閑話 〜炎獣・雷獣〜②
んんー?どこまで追いかけて行ったんだろ。遅すぎる。えっと〜・・・・・・あ、いたいた。人の反応が1人と、エンとジンがいて、あとは・・・んん?何この変な魔力の塊は。ウニョウニョしてる。それに、周りの木々や、地面の魔力を吸い取りながら移動している。
ソレを前方にして、2匹がいて、その後ろに人がいる。庇ってるのかな?悪者だけど守ってやるとか、いい子だなー。でも、後ろは崖でもうやばい感じか。・・・待てよ?地面の魔力を吸ってるってことは・・・ヤバイ!!!
崖が崩れ始め人が落ち始める。それに気づいたエンとジンは目の前の敵から目を離して人の方を見てしまう!その隙をついてくるウニョウニョ。・・・呼びにくい。
エンとジンを包み込もうとしている!!
させない!!!
“にゃーー!!!”
私の作った魔法陣で木々を構築。一つ目は地面に落ちそうになった人をまず確保。そして、ふたつ目の魔法陣にはエンとジンの目の前に作り出し、ウニョウニョに向かって大木を突撃させる。直撃したウニョウニョは体に大穴を開け砕け散る。その間に崖下にそろっと人と、エンとジンを下ろす。すぐさま駆け寄り怪我の確認。
エン!ジン!怪我ない?!
『オン!!』
『クオーン。』
エンは元気だけど、なんか、ジンは元気がない。
どうしたの?力が抜ける?・・・!ジン!伏せ!
すぐに伏せ状態になるジン。ヨロヨロしてる。
「お、おい。大丈夫・・・か?わ、悪かった。俺を庇って、そいつだけあいつの体に触れだんだ。アイツは急に地面から這い出て来て、それで。」
地面から急に現れた。ふぅん。
それ置いといて、やっぱりちぎれた一部が人の背中にくっついてる。ウニョウニョ気持ち悪!
色は虹色。それがウニョウニョ。スライムのような可愛い瞳もなく、ただウニョウニョ動く気持ち悪いやつ。とりあえず、尻尾で掬い取るように絡ませる。ふむ、魔力を吸収するのやめないな。ジンから離さないと。
「っ!そ、それ。アイツの一部か!?それがついてたから・・・お、お前は大丈夫なのか?!」
ちょくちょく人が怯えて声を出しているが私、君と会話できないんだよね。無視で。魔力は吸われてもいいけど、ダメージ与えて見たいな。魔気を纏ったらどうなる?
ジュウッ!!
『〜〜?!?!』
声はないけど痛がってるかな?なら成功。
ジンは元気になったかな?
大丈夫?
『オォーン!!』
2匹とも無事でよかったよ。先に、その人をその人の仲間を拘束してる場所に避難させなさい。私はコイツを処分したら行くから。
2匹は首を横に振り、自分たちも戦うと言う気持ちを込めて散り散りになったウニョウニョが再生して行く様を見て唸る。
いいから行きなさい。お前たちの魔気ではダメージを与えられない。ほら、行きなさい。命令!
『『ガゥ。・・・・ッ!ガウ!!』』
私がウニョウニョに包まれると思ったのか、思いっきり吠える2匹。
ウニョウニョは私に触れた瞬間!
ジュワァァァァァーーー!!!!!
『〜〜▽*□▲×ッ!!!』
触れた場所から朽ち果てて行く。燃え尽きて行くの方が正しいかな。触ってない場所にも空気中に溶けた私の魔気が触れたのか、燃え始め、全身が火だるま状態になるウニョウニョ。
黒く焼け焦げ、風が吹くとサラサラと砂のように崩れ去り、核のみとなる。これ、ちょっと持っておくか。異次元空間に放り込んでおこう。
さてと、ほら、終わったよ。戻ろう。
『『「(ポカーン)」』』
2匹と人はポカーンっと口を開けて固まっている。
・・・エン、ジン、クルガの蔓さんの家族達の方にもアレが出てるかもしれないから急いで帰るよ!
ヽ( ̄д ̄;)ノ=3=3=3シュルルルルー!!
!!!虹色のウニョウニョ!!!でかっ!!!
大木に絡みついている?なん、で。って蔓さん?!
首に巻きついていた蔓さんが急にしおれ出した。
もしかして、あの大木がお母さんか!
許さん!!
“にゃー!!フシャ!!”
重力の魔法陣を発動させそのウニョウニョのみを魔法陣に引っ付ける!!
ベシャッと魔法陣にひっついてもがくウニョウニョ。
『◇×○□ナ♯☆ニモ▲#ノダ!◇▽+*邪魔×€☆*スルノハ!!』
んん?喋った?本体か?
お前なにやってるの?
『○〆々〒¥ショクジヲ×◇○▲ジャマスルナ!』
うるさい。魔力を吸い出す魔獣。お前はこの世界に必要ない。私が滅ぼす。
『○〆々〒¥ワレヲ×◇▽▲□コロス?○*〆°ギャハハハ!ワタシニ◇▲*%フレレバ○$€×シヌゾ?』
一人称統一しろよ。触ったら死ぬの?私が?君の間違いでしょ?まあ、どうでもいいや、死んで?
『○〆々〒¥ワレヲ×◇▽+*グロウシタナ・・・シネ!』
私は重力魔法陣を解き自分から近づかせる。そして、
ジュワァァァァァーーー!!!!!
