授業後
授業が終わると同時に学園都市船は出港を開始、原子力エンジンに火が灯る。
対G姿勢が終わると、ティターニアは端末を装置から取り外し、帰宅準備に入る。
「ちょっとティターニアさん」
クラスメートに声をかけられ振り返ると同時に、ティターニアは水をかけられた。
「……これは、水?」
一瞬化学薬品かと身構えたが、ただの水である事を理解すると、ティターニアは首を傾げた。
「貴方、臭いんですけど」
帰宅後すぐに髪を洗ったが匂いはどうにもならず、らしからぬ匂いを発していた。
「あ、うん、その……」
どう説明していいか悩んでいると、サイスが間に入る。
「いくらそうであったとしても、それはやり過ぎですわ」
サイスがハンカチで拭こうとするのをティターニアは手でそれを制し、
「大丈夫、私の事が気に入らないのは最初からみたいだし」
服がピッタリと張り付いて不快である事以外は特になにもない。家に帰る頃には乾いているだろう。
「ティターニア君、ちょっと良いかね」
教員も助け船を出すつもりはなかったのだろうが、タイミングは完璧であった。教員の方に歩み寄ると、その生徒は足早に教室を去った。
「君のことを公表したいのだが、いいかな?サイス君も」
それを言われ二人は顔を見合わせ
「構いませんわ」
「良いですよ」
どうせ隠すつもりもない。
「それと、ティターニア君。関係ない話だが、服を乾かしてから帰宅した方がいいのではないかね?」
それを聞いてティターニアは首をかしげる。
「そう言えばティターニアはノーブラですものね。浮き出てしまってますわ」




