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この太陽系で私達は  作者: えるふ
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プロローグ

WarframeとかELITEDANGEROUSとかやってる時に思いついたネタ「そう言えば宇宙進出物語は沢山あるけど、学校ってあまりスポット当たらないよね」と思って書こうと思いました。とりあえず、宇宙らしさが出せるように頑張りたいと思う。


ここに上がってるタイトルのゲームをプレイしているとネタが判る時があるかもしれません。

人類は宇宙へと進出を果たし、金星と火星をそれぞれテラフォーミングした。この年を宇宙元年と呼ぶ。テラフォーミングした結果、地球からでは制御困難なスイングバイをそれぞれの惑星地表から制御できるようになり、さらに過密化が進んでいる交通管制を可能とした。


水星は太陽が近すぎるのを理由に人類の進出はしていないが、火星と金星は地球型惑星同盟に加盟。人類の進出はとどまるところを知らない。木星型惑星として木星と土星。天王星型惑星として天王星と海王星。外縁天体として冥王星とエリスがそれぞれ同盟を結んだ。それぞれの同盟はそれぞれの思想を持ち、いつしかそれは国境のような壁を作る結果となる。時は宇宙暦3100年。



「ここまでが歴史の勉強で習うところだ。近年ではお互いが手と手を取り合う時代だと思う。そこで設立されたのが我々の組織である宇宙船連盟。通称SAFだ。我々に国境は存在しない。すべての船舶、コロニーが我々のサービスを受ける権利を持つ。この学園はSAFのメカニックを育生するための物だ。安心して欲しい、教育期間は2年あるが、この学園は都市能力も有している。食料品から衣類、娯楽に至るまでなんでも手に入る。1年後、諸君らは実地試験としてエリスのコロニー……今は廃墟となっているコロニーを調査してもらう。報告書がまとまった者から逐次現場へ向かってもらう。卒業したら諸君らはそのまま現場に配属になる……」


ティターニアは聞こえないようにため息を吐いた。校長先生の話は長く、入学式はそれから更に2時間ほどかかった。ティターニアは居住区、通称「寮」へ直接向かわず、喫茶店へと向かった。入学式の会場に向かう途中偶然見つけたものだ。


「校長先生の話が長いのはいつの時代もどの学校も同じねぇ……」


ティターニアは2度めの学校生活を送るべく友人であるフーガと同じ学校を選び、運良く二人共入学に成功したのだった。ティターニアは晴れて2度めの大学生になったのだ。なぜ2度めなのか、それは彼女の寿命にある。


「あなた、天王星人ですわね?天王星人がカフェに来るなんて、私は天王星人と一緒にいたくないのだけど?」


天王星人とは基本仲が悪い。仲が悪いと言われるのはその国の思想にある。金星ではお淑やかさや可憐さを美しさのモットーとし、天王星では売春禁止法がない。金星人にとって天王星人は汚れた存在なのだ。


「その上から目線具合は金星人ね。挨拶にしては随分威圧的ね」

ティターニアは宇宙暦3100年になった今、小柄な部類にはいるがそれでも有り余る背の低さの女性に絡まれてしまった。金星人は背の低さが特徴。


「その長い耳は何ですの?もしかして天王星では整形が流行ってるのかしら?」


「残念ながら生まれつきよ」


結局、嘘を言うのは躊躇われ正直に答えた。


「生まれつき?」


やはり食いついてきたか。とティターニアは眉をひそめた。


「遺伝子改造技術って昔あったじゃない?それの副作用よ」


金星人は少し考え


「あぁ、あの不老不死試験ですわね。志願しましたの?」


ティターニアは記憶を手繰り寄せる。身近な人はそんな事を言っていなかった。しかし、外では不老不死の試験だと思われているようだ。不死というわけではないく、妖精といえど殺せば死ぬ。


