3話
・・・・・・むにゅ。あれ??私いつの間に眠ってしまったんでしょうか。うっ。頭がズキズキします。
「お!起きたか猫!大丈夫か?」
「お前さんのせいじゃろうが!誠心誠意を込めて謝らんか!」
「わ、悪かった。俺の神力に耐えきれずにお前は気絶したんだ。」
あー。そういうことか。・・・あれ?蔓さん?!蔓さんどこですか!邪神!!
「あ、置いてきたかも。」
馬鹿ですか!蔓さんに何かあったら怒りますからね!ちょっと迎えに行ってきます!!失礼します!
「おい、ちょっと待てって・・・行っちまったし・・・・・・早っ!?帰ってくるの早いよ!ってか、誰?!」
《?》
蔓さんですよ?進化してましたけど。
ドライアドになったんですね!蔓さんという名前もあれですから。ライアにしましょう!
《・・・おかーさん?》
おかーさんですか。でもそんな歳ではないので、おねーちゃんがいいです。
《おねーちゃん!!》
よく出来ました!可愛いです。妹ができました!
《・・・敵!!》
そう!邪神は敵です!いつも通り守ってくださいね。
《おねーちゃんを守るの!!》
かわいいですねぇ。
「お前さんも可愛いがの。・・・のう?人型のお前さんをみてみたいんじゃが・・・良いかの?」
あ!創造神様の前なのにすみません!えっとー・・・
「はい、こんな感じです。いかがでしょうか?髪はロングストレート。色は銀。一度銀髪になりたかったので!顔はフッと思い浮かんだもので、大体20歳ぐらいの見た目にしました。声はー・・・前世とそんなに変わってないですね。」
「「・・・・・・」」
「???どうしました?何か変なところあります?」
「いやいやいや、変なところなんて全然ない!!・・・猫、握手しよう!」
「?握手ですか?まあ、それぐらいなら別に・・・」
ぐい!
「へっ?ちょっと何するんですか?!離してください!きゃっ!変なところ触らないでください!ライアー助けて!!」
《っ!おねーちゃん!!》
「可愛い可愛い可愛い!!何この子お持ち帰りする!神域に連れて帰ってずっと離さない!!・・・ライアとか言ったなお前はちょっと『黙って動くな』!」
《っ!!!》
「ちょっ!ライア?!大丈夫ですか?!何するんですかライアに!!離しなさい!!創造神様も何か言ってやって・・・」
「わ、わしの孫、が、可愛い可愛い可愛い可愛い可愛い可愛い可愛い可愛い可愛い可愛い可愛い・・・」
こ、こっちも壊れている!うう〜はっ!そうだ!
「もう、いい加減にしてください!じゃないと奥の手使いますからね!!」
「可愛いなぁ、声も。安心しろ全部愛してやるからな!!」
「・・・もう知らないです!『召喚!闇竜!炎竜!水竜!雷竜!雹竜!聖竜!木竜!風竜!』」
「「え??」」
『『『『『『『『主!!!』』』』』』』』
ポン!
ようやく戻れた。
『お久しぶりです!主!』
『猫様だ!やっと呼んでくれた!』
『闇竜、猫様ではなく主と呼べ!』
『お久しぶりです主!何事ですか?!』
『わあ、創造神様じゃんお久ー。』
『邪神いらないですね。俺が消しときましょうか?主!』
『聖竜だけにいいところは取らせません!』
『魔王討伐おめでとうございます!主!』
うわぁーん、みんな〜邪神が虐める〜。
(つД`)ノ
『『『『『『『『はぁ?!』』』』』』』』
『我が主を?』
『猫様を?』
『『『『『『虐めた?』』』』』』
みんながターゲットを捕捉し敵意剥き出しで邪神を見る。私はその隙にライアの高速を解放しに行く。
「ま、待て。落ち着け。さすがに八竜相手に1人はきつい。ってか、なんで契約できてんの?!」
『主様に弱ってるところを助けられたのだ!』
『人間に殺されそうになったところ助けられた!』
『そう!我らの恩人!』
『そのお方をいじめた?』
『泣かせた?』
『許さない』
『断罪を!』
『死刑。』
「ちょっと、創造神助けて!」
「わしは知らんな。」
「お前も、猫の人型に可愛い可愛いって酔いしれてたろうが!」
『ん?人型?主様の?』
『??猫様の人型・・・』
『見たことないです。』
「そりゃ、今初めてなったからな。」
『・・・主ー我らも見たいです。』
『見たい!』
『声とかも聞きたい。』
『主様ぁー』
『ダメ?』
何やら矛先が私に返還された。
・・・みんな男の子だからなー。逆ハーレムとか別に所望してないんですが。竜だけど。
『主?だめですか?』
うぐ。闇竜のあの目はずるいです。
はあ、わかりました。なりますから。その代わり、邪神みたいにいじめたら契約破棄しますからね!
