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邪神と猫  作者: 神白
6/12

閑話 〜炎獣・雷獣〜①

〜炎獣・雷獣〜


・・・あー。足疲れたー。少しお昼寝しよう。

私は木の上に登り、ふかふかの葉っぱを集め寝床を作る。

完成した後その上に乗りいつも通り丸くなって寝る。


数時間後・・・


ドガン!キン!!ギィーン!ガァァーン!!!

・・・うるさーい!


なんだ!私が健やかな眠りについている時に!


『ガウ!ガウ!』

「クッソ!流石、炎獣!強すぎだろ!」


『オォーン!!』

「雷獣の方も強すぎです!コンビネーション良すぎ!」


『『オォーン!!!』』

「大技のコンビネーション来るぞ!」

「避けろ!!」

「避けられない!?」

「ヤバっ前にですぎた!」


そんな大技出したら私まで食らうだろ。周りのこと考えろこのバカ犬共!

私は人と2匹の間に割り込み、2匹の周りに結界を張る。

自分の技で自滅しろ!!


『ギャウ?!』

『キャウン!』


「・・・・・・え?」

「な、何が。」

「ね、こ?」

「あんな上級魔法を猫が?!」


はあ、魔力使った。魔獣狩りしに行こう。お腹減ったー。

何事もなかったように、森の中に戻ろうとする私に結界の中の2匹が吠えてきた。


『ガウガウ!!!』

『ガルルルル!!!』


うっさい。私の寝床を壊そうとした罰だ。結界は解除してやるからどっか別のとこでやれ。


解放される獣達。標的を人に戻さず私に突っ込んで来る。めんどくさいなー、もう。


猫に大きな鋭い爪が振り返る!!


「危ない!」


めんどくさい時は、魔気発動。


『『?!キャウン!?』』


おぉー、思いっきり後ろに下がった。でも、逃がしてやったのに向かって来るとか、覚悟・・・出来てるよね?

ま、とりあえず魔気は収めて、後退した2匹に一瞬で近づく。

驚いて動けない2匹をそれぞれの弱点属性の牢獄に閉じ込める。

炎獣は水。雷獣は氷。


『ガボッガボッ!?』

『ッ?!?!』


炎獣はもがき、雷獣はガタガタと震える。雷獣の方は寒いだけでなく、触れたところが痛いからキツそうだね。


「・・・・・・ね、ねえ?そろそろやめてあげて?」


人の言葉はわかるが、意思疎通はできない。だから、首を振る横に。もう少しやらないと気が済まない。


「・・・お、おい!よ、弱いものいじめはダメなんだぞ!!」

「ちょっ、やめとけ。殺されるぞ!」


弱いものいじめ?・・・・・・はあ、しょうがない。解除。


『ゲボガボッ』

『キューンキューン』


解放された2匹に伝える。

私はご飯を食べに行くから、邪魔しないでね。次は殺すよ?じゃ。


今度こそ、私は森の中に帰る。はあ、弱いものいじめかぁ。私と同等の力を持った魔獣とか・・・いるのかなー。はあ。お腹減ったけど、ふて寝しよう。はあ。



「なんだったんだ。あの猫。」


「でも、私達の試練は失敗ですね。まだまだ実力が甘かったということを痛感しました。」


「くっそー、勇者初の四獣との契約をしたかったのに!」


「我々は帰ります。が、この2匹は大丈夫なんでしょうか?」


『キューンキューン。』

『クォーンクォーン。』


「さっきの威圧もなくなって、互いに慰めあってるな。」

「相当怖かったんでしょう。」

「こいつらって、住みか帰れんの?」

「送ってあげたほうがいいのかな?」


『『・・・・・・。』』

2匹は無造作に立ち上がり、森に入っていった。


「え?!猫の方に行っちゃったけど。大丈夫な訳!?」

「我々にはどうすることもできません。無事を祈りましょう。」

「・・・頑張れ。」

「・・・・・・なあ?思ったんだけど。あいつらをひれ伏させたあの猫と契約する・・・なんて起きないよな?」


「「「あ。」」」



『ガウガウ!』

『ガウ?ガウ!』


2匹は少し話し合い?をして、先ほどの猫を探すことにしました。


それを上から見る猫。


なんでこいつらまだいるの?帰れよ。

はあ。お前らのせいで勇者の私は悪者扱いされたんだぞー。あいつらも勇者だったなー。後輩に悪者扱いされたー。


『!!ガウ!!!』


あ、見つかった。

もう、何の用〜?


