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この太陽系で私達は  作者: えるふ
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サイスはお年頃

ティターニアは登校するべく、部屋の前でポッドを止める。

『相席ですがよろしいですか?』

「ええ」

ティターニアが答えると扉が開いたのでなかに入る。

「また、一緒になりましたわね」

サイスがため息混じりに言う。

「そうね、またね」

ティターニアが隣に腰を下ろしながら言う。

「たまには他の人と一緒になりたくて相席を許可してるのに、これでは指定席と変わりませんわね」

サイスが言うと

「私は貴方で良かったと思ってるけどね」

「有名人はつらそうですわね?」

「ええほんとに」

しばらく話題に困っているとサイスが口を開いた。

「あの、天王星は人間を作り出す技術があるのですわよね?それで人口増加を狙えば良いのになぜ、ティターニアのような人を作ったのかしら?」

ティターニアはそれを聞いて大きく息を吐いた。

「その方が安いし、母親が居れば子育ての心配もない。なにより、自分たちも楽しめる」

サイスはそれを聞いて、ティターニアを見る。

「申し訳ありませんでしたわ、失言でしたわ」

サイスが謝るのを見て、無意識に自分の顔が険しくなっていることに気がつく。

「別に……嫌なことじゃなかったしね。貴方の常識ではないでしょうけど……。最終的には結婚だってできてるんだから、私の人生は間違ってないわ」

ティターニアがはっきりとそう言うのでサイスは

「これまでが間違ってないなら、これからも間違ってないはずですわね」

ティターニアはサイスの言葉に首を傾げる。

「もうフーガとくっつけばいいじゃありませんの?」

「フーガ君とはそんなんじゃ……」

顔を赤らめるティターニアにサイスはからかうように言う。

「顔に出てますわよ」

「ち、違っ、違うもん……」

「ふふっ、そう言う事にしておきますわ」

サイスが笑みをこぼすとティターニアは

「まったくもう」

と愚痴をこぼした。

「それで、二人はどこまで行きましたの?」

サイスに言われティターニアは少しだけ考え

「最後まで行ったわね……」

「その話を詳しくお願いしますわ!」

目を輝かせるサイス。困惑するティターニア。

「あ、あの…?」

「いえ、私、男女の交配に大変興味がありますの。動画や画像で見たことはありますけど、それとは違うのでしょう?」

身長といい、目の輝かせ方といい、まるで子供に教えるような錯覚を覚えてしまう。

「ちょっと、その……教えれる物でもないかな……自分でするのとも全然違うし」

ティターニアはとりあえず逃げた。だが、興味を持った相手を引き剥がすには不十分だった。

「その違うあたりを是非にでも」

「ごめん、それはできないわ」

ティターニアはサイスの言葉を制して断る。

「そこをなんとかお願いしますわ」

サイスはティターニアに抱きつきながら言う。

「もう、本当にワガママお嬢様なんだから……」

ティターニアはサイスの顎を優しく触れるように自分に向けると、口づけをする。

「こんな……甘いのがずっと続く感じよ?」

ティターニアは唇を離し言う。

「素敵ですわ……」

サイスはウットリしながらティターニアの胸の中に顔を埋ずめる。

「ちょっと前まで喧嘩を売ってきた相手とは思えない手のひらね」

ティターニアが背中をなでながら言う。

「今度、お詫びに食事を奢らせて頂きますわ」

「あまり高いお店はやめてね。作法とか分からないから」

ティターニアが背中から腰のあたりまで手を下げていく。

「あ、あのティターニア?」

「貴方といると不思議な気持ちになるの、なんでかしらね?」

ティターニアが笑みを浮かべていると機械音声が流れる。

『目的地に到着しました。足元にご注意下さい』

サイスはホッとした顔でポッドから降りる。

「貴方と一緒にいると危険な香りがしますわ」

サイスは目線をそらしながら言う。

「興味があるって言ったり、いざ始まると恥ずかしがって嫌がるの、ちょっと面白いかも」

ティターニアが言うとサイスは

「これだから天王星人はって言われるんですわよ?」

「最初に興味があるって言ったのは金星人だったわよね?」

「そ、それはそうですけど……」

サイスがバツの悪そうな顔をしていたのでティターニアは自分に抱き寄せ

「二人きりの時なら……いい?」

「だめ……では…ありませんわ」

二人の様子を他の生徒達が興味津々に眺めていた。

「二人共、中がいいのは宜しいが、校内では控えるように」

偶然見かけた教員に注意されてしまった。

「ネキスキズマーズ」

ティターニアは天王星語で答えると、教員は首を傾げ、サイスは嬉しそうに

「まずは友達から、ですわよね?」

「私もそのつもりよ。でも、友達だもの、間違いも冒すわ」

ティターニアがウインクをするとサイスは顔を赤らめ

「えっち」

と小さく呟いた。

「お互い様じゃないかしら?」

ティターニアが言うと、サイスは話題を変えようと試みる。

「そう言えばヌイグルミ集めが趣味と仰ってたけど、どうゆうのを集めてますの?」

サイスの言葉にティターニアは考えながら

「魚とか鳥とかが多いかな」

「さ、さか…魚?」

サイスは驚くが、そう言えば初めて部屋にお邪魔した時、部屋の片隅に固まって置いてあった気がする。

「魚、可愛いよ?」

「か、可愛いイメージはありませんわ…?」

ティターニアはそっか、と軽く返すと、

「歌が趣味って言ってたけど、何が得意なの?」

「ポップ、ですわね。オペラもできなくはないけれど、得意ではありませんわ」

サイスが言うので、ティターニアは

「好きな歌手とかいるの?」

と聞いてみる。

「アバやカーペンターズにクイーン。そのあたりですわね。ティターニアはどんな曲をお聴きに?」

サイスが教室の扉を潜りながら聞く。

「ドラゴンフォース……」

「は?」

サイスは思わず間抜けな声が出た。もっとおとなしい曲を聞いているかと思っていたら、スピードメタルである。

「あ、流石に首は振らないよ?」

「そうでないと困りますわ……」

サイスは困惑しながら席に座り、端末を立ち上げ。授業を受ける準備をした。


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