 「ではご一緒しても良いですか?一人でこのままいるというのは少し寂しいので。」

 「喜んで。こちらも話し相手がいないと暇だからな。とりあえず太陽の方向に向かうぞ。」


 ……あれ?

 もしかしてスケさんも魔族領がどこにあるのか分かっていないのでしょうか?

 私と同じ事を言っているような……。

 ま、いいか。

 幽霊になってしまった以上のんびり過ごしても良いですよね。

 折角異世界に転生したのだから地球の時みたいに焦らなくても。


 ……そう言えば今って夜ですよね。

 太陽の方向ってどっちなのでしょう?

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