『ガウガウガウキューン』

『クォーン』


ん?お腹だして降参状態?・・・なに?契約したいの?私と?


『『キューン』』


・・・。

私は無言で木から降りる。ちょうど、手足となる配下欲しかったんだよね。それに、フカフカしてるよね。見た目が。寝床兼運び屋兼、ある区画の守護獣してもらおうかな。


契約してあげるよ。お前達の真名は・・・炎獣がエン。雷獣がジンで。


『『ッ!オォーーーーン!!』』


2匹が吠えることで、魔法陣が私と2匹の下に浮き上がり、炎のエンブレムと雷のエンブレムが現れ、

私の中へと消える。


はい、契約完了。さて、早速エンの背中に乗りお昼寝を開始する。


とりあえず、彼ら2匹が住んでいる領域に向かってもらう。

私は寝てるから、着いたら起こしてね。じゃ、おやすみ〜。うわぁー、フカフカ!これは爆睡できる〜。


次の日。


んんー。久々によく寝た。ん?光?朝?・・・あらら、そんなに寝ちゃったのか。さて、ここは〜???あれ?森だよね?あいつらはどこ行ったんだ?


「おいおい、あんま刈り過ぎんなよ。貴重で丈夫で再生能力をもつクルガの蔓だ。それに、刈り過ぎたらここを住処としてる四獣2匹が暴れるからな。」


なんだこいつらは?クルガの蔓?クルガの蔓といえば私がここにきて初めて出会った生命体で、命の恩人じゃないか!それを刈るだと?いい度胸だ!


“にゃーー!!!”


「な、なんだ?!猫?!」

「くそ!殺せ!」


“フシャー!!!”


私は剣を振りかぶる男を風で吹き飛ばす。

その他の男は、クルガの蔓が巻きついて拘束した。


すごいすごい!


「ぎゃー?!なんだこれ!!た、たすけてくれー!」

「ガハッま、魔法使ったぞこの猫!!魔獣か!く、くそ。お前ら!ここは逃げるぞ!」

「逃げれねえんだよ!助けてくれ!!」

「んな?!なにして・・・」


『『グルルルル!!グルガァアァ!!!』』


「や、やばっ!わ、悪い。自分で逃げてくれ!!!」

「おまっ!ふざけんな!!ちょっ!締まってる締まってる!!!」


蔓が他の男を締め上げる。

怒ってますなー。


人殺しはいけないから離して、私がこいつらを牢獄に閉じ込めて来るから。


シュル、シュルシュル。


んん?なに?

クルガの蔓の小さいのが私の首に巻きついた。


???一緒に行くの?

シュル!(* ̄0 ̄)/


ん、じゃあ、一緒に行こう。えっと、拘束してー。

エンとジンは逃げたやつを捕まえてきて、一緒に転送するから。


『『オォーン!!!』』


うん、いい返事。それまでは、狩してこいつらの目の前で食ってよう。ある意味拷問だよね。人を食べる趣味はないけどね。

蔓さんはお腹空かないの?

シュルシュル

少し伸びて光に当たる。


あー。光合成かー。んー。でも、イメージ的には美味しくなさそう。・・・あ。私の魔力食べてみる?


シュル?(・・。)?


私の手に巻きついてごらん。

シュルシュル

いくよ?


シュルルルル?!!

シュルヽ(。>▽<。)ノ


美味しい?

蔓さんが終わったら狩に行くかなー。


・・・シュル!(`^´ゝ


あ、終わった?じゃ、首輪状態になってしっかり巻きついとくんだよ?


・・・数十分後・・・


大量大量!


「お、おい。ま、まさか。ここでそれ食べねぇよな?」

「待て!グロすぎるだろ!吐くから!やめて!」

「グロいのダメなんです。もうここには2度とかないから許して!!」


許さないよ?罰だもの。それにお腹空いてるからお預けなんてできないよ?

気を取り直して!いっただっきまーす!!!


「「「ヒッ?!」」」


[ピーンポーンパーンポーン♪ただいまグロい映像が流れているため。しばらくお花畑をご想像し、お待ちください。]


「「「タスケテタスケテタスケテ。」」」


はい、3名様鬱状態にごあんなーい!!

さて、まだ来ないのかな?2匹は。遅いな?

様子見てこようか。

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