「私も詳しくは知らないの……」


もともと田舎である天王星が、人口の増加を目標に色々なことを試していた。その中に「遺伝子を改造した人間を作る」とゆうものがあった。当時は「遺伝子組み換え人間」「人造人間」等様々な呼ばれ方があったが、誰かが名付けた「妖精」と呼称するようになった。


「ふ~ん、貴方、真っ白ですのね」


ティターニアは髪も肌も白い。髪はお尻の下まであるストレートで、目は赤い。


「それも生まれつきで…」

「今幾つですの?」


答え難くはあるが、質問の多い金星人だな、と思った。その時である。


「お、女性に年を聞くのは失礼だって教わらなかったか?」

そこに割って入ってきた男性はティターニアには見覚えがあった。


「フーガ君?」


フーガと呼ばれた男性はしっかりとした体付きで、坊主頭だった。


「俺も小腹がすいてね。女性同士でも年齢はタブーだと思うけど?」

「年齢不詳の相手と一緒に過ごせないわ」

「お前もぐりか?インターネットの世界じゃ、年齢どころか性別も職業も知らない相手と一緒に同じことするんだぞ」


フーガ、実はオタクである。どっちかと言えばゲーム寄りの。


「一緒に会う事なんてないじゃない!」

「あるんだなぁ、それが。最近はFSDがあるからオルカであっとゆうまさ」


オルカ、つまりバスである。星系間移動が可能なこのオルカは人の流れを作る重要な船舶である。宇宙に鉄道を作るわけにはいかないので、どうしても船舶での移動がメインになる。


