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邪神と猫  作者: 神白
2/12

2話


あーようやく眠れる。おやすみなさーい。



『よう!おはよう。猫』


私は寝るので話しかけてこないでください。邪神。


『夢の中ぐらい話そうぜ!』


お断りします。変な勇者のせいでお昼寝場所壊されるし姫さんに誘拐されそうになるし疲れているんです。


『勇者?また召喚したのか。何人目だ?』


・・・・・・。


『おーいー、無視すんなよー。』


・・・スースー。


『ん?ありゃ?本当に寝ちゃったのか?え?夢の中でも寝るってどんだけ疲れてんの?』


・・・。


『・・・あの駄女神、俺の愛し子をボロボロになるまで働かせる気か?今なら不意打ち狙ってイケるか?』


・・・変なこと考えたら話もできないぐらいに拘束しますよ。


『それをしないってことは、俺が好きってことだよな!』


はあ、夢の中ぐらい静かに寝させてください。


『ん?どした?』


ナニカが近くにいますね。

全くめんどくさい。


『・・・これ、魔王じゃね?』


そうなんですか?弱ってません?


『絶好のチャーンス』


邪神が魔王の味方をしないという。

まあ、起きますか。



“にゃーん”


《何だ?黒猫?・・・お前変なものを持っているな。何だそれは。・・・お前のソレ食べたら復活できそうだ。おとなしく食われろ》


上から押さえつけられるような感覚に襲われる。コレは魔気か。弱い。かなり弱っている。これなら私の魔気で十分だ。


《っ?!ナニ?!弾いただと!?俺がこんな猫に怯えている?ウソだウソだ!!》


嘘ではない、今ならこれを消し去れる。

“にゃーん、にゃーん”


《グギ?!こ、この力は!!女神の!!!貴様、女神の遣いか!くそッ!!俺はまだ死ぬわけには!!!》


“にゃーん、にゃーん、にゃーん”


《・・・クッソ・・・力、が、消えていく・・・・・・・・。》


・・・。終わった?まあ、どうせ。また復活するのでしょうが。


【貴女!今魔王の気配が消えましたけど!!!もしかして!!!】


ああ、終わらせたよ。疲れた。魔力補給してくる。


【・・・じゃあ、全て勇者一行に伝えなくては!!!】


うん、そうだねー。この森いいね。魔力がすぐ補給できる。楽チン。


『・・・おっ!終わったみたいだな。じゃ、解放してくれ!俺を!!』


いや、しませんけど?


『なんで?!俺とラブラブ生活だろ?!あと残ってるのは!!』


なにそれ、お断りします。私はノンビリがいいのです。


『じゃあ、ノンビリラブラブ生活で!』


つければいいってもんじゃないです。邪神の解放なんかしたら女神に愚痴られる。


【愚痴りませんよ?!変なこと言わないで!!】


まだいたの。


【居ます!というか、邪神と仲良くなってるじゃないですか!どういうことですか!!】


仲良くなってる?ナニ言ってるのかな?駄女神のくせに。


『そうだそうだ。駄女神のくせに図にのんな!』


邪神うるさい。


【じゃ、邪神が増えました!!それ以上言ったら泣きますからね!】


『泣けば?』

泣けば?

・・・被るなし。


【ううううわぁぁぁーん】


泣き声まで念話で飛ばしてこないでくれます?迷惑なんで。


『そうだ!そうだ!帰れ帰れ!』


【ぐすっ、帰りません!猫勇者!邪神は解放してはいけませんからね!絶対に!】


今更だけど、なんで?


『え、知らないのに封印してんの?!』


知らないよ?封印して来いって言われたからしただけだし。


『え、じゃあ、駄女神が解放してって言えば解放すんの?』


んー。するかな。


『・・・へー』


【っ!寒気が!絶対言いません!】


『理由知ったら馬鹿らしくなると思うぞ?猫。』


【ちょっ!言わないでくださいよ?!】


え?なにその反応。どういうことー?


