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この太陽系で私達は  作者: えるふ
36/70

お酒リベンジ

「良くこんな酒が手に入ったな」

フーガが驚いたように言う。

「あ、これ…校長先生から貰ったんだ」

ティターニアが正直に言うとフーガは深く追求せず、蓋を開けた。

「じゃあ乾杯しよっか」

ティターニアが言うとフーガはティターニアの杯にお酒を注ぐ。

「じゃあ乾杯」

そのお酒は辛口ではあるものの、後味はスッキリしており、とても飲みやすく、味も十分だった。

「美味しい!」

ティターニアが嬉しそうに次を注ぐ。フーガは苦笑いしながら

「相変わらず、いいペースだな」

フーガは今回は自分のペースを守っていた。

「お酒はほら。自分のペースで飲むのが一番美味しいから」

ティターニアは言うが早いかすでに飲み終わって次を注いでいた。

「ところで、言いたくないなら言わなくていいけど、冥王星って、性犯罪率高かったよな。大丈夫だったのか?」

フーガが言うとティターニアは流石にグラスを持つ手が止まった。

「大丈夫じゃなかったよ、うん。最初の1周間は「何するの、やめて!」て感じだったよ」

ティターニアが言うのでフーガは首を傾げる。

「その後は?」

「あ、するの?うん、早く終わらせてね、私まだ仕事あるしって感じだったよ」

冥王星の年間における性犯罪は360件と1日1件は最低でも発生している計算である。なお、犯罪として計上されていない物もあるので、実際はもっと膨らむはずである。

「なんてゆうか、ティターニアらしいですわね」

呼んだ覚えのない声がしてティターニアは驚いて振り向いた。

「サイス、遅かったじゃないか」

「ちょっと先生に呼ばれましてね、で。私はどこに座ればよろしくて?」

サイスが言うと、フーガはティターニアとの間を空け、その間に入るように言う。

「あら、どうゆう事かしら?」

ティターニアがグラスを傾け終えて言う。

「いや、さっき来るって言ってきて、まぁいいかなって」

ティターニアとサイスは同時にため息を一つ

「女心の判らない朴念仁とはこの事ね」

「まぁ、それでこそフーガって感じしますわね」

「おっと、心に刺さるな……まぁいいや、これを二人に渡したくてさ」

二人は紙袋を受け取り、首を傾げ中身を引っ張り出す

「あら、私の好みを良くわかってらっしゃるようで。私、こういうフリフリした服が大好きですのよ」

サイスはそう言うと鏡の前まで移動し、自分の体にあてがっている。

「なんで私はメイド服なの?」

ティターニアが不思議そうにしていると、サイスが突きながら

「あら、付き合ってるし、給仕して欲しいのではないかしら。結婚すれば女が給仕、男が仕事、それくらいは普通かと思いますし」

サイスが言うと、フーガは明らかに顔をそらしている。ティターニアはしばらくその服を眺めた後、サイスに耳打ちする。

「お風呂場で一緒に着替えない?」

それを聞いて嬉しそうにサイスは手招きして風呂場へ入り鍵をかける。

「貴方の前で服を脱ぐの、何回目かしら」

ティターニアが言うとサイスは制服を脱ぎながら言う。

「数えてませんわ」

サイスは背中のファスナーを下ろし、足を通しながらティターニアの方を見る。

「私、天王星人は嫌いな部分も多いですわ。ですけど、ティターニアの事は理解しようと思っていますの。そうでなければ、私、体を許したりしませんわ」

サイスの言葉を受け、ティターニアは少し安心し、自分の服の背中のファスナーを閉めようとする。

「それを聞いて安心したわ。有難う、でも……私は…」

「それは個性ですわよ」

ティターニアが言いにくそうにしていると、サイスが制した。サイスが背中のファスナーに苦戦していたのでティターニアが手伝ってあげる。

「サイスって思ったより硬いんだね」

「ティターニアは思ったより柔らかいんですわね」

それを聞いて二人は笑みをこぼし、扉を開けた。

「あれ、ひっくり返ってる?」

ティターニアが不思議そうに横に立つ。それを見て面白そうなのでサイスも反対脇に立つ。

「あ、いや、別に、そうゆうわけじゃ……」

慌てて上半身を起こすフーガの頭にスカートが引っかかる。

「あ、いや、事故です」

慌てるフーガに対し、落ち着いてスカートを戻す二人。

「ふふ、服のお返しをしないといけませんものね?」

「そうね、たっぷりこの服でご奉仕しちゃうよ」


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