 FSDとは高速航行装置である。天王星と地球を2時間ほどで行ける速度が出せる。


「あと、もぐりとはヒドイ言い方じゃない?貴方こそただのオタクですわよね?」

「まぁ、それもそうだな」

「だが、趣味趣向が合わない、出身地が気に入らないからお前が出てけ、と言うのは少し乱暴じゃないかな」


会話に割って入ってきた女性にフーガは少し声が出た。


「木星人かな?でかい」

「お前たちが小さいのさ」


フーガが見上げるほどの長身差に驚いたがどうやら味方らしい。


「私はアマルティア。よろしく」

「フーガだ、よろしく」

「ティターニアです……」


金星人は居心地が悪くなったのか、喫茶店から出ていった。


「良かったら何か奢ろう。何がいい?遠慮はいらんさ」

アマルティアが言うので、メニューを呼び出し、無難なところを選ぶ。

「珈琲を、お願いします…」

ティターニアが言うとアマルティアはフーガに

「小腹が空いてるのだろう?ほら」

「じゃ、じゃあバーガーを」


完全に流れをにぎられてフーガも困惑してしまう。


「じゃあ私は戻るよ、ごゆっくり」

二人に品を手渡すとアマルティアは喫茶店から出ていった。


「とりあえず、座ろっか」

ティターニアが言う。立ち話もいいかもしれないが、他の人の邪魔である。しかも大声でやりあったあとである。さすがにばつがわるい


「そうだな……」


あいてる椅子に座り、ティターニアは長い髪を背中に流し、珈琲に口をつける。


「ねえフーガ君。この後あいてる?」

「いや、荷物の受取確認しないと。まぁ、その後は暇かな」


荷物の受取確認。明日荷物を届けてもいいかどうかの確認である。それを怠ると荷物が届くのが翌日に繰り越される。


「いつまでだっけ」

「今日の20時」


ティターニアは慌てて時計を見る。18時。まだ余裕はあるが移動時間を考えると少し心配である。


「時間、ちょっと危ないかも」


ティターニアが言うと、フーガは端末を取り出しながら言う。


「ここでやればいいんじゃない?端末持ってるだろ?」


フーガに言われ端末を取り出し、ポチポチしてみると、確かにできるようだった。


「あ、案外あっさりできるのね。もう少し難しいかと思てたわ」


登録を終えると、フーガの方を見る。フーガは端末を見ながら食べていた。それを見ながらティターニアは珈琲に口をつける。


「ん?どうした?」

フーガが目線に気がついて声をかけた。ティターニアは慌てながら

「え、い、いや、あの……何見てるのかなって」

言い訳を言う。フーガは少し気にしながら、


「いや、その……SNSで船体カスタムをね」

我々が自動車を改造するのと同じように、個人用の宇宙船を改造するのが若者の間で流行していた。

「そうゆうのちょっとよくわからないけど、流行りとかあるの?」


ティターニアが不思議そうに首を傾げる。


「あるぞ、最近だと光り物をつけるカスタムが多い」


フーガは言うが早いか端末を見せる。

「うわ、結構派手だね。電力とか大丈夫なの?」

「それはパワープラント次第だな。カツカツすぎてフューズ飛ばすやつもいるらしいしな」


宇宙船にとって電力は命。比喩でもなんでもなく、生命維持装置の電力供給が止まれば当然待ち受けるのは死だ。他にもスラスターといった姿勢制御系や操縦系統、それらを管理するシステムなど、全て電力が必要である。デストリビューターと呼ばれる配電盤で電力供給の割合を変更できるとは言え、生み出す電力には限りがある。


「良くやるね…あれ?でも最近はって事は、ちょっと前は違ったの?」

「少し前は船体にやたら羽つけてた。ドッキングパッドギリギリのやつもいて、コロニー側から警告出てた」


フーガが少し呆れたような声で言う。その飾り羽で問題を起こした人もおり、まさに賛否両論だった。


「で、その反対派がたどり着いたカスタムが、ペイントと光り物。こっちも好き嫌いあって、大多数は光り物だな。少数派にペイントって感じだ」


フーガがとあるページを開いてティターニアに見せた。そこには光り輝く船体と比較するかのように可愛らしいペイントの施された船体が並んでいた。(今で言う痛車)


「可愛い……」

ティターニアは思わず声を零した。


「まぁ、今はこんな感じだな」

「なんか大変だね」

「まぁ、結局好き嫌いって事なんだけどな」


フーガが言う。確かに世の中好き嫌いってのを人に押し付けてる人もいるきがする。それはいつの時代になっても変わってなかった。


「この後、あいてるんだよね?」

「ああ、特に予定は無いな」

「じゃあちょっと手伝ってほしいことがあるんだけど」


ティターニアの願い、それは







「ごめんね、溜め込んでて……」

「今日初日だろ?」

「私、4日目よ?」


ティターニアは遠征組なので早めに移住を開始している。大きな荷物はまだだがある程度の衣類は持ち込んでいる。服を着たら当然洗濯をする必要がある。実に3日分+アルファである。


「まったく……」


フーガは呆れたように洗濯機から洗濯物を取り出し袋の中に入れる。


「これで全部か?」

「うん…それで、その……」


ティターニアは顔色を伺う。


「判った判った。部屋まで運べば良いんだな?」

「有難う!」


実に男の扱いが上手い。上目遣いでモジモジとお願いをしたら断れない。


「今度から自室でやれよ」

フーガが呆れたように言う。

「あー、うん…そうする…」


自室の洗濯機はあまり大きくないので大量の衣類や布団を洗うにはどうしてもランドリーを利用するしか無いのだ。逆に言えば、普段から自室で 洗濯をすればこんな事にならないのである。



部屋まで運んでもらったティターニアは、少し考え


「休んでく?」

「いや、今度にするよ。明日どうせ呼ばれそうだし」


そのあと軽く挨拶を交わした後、ティターニアは一人部屋に入り、洗濯物をタンスにしまう。


「あ…」

ティターニアは洗濯物を見ながら思わず口から声が漏れた。


「しまった……下着をフーガ君に取り込ませてしまった……」


ティターニアはドラムを2つ使って洗濯をして、1つをフーガに任せたのだが、そっちは下着が多く含まれていた。だから先程「自室で洗え」と言ったのである。


「はぁ、明日も頑張ろ……」

ティターニアはベッドへ飛び込むと部屋の明かりを消し、ベッドに潜り込んだ


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