表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
この太陽系で私達は  作者: えるふ
22/70

アルマ3

ティターニアはゲームを楽しんでいた。以前一緒に遊んだキャンベルやベルグも一緒だ。

「ポイント1024の512付近にて上空待機」

『こちらユニフォーム、シックスフォー、了解した。前進を開始する』

『タンゴ、ツーツー、了解、これより前進する』

ティターニアは無線を聞きながら地上を警戒する。画面の端に前進している味方部隊が見える。

『こちらユニフォーム・シックスフォー、12時の方角に敵車両あり、警戒せよ』

『こちらタンゴ・ツーツー了解。空から狙えるか、どうぞ』

「その方角には多数の車両あり、武装車両の座標を教えられたし」

ティターニアが言うと、しばらく考える声が聞こえた後、キャンベルが応える。

『1050の520』

ティターニアはその座標をインプットし、攻撃機に搭載されている画面を見る。

「ねえ、本当にその座標で合ってる?本当に大丈夫?」

ティターニアは赤外線カメラで映し出される画面を見て引き金を引くのを躊躇った。

『この座標で間違いないはず』

キャンベルが言う。ティターニアは眉をひそめ、もう一度座標を入れ直す。やはり同じ場所が映し出される。

「本当に大丈夫なのね?撃っても良いのね?」

ティターニアは最後の警告をする。

『ああ、間違いない、やってくれ。西から侵入してくれたら助かる』

「分かったわ、1周したら撃つわね」

ティターニアは大きく旋回し、指定された方角に移動すると、機首を下げる。ALT-Lowの警告が機内に響き渡る。ティターニアは引き金を引いて機銃掃射を行う。プルアップの警告が聞こえた頃、機首上げ、上昇に入る。そして画面右下に表示されるフレンドリーファイアの文字。

「ダメじゃん、間違ってるじゃない!何が間違ってないよ、もー」

ティターニアが文句をいうと、フーガが

『こちらタンゴ・ツーツー。現場に到着した。目標地点にレーザー照射を行う』

画面にレーザーが見えた。

「タンゴ・ツーツー、ミサイルにて対応します。そのまま待機を」

ティターニアは上昇し高度が十分になったと判断し、旋回を開始、レーザー誘導ミサイルを撃ち込んだ。

『目標の破壊を確認、前進を開始する』

フーガが言うとティターニアはため息混じりに

「ねえ、本当にキャンベル君って空軍資格持ってるの?さっきも間違えてたよね?」

『とゆうか、陸軍随伴空軍はキャンベルくらいしかいないぞ。ベルグはどっちかと言うと海軍だしな』

フーガが言う。

『タンゴ・ツーツー、こちらシエラ・ワンワン。狙撃手による攻撃を確認した。待機せよ』

『了解、シエラ・ワンワン。ポイント、1050の550にて待機する』

「こちらアルファ・ワン、座標を知らせてくれたら上空より支援します」

『アルファ・ワン、座標の特定は困難である、そのまま上空待機願います』

ティターニアはそれを聞いてすり鉢旋回に入る。地上は膠着状態。ティターニアは机においてあるカップに手を伸ばし、珈琲を一口飲む。

『何か飲んでるな?』

「珈琲よ」

ティターニアは即答する。

『ブランデー、入ってる?』

「もちろん」

やはり即答する。

『今から送る座標を爆撃してくれ』

「分かったわ」

ティターニアは指示された地点を爆撃し、再び待機状態に入る。

『よし、スナイパーを片付けた。この拠点を占拠する』

「もう私に出来ることはないわね、基地に帰るわね」

『了解、支援に感謝する』

ティターニアは数キロ離れた基地へ着陸させ、待機すると、ミッションクリアの文字が表示された。

「お疲れ様でした、私はお花摘んでくるわね」

ティターニアはそう言って通話をミュートにしてトイレに入る。用を足してる最中、ミッションの流れを脳内シミュレーションする。次のミッションも問題ないだろう。意気揚々とトイレを出て、端末の前に腰を下ろす。

「ただいま、次も問題なさそう?私は大丈夫だけど」

『いや、俺は無理かな。俺、明日の無重力に耐えれそうにないから、酔い止めの薬を貰ってこなきゃ』

ベルグがそう言う。

『俺は別に問題ないが……』

フーガが言うが

『俺、爆撃指示ミスの懲罰で3日間ログイン停止なんすよ……』

キャンベルが申し訳なさそうに言う。

「じゃあ今日は解散で」

ティターニアはそう言うと通話を遮断し、ベッドに飛び込み、手足をバタバタと動かす。

「思ったより上手く行った、嬉しい」

体の動きに対し、対照的なまでに冷静な言い方だった。手足をばたつかせるのが面倒になって、ベッド脇に転がっている白蛇のヌイグルミに抱きつく。

「ちょっとくらい……」

ティターニアはボソリと呟くと自身の大事な所にゆっくりと触れる。背中に電気が走る感覚。気分が高揚し、息が上がる。ヌイグルミを抱く腕に力がこもる。自分を慰める事は結構あるが、初めての感覚だった。


気分が最高に高まったとき、手足が痙攣し、指が止まる。そして大きく息を吐き、ヌイグルミを両手で抱いた。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