『いじめたりしない!邪神とは違う!』
『そう!主様は大事な人!』
『優しくする!』
「おい、優しく虐めるのもなしだからな!」
『黙れ邪神!』
・・・
「はい。なりましたよ。」
『『『『『『『『か、か、か、』』』』』』』』
『可愛い!!』
『・・・これは、主が悪い!』
『お、お預け状態。』
『・・・猫様ー。なでなでしてー。』
『ちょっ!闇竜、抜けがけは無しです!』
『・・・主、我慢するのでご褒美ください!』
『はっ!なんていいアイデア!さすがです!木竜!』
『ご褒美・・・何がいいかなぁ。』
・・・邪神が増えた。どうしよう。とりあえず、ライアに隠れる。どうしても、私が大きいから、隠れきれないが。
《みんな!めっ!おねーちゃんが怖がってるでしょ!》
「ライアぁー。」
『???あれ?もしかして猫様の首輪として一緒にいたクルガの蔓?』
『進化したのか!ドライアド?』
『だから、ライアかー。』
『ライア・・・可愛い。』
『そのライアの後ろに隠れる主も可愛い。』
『可愛い女の子2人。』
「「『『『『『『『『ごくり』』』』』』』』」」
ビクッ!!
「ライア・・・ちょっとお散歩いこうか。」
《う、うん!行く!》
「どこに行くのかな?」
「悪いがのう。聞きたいことが増えたので、空間を隔離させてもらうの?」
「・・・ううう〜」
《おねーちゃん?》
「うわぁーん」
《・・・・・・せた。》
『主?!』
『や、やりすぎた!やばい!』
『ライ、ア?』
『に、にげろ!ライアがキレた!』
『猫様がマジ泣きしてる!やばい!!』
『すげー勢いで魔力が、ライアに!!』
『いやー!ごめんなさい!!主泣き止んで!!!』
『邪神!創造神なんとかして!』
「何怖がってんの?」
「ドライアドじゃぞ?」
『馬鹿?!ライアはずっとずっと、一緒にいたの!!一回だけ主がマジ泣きした時があったんだけど、その時、人間たちが主に“言ってはならないこと”を言っちゃって!その周辺にいた人間がライアによって殺されてるの!』
『つまり!今この状況でいうと、俺たちが殺されるの!!』
《泣かせた・・・ナカセタ。ユルサナイ》
「ドライアド程度で神に攻撃できるわけ・・・あ。そういえば・・・駄女神。」
「・・・『鎮まるんじゃ!ドライアド!』」
《・・・ユルサナイ。ゼッタイニ。》
「おいおいおい、言霊聞いてねぇーぞ!」
「うわぁーん」
《・・・・・・》
『ぎゃー、嫌〜!死にたくない!』
『待って待って!マジで待って!!』
『もう、主に変なことしないからァー』
「ちょっ、この蔦、魔力と生命力どっちも吸ってくるんだけど?!」
「待つんじゃ、わしが死んだら世界が滅ぶ!」
『猫様〜ごめんなざいー』
『許してー泣き止んでー』
『ライア止めてー』
『無念。』
『アー意識がー』
・・・・・・そろそろいいだろうか。
「ひっぐ。えっぐ。らいあ。」
《おねーちゃん?》
「ぎゅーして。」
《・・・する!》
ぎゅー
「ライアー。」
《何ー?》
「解放してあげて?」
《まだダメ。》
「ギリギリまでやるの?」
《うん。》
「ギリギリまでならいいや。」
「良くないです!助けてマジで!」
《うるさい。》
「ギャ〜!」
「ライアだいすきー。」
《わたしもおねーちゃん大好き。》
「でも、ライアだけじゃ少し不安。ライアがお出かけしてる時はどうしよう。」
《四獣呼ぶ?》
「!!いいアイデア!そうしよう。」
《四獣への説明私がする!》
「うん、お願い。『召喚!エン!ジン!ニック!カイ!』」
『ガウ!』
『ウォン!』
『クエー!』
『グルルル』
エンは炎獣。ジンは雷獣、ニックはフェニックス。カイは海竜。みんないい子。
「みんな、久々だね。私のことわかる?」
『『キューン』』
『キュルルー』
『クルルル』
「じゃあ、この子は?」
『ウォン!』
『オン!』
『クエー』
『グルルル』
《せいかーい。今はライアだよ!あのね!あのね!・・・》
ライアが四獣と話している。私は瀕死状態の馬鹿な奴らのところに行く。
「・・・ライアは怒らせてはいけない。」
「まさか、神をも上回るとは・・・。」
『あ。猫様。』
『主ー。ごめんなざいー。』
「ほらほら、男の子でしょ。泣かないの。」
『主ー許してくれるー?』
「んー。八竜は・・・まあ、いいかな。」
「わしらは?!」
「当分近づかないでください。怖いので。」
「やばい、いじめすぎた。男性恐怖症になったら俺のせいか。」
「そう。邪神のせい。恨むなら邪神だからね。みんな。」
『恨むより先に神殺しするから問題ないよ!』
「あるわ!」
「あ、これ落ち着く。ありがとうみんな。」
私は今、海竜に背をもたれさせ、左右にエンとジンが侍り、膝の上にはライア。肩にはニックが乗ってる。その周りで小さくなったチビ八竜がうろちょろしてる。
「なんか、大所帯だな。全員と契約してんの?」
「はい。してますよ。勇者ですから。」
「他の勇者がかわいそう。何とも契約できてねぇんじゃねぇか?」
「精霊がいるでしょう。」
「八大精霊か?アレは異界のものを好かないぞ。」
「?そうですか?私は好かれましたけど。」
「え?精霊とも契約してんの?!」
「はい。なんか、みんなツンデレさんですよね。あれはあれで可愛いです。」
「いや。ツンデレって、デレたことないだろ。」
「デレますよ。魔力欲しさに。」
「・・・お前の魔力どんだけ好まれてんの?!」
「なんか、みんな」
『美味しいんだよ!』
「って言ってますけど。自分じゃよくわからないです。レベルが高いから熟成された味なのかもしれませんよ?」
「そうか。」
「八竜はそれぞれの住処付近を守っとるのか?」
『あーそうだよー。猫様に頼まれたからー。』
「なぜ、お前さんが?」
「いや、なんか1000年ぐらいあちこち行ってたら、生態系が崩れてる気がして。女神に聞いても知らないです。の一点張りだったから、誰か見張ってもらって、管理したほうがいいかなーって思って、八竜と、四獣のみんなと契約して、各地を守ってもらったんです。まあ、今となったら、その役割をする邪神が、私の中にいたのですから当たり前でしたけど。」
「・・・お前さん、勇者なのに神の仕事代わりにしとったんか。知らぬうちに・・・。」
「女神は本当に駄女神だな。俺の仕事だとわかってて隠していやがったな。」
「まあ、邪神が帰ってきたんだから、任を解いても構わないですよね?」
「いや、お前俺の眷属なの忘れんなよ。そのままのほうがいいじゃねえが。」
「・・・えー。仕事してください。邪神。」
『そうだ!そうだー。』
「このチビ竜がずに乗んなよ?」
『きゃー、助けて。猫様〜。』
抱きつこうとしてきた闇竜は・・・
バシ!