『?!ギャァ▽*○□▲!!!』
すぐに離れようとするが、私の下に重力魔法陣を発動させてるため動けない。
『○〆々〒¥ワレハ#@$€%マダ▽*○ジニタク〒*〆ナ”ァイィィ!!!』
いや、死ね。もう喋るな。
『〜〜ッ?!!!!!』
ボロボロと黒焦げになり崩れ落ちる元ウニョウニョ。
核はデカイのが残った。さて、さっき回収した核と一緒にちょっと調べる前に。蔓さん達のお母さんを回復させないとっ!
シュ、ルル・・
かなり弱っている。大木も半分以上枯れている。間に合うか!?
私は私の魔力を大木に移す作業をするため頭を大木に当て巨大魔法陣を発動させる。
“にゃーーん”!!
魔法陣が効力を発動。光の粒が私の身体からいくつも作り出され、大木に吸収される。すると、私の身体だけでなく、地面から空から、他の木々からも光の粒が!
みんな、この大木に生きて欲しいんだね?少し分けてもらうよ。幻想的な空間に人とニ匹は・・・
「・・・すげぇ。」
「大木が。」
「復活して行く!!」
「あの猫何者なんだよ。」
「・・・クルガの巨木この森の中心で守り神。その守り神が復活してい、く?」
「どれほどの魔力が必要だと思ってるんだ。あの猫。」
『『オォーン!!』』
「うおっ!?」
「魔獣?!こいつらが呼んでるのか?!」
この森に住む魔獣を呼び出し、彼らからも光の粒が大木に移されていく。うつ伏せているもの。こうべを垂れているもの。遠吠えをしているもの。舞い踊るもの。様々な魔獣が大木に生きて欲しいと願いその願いは大木に届く!
多くの光の粒が大木に吸収され、光が溢れ出す。新しい葉が生い茂り、枯れた枝から新しい丈夫な枝へと生え変わる。
大木はついに復活を遂げた!
「キタァァ〜!!」
「スゲェー!」
「・・・ありえねぇ。」
ふぅ。疲れた。さすがに1人では無理だった。
ありがとう、エン、ジン。助けを呼んでくれて。
『ワフ!』
『ガウガウ!』
シュルルルルル♡╰(*´︶`*)╯♡
おお!復活した蔓さんおめでとう!んん?
私の方に大木から枝が伸び首元の蔓さんに触れる。
シュル?(・・?)
シュルルルルル!∑(゜Д゜)
んん?どうしたの?
どうにか、意思疎通を図り、訳すとこんな感じ。
大木が私の首に巻きついた蔓さんを第1の後継者として認め、様々な場所に行って私のそばで役に立つように言われたそうだって。
蔓さんがそばに居てくれれば仲間が増えるから嬉しいな。エンとジンにはこの森を中心とした場所の生態バランスを調整して欲しいからまだ一緒に旅できないし。時々呼び出すことはあるかもしれないけど。
『『クゥーン』』
・・・・・・シュル!ᕦ(ò_óˇ)ᕤ
ふふ、ありがとう。よろしくね?蔓さん!
2匹に任せたいのはここにまたあのウニョウニョが出てきたら、エンが焼き尽くすか、ジンが動きを食い止めて、捕獲するか、どうにかして欲しいんだ。任せていい?
『オォーン!!』
『ガウ!!』
もちろんとでも言うかのように胸を張る。
ふふ、任せるよ。他の土地でも何か問題が起きてるかもしれない。確認してこないと。
「・・・おい、猫?」
ん?なんだ、まだ居たのか。って言っても帰れないか。魔獣だらけだしなぁ。
「お前は、何者なんだ?」
・・・意思疎通ができない。しょうがない魔法文字を並べて・・・
《女神、召喚、勇者》
この三単語だけ教わったんだよね。女神から。困ったら使いなさい的な感じで。
「コレは・・・つまり、女神に召喚された勇者?ってことか?!」
「勇者?!この猫が?!」
「猫の勇者?なんか、どっかで・・・・・・!!思い出したぁ!お前!エレミア公国のナナ王女を暗殺者から守った英雄じゃないか!!」
「ま、マジで?!」
「勇者なら納得・・・なのか?」
ナナ王女・・・か。懐かしい。元気かなー。
「・・・・・・俺はここに残って四獣様の手伝いがしたい。ダメだろうか?」
つまり、守り人になると言うことかな?
「守り神様がまた、傷つくの見たくないんだ。あの幻想的な空間が頭から離れない。守りたいんだ!頼む!」
・・・・・・他の人間に目を向ける。
「・・・お前、そんなこと考えてたのか。・・・・俺たちも!な!お前ら!」
「おう!あんなもの見せられて気持ち切り替えない方がおかしいわ!」
「守り神様の守り人。なら強くならないとな!」
「猫の勇者様に負けないぐらい!」
「四獣様!稽古つけてくれ!」
「お願いします!」
『『・・・ガゥ!ガゥ!』』
2匹もノリノリだな。じゃ、任せるかな?頑張れ。
「おお!いいのか?!」
「頑張るぞ!」
その後、人の食料を探しに森の奥に行ったり、木々を少し切って材木を集め、小屋を建ててやる。
食べられるものと食べられないものを教え、感謝しきれないと言われ、これから精進すると言い、意気込む人。なかなか、サバイバル慣れしてるから大丈夫だろう。さすが、元闇商人!
・・・・・・まあ、気にしたら負けだよね。さ、次はどこに行くかな?蔓さんという新しい仲間も増えたし、四獣のコンプリート目指すかな。海の方も何か問題が出てきてるかも、海竜だけじゃあの広さは無理だよね。海の管理を手伝ってくれる水系統のナニカと契約しなきゃな。はあ、忙しい。