『あのなー?俺が駄女神の親、つまり創造神にな、仕事サボって地上に出入りしまくってることいったらな逆ギレして封印仕掛けてきたんだよ。で、自分ではできないから代わりにお前が召喚されたわけ。』


【ちょ!なんで言っちゃったんですかぁ!】


なにそれ。

じゃあ、私悪者じゃん。いいことした邪神を封じ込めてるとか。

もういいや、解放してあげるよ。

創造神様に謝らないといけない。邪神、案内してー。駄女神は私が拘束しとくから。


【ふん!拘束なんてできるわけ・・・はぁっ!?なんですかこれはぁ!?ちょっ、待っ!!んんんー!!!】


『え、何したの?地上から神に攻撃なんてできるわけないだろ?』


ん?できるけど。

しないだけで。


『・・・何隠してる?』


隠してないですよ?聞かれてないだけで。


『それは、隠してるというんだ!で?!』


私の中にいるのにわからないんですか?私は貴方の力、一部使えるんですけど。


『はっ?!何それ聞いてない!!』


貴方が魔力吸ってくるから逆に一部の能力を奪っただけです。


『何奪ったの?!』


神力。


『それ一番ダメなやつ!返して!!』


奪ったと言ってもコピーした模造品ですから、邪神は持ったままですよ。


『ほっ。じゃない!それ持ってるってことは、魔獣じゃなくて神獣!捨てなさい!』


捨てたら迷惑になるので創造神にお返ししますって。早く創造神様のところ連れてってください。


『なら、早く俺解放して!!』


?何言ってるんですか?もう出てきてるじゃないですか。わざわざ念話使わないでください。


「あ、本当だ。ってか、お前神力持ってるなら行けるんじゃないの?」


やり方知りません。


「あー、そうか。知らないよな・・・なあ、なんでお前念話使わねえの?」


何言ってるんですか?私この世界の言葉話せませんよ。話を聞くだけならできますが、読み書きできませんし、猫だから必要ないですし。人間が何言ってるか聞くだけで十分です。


「え?女神にもらわなかったの?」


そんな些細なこと貴方を逆ギレで封印願うような駄女神に考えつくと思います?


「あー。納得。」

【んんんんんー!!!】


「じゃ、俺があげるからさ人化して。」


お断りします。私は猫として生きると決めたのです。


「神獣なら人化は簡単にできるはずだ。それに、元人間なのに猫で創造神に会うのか?」


?何か問題が?


「いや、正装ってことは本来の姿だろ?じゃあ、本来の人間の姿にならないと駄目だろ。」


・・・確かに一理あります。でも、昔の姿なんて思い出せないですよ?


「なら、この世界にあった姿でいいんじゃないか?新しい姿想像しろ。」


むむ、人型の姿ですか。そうですねぇ。


・・・・・・・・・。こんな感じでしょうか。


「なんとなく決まったか?まずは、俺の加護な。」


加護とやらはどうしても受け取らないと駄目ですか?


「じゃないと、言葉のギフトあげれないじゃねぇか。」


ギフト?


「そう。ギフト。・・・まさか、ギフトなしでここまで生き延びたとか言わないよな?」


ギフトとは何かは知らないです。


「嘘だろ。あのクソ駄女神が、ふざけやがって!」


【んんんー!!ん〜!】


何言ってるか全然わからないです。

駄女神さん、クソが加わりました!


「なあ、今、あいつどんな感じなの?」


見ますか?ビジョンをだしますね。

見事に絡まってるでしょ?蔓が。


「・・・クルガの木の蔓か?」


そうです。動けば動くほど絡まる不思議な蔓さんです。この蔓の一部に好かれまして、私のお願いいろいろ聞いてくれるんです。


「蔓に好かれるって何したの。」


木が枯れて蔓も一緒に枯れそうなところを私の魔力与えて、元気にしてあげたぐらいでしょうか。ふかふかのベッドになったり、敵を拘束してくれたりしてくれる頼もしい家族です。


「・・・今はいねえのか。あいつのところいるから。」


いえ、いますよ。あそこにあるのは一部です。千切っても千切れても同じ意思があるようで、今は私の首輪になってます。


「・・・。」


?ああ、そんな警戒しなくても私に手を出さなければ危害を加えません。とっても賢い