『ぎゃっ!』
ライアに叩き落とされた。
「ライア・・・手厳しいね。」
《まだ、私は許してない!》
「(当分は無理だな。コレ。)」
「まあまあ、魔力でも食べて落ち着いて。」
《!!食べる!》
はむはむ。
「「?!」」
「な、何してんの?!」
「え?ご飯食べさせてるんだけど?」
「指を咥えてるぞ?!いいのか?!」
「??ライアが食べるのはこんな感じだろうと思ってたから。蔓の時は指に巻きついて食べてたし。」
「「(くっ。羨ましい!!)」」
『主ー我らも食べたい。』
「えー?八竜が食べる分作るの大変なんだけど。」
『お願いー。ライアに食べられたからお腹空きまくりなの!』
「まったく。・・・四獣のも作るから安心しなさい。」
まったく、期待こもった目でじっと見ないでよ。
「ライア、ちょっと左手だけで我慢してくれる?」
《うん!大丈夫!》
「えっとー・・・まずは火の奴を2個だね。・・・・・・後は・・・・・・。」
それぞれの魔力を宝玉の形に固める。量によって、大きさが変わる。純度も鮮やかな色として表れる。
「ふぅ。こんな感じかな。」
「待った!闇属性小さいのでいいから1つ追加で作ってくれ。」
「あ、光も頼む。」
「ええー。神様分までー?はあ、今回だけですからね。」
光と闇の純度高めを大きい飴玉サイズで作る。
「さて、ほら作ったよ。お食べ。」
『『『『『『『『よっしゃー!いっただっきまーす!!!』』』』』』』』
『『オォーン!!!!』』
『キュルルァー!!!』
『クルルルルー!!!』
「じゃ、食ってみるか。」
「こんな純度の高い魔力塊見たことないんじゃが・・・」
「私は疲れた。ライア?もういいの?」
《うん。それにおねーちゃん、疲れてる。》
「うん。さすがに魔力少ないから私がお腹減った。ご飯食べに森に行きたいくらい。」
《お話終わったら狩りに行く?》
「うん。行かないと餓死で死んじゃう。」
あー、お腹すいたー。
『ううううまぁー!!!』
『最高。舌がとろける。』
『フニャー』
『魔力全快!』
『あー。召されるー。』
『帰ってこい!雹竜!』
『うまうまー。』
『あー。生き返るー。』
グデーンとした四獣が横たわる。
そして、神様たちは?
「・・・・・・。」
「・・・・・・。」
んん?
「どうかした?」
「なんだ、コレは。」
「私の魔力?」
「いやいやいやいや、普通の魔力じゃねぇぞ?」
「美味しいどころじゃない。」
「体に染み渡るんだが・・・。」
「純度の高いもの作ったからでしょう。神様向けに。精霊も純度の高いやつ好きだから。なんか、上級の酒の味に感じるらしいよ?よくわからないですけど。」
「・・・・・・のう?もう一個作ってくれんか?」
「無理。お腹減ったからもう作れないです。魔力ほぼ無いし。」
「どうすれば作れる?」
「どんだけ気に入ったんですか。火精霊並みですね。あの子も酒豪なんですよね。はあ。」
「「で?!」」
「はあ、とりあえず、ご飯食べてきます。あの森が一番美味しいんですよね。魔物。」
「魔物を食らって回復するのか!?ならここに連れてきてやる!!」
「やめてください。自分で狩って食べるのが楽しいのに。ライア、一緒に来る?」
《行く!》
「じゃ、八竜は好きな時に戻っていいからね。四獣は・・・いっしょに来る?」
ブンブンと頭を上下させるのでいっしょに連れて行くことに。
「じゃ、お腹いっぱいになったら帰ってきます。」