ティターニアの怒りももっともだ
ティターニアは、サイスを腕の中に入れていると、訃報が飛び込んでくる。先程の首相は銃創により死亡したらしい。
「次の首相は民主党が良いなぁ……共和党は昔からこんな感じでね…」
ため息混じりにティターニアが言う。サイスが何も言えずに腕の中で温もりを感じていると、不意に扉が開く。
「HKさん……」
「釈放されるのに時間がかかってね……二人は大丈夫だった?」
「はい。おかげさまで……」
ティターニアがそう言うとティターニアの隣に腰を下ろすHK。
「あの、事件に関してはかなり早い段階に調査が入っててね。それで私も釈放されたのよ。正当防衛だってね」
しかし良く整合性が取れたな。と思っているとHKが口を開く。
「ティターニアさんの行動は全てモニタリングされてるしね」
ティターニアの動きが止まった。
「え、ティターニアさんの生活は全てネット上に公開されて……るのでご存知かと……」
あまりに動きが硬直して抱いているサイスを落としそうになるティターニア。サイスが強く抱きつき落下を防ぐ。
「その話は今するべきではなかったわねHK」
ティターニアは気が付かなかったがIWIが部屋に戻ってきていた。
「すみませんIWIさん……」
「謝るのは私じゃないでしょ?」
IWIが言うと立ち上がり深々と頭を下げるHK。まだティターニアは状況を飲み込めていない。その時、まるで聞いていたかのように右手につけている端末が着信音を鳴らした。
「見ないで!」
IWIが制止させるべく手を伸ばしたが一瞬遅かった。空中投影された画面には、私生活を録画していたことを認める文、入浴や排泄、自慰に至るまでその全てを録画してあることが記されていた。ティターニアは震えながら端末を投げ捨てた。その衝撃でわずかに画面が動き
全ては研究のため――――。
「何のために研究所を閉鎖したと思ってるの!共和党の馬鹿ぁぁあああ!!」




