入院最終日
あれから何日か経過した。そろそろケレスのあたりだろうか。そんな事を考えていたら、病室の扉が開いた。
「お、元気そうでなにより」
顔を出したのはフーガだった。
「あら、良くここがわかったわね」
ティターニアは笑みを浮かべる。
「まあな。で、なんで下穿いてないんだ?」
ティターニアはそれを聞いて足を閉じ恥ずかしそうにする。
「パンツのゴムが傷口に触れるから駄目って言われて……」
それを言われ入院服の前をもう少しだけ開く。そこには縫合された傷口がある。もう傷口は塞がっており、抜糸もすんでいる。しかし問題は場所である。
「この場所なら大丈夫じゃないか?」
「私もそう思うんだけど……」
二人が首を傾げている時に病室の扉が開き元気のいい声が響く
「はーい、お通じの時間よ」
看護婦が例の器具を持ってきてた。無重力状態だけかと思ったが、ずっとこの機械を使って排泄をしている。汚れないので後処理も簡単なので判らなくもないが、如何せん恥ずかしい。
「えーと、彼氏君?」
看護婦が首を傾げながら準備をしている。
「はい」
答えたのはティターニアだ。それを聞いて看護婦は嬉しそうに
「あら、じゃあ特等席で見なきゃ駄目ね。ほ~ら、ここに座って」
そして看護婦はフーガを真正面に座らせる。つまり、ティターニアの恥ずかしいとこが丸見えになる場所である。流石に恥ずかし過ぎる。
「あ、あの、ちょっと……その…」
ティターニアが口ごもる。
「恥ずかしいので、その…」
なんとか言葉を繋げるティターニアに看護婦は笑顔で
「はいはい、どうせ何度かエッチするんだし、良いじゃない。減るものでもないんだし……彼氏君は減るかもしれないけど、毎日補充されるからいいわよね?」
看護婦の台詞に顔を真赤にする2人。それを面白おかしく見ている看護婦。
「じゃあ脚を開きましょうね?」
「はい……」
ティターニアは観念して脚を開く。あまりの恥ずかしさに顔を手で覆ってしまう。
「もう、乙女ねぇ。じゃあ入れるわね」
「ぃったぁあい!」
もう少し優しくして欲しい、と思っていたら即座にお尻に器具を入れられ、
「んグッふ……」
変な声が漏れた。
「ほ、ほんと……遠慮なく入れるわね…」
ティターニアが文句をいうと看護婦はため息混じりに答える。
「貴方に遠慮をしていると逃げるでしょ?」
「よくご存知で……」
看護婦は装置の表示を見て排泄を開始したのを確認して、フーガに言う。
「ねえねえ、彼氏くん。ティターニアちゃんのオーゾーンとアイゾーン。すごく綺麗だと思わない?」
フーガはそれを聞いてもピンと来なかった。
「普通、この場所って本人の意志に関係なく色が堕ちてしまうのよ。でも見て。真っ白。こっちの中なんて女優も裸足で逃げ出す綺麗さよ」
看護婦があちこち触るのので流石にティターニアは文句を言う。
「ちょ、ちょっと、なんで広げてるのよっ」
「あら、良いでしょ?だって、広げないと入れれないし」
「いやいや、もう入ってるじゃない。今広げる必要なくない?」
「そう言わないで」
そして全てが終わり、清拭も終え、ぐったりしている、ティターニアの横に座り優しく口付けを交わす。フーガはキスを繰り返しながら耳元へ口を近づけ
「…どうやら盗撮されてるらしいぞ」
それを聞いてティターニアは一瞬目を見開きフーガの方を見る。
「さっき看護婦さんが耳打ちしていったぞ……俺の体で隠してあげて欲しい、と」
フーガの顔が離れていく。ティターニアは考える。何かして行きたいがフーガに能力を悟らせたくない。それに、データはもう別の場所に出ていっている可能性が高い。
「ちょっと調べようか?」
「そうね、後でね……もう一回、キス。しよ?」
ティターニアに言われフーガはキスを交わす。ティターニアは手をフーガの首の後に回し、誰がどう見ても愛のあるキスである。そして、耳を唇で愛撫しているフリをして、相談をする。
「動画サイトとか探すなら、病院を出てからね?通信履歴探られるかもしれないし」
「分かった」
そしてフーガは顔を離し、時計を見る。
「そろそろ、帰るわ。お前の元気そうな顔が見れて安心したわ」
「ええ。またね」
さて、どうしたものか。ティターニアは考える。まずは、この病院内のネットワークを調べて見ましょうか。ティターニアは自分の端末に手を伸ばし情報収集を開始する。
「それっぽいものは無いわね……当たり前と言えば当たり前だけど……ん?」
不思議な通信を見つけた。通信内容を開き覗き見をしてみる。別の病室のようだが、間違いなく盗撮をしているようだ。端末の表示方法を投影から表示に切り替え、仰向けになり、いくつかチャンネルを開いてみる。
「あ」
思わず声が漏れてしまった。自分を発見してしまった。はっきりと映っており、疑いようがなかった。履歴をたどると、やはり別媒体へ録画している。チャンネルがはっきり分かったので何か仕返しをできないかと画策する。10秒くらいで切り取ってループさせる?いや、それは間に仕込む必要があり気が付かれてしまうかもしれない。ならば
「これでいっか……」
結局間に仕込んだのだが、巧妙な手口だ。リアルタイムでモニターで見られる事には目をつむる。しかし、保存されるデータは全くの別物、とゆう作者も何を言ってるか分からないような事をした。
「今日はこれにしよっと」
ティターニアは恐らく、音声も撮られているのだろう、と思い、独り言をわざと言う。そして端末を投影に切り替え、音を出してアダルト動画を再生し、自らに触れる。喘ぎ超えを出し、無心で触れる。
そして、全てを終え、動画を止め、入院服を正す。そして、端末を机に置く。丁度その時に扉が開いた。
「ティターニアちゃん。明日退院よ」
看護婦がクリップボードを手にしながら入室してくる。
「あら、嬉しい。やっとこのつまらない部屋から出られるのね」
「じゃあ退院カードがあるから、サインをお願いできるかしら」
看護婦がクリップボードを手渡す。そこには手書きで「見られてるわよ」と書かれているのでその下に文字を連ねる。「策はしてあります」。看護婦はそれを受け取り首をかしげるが、ティターニアは笑顔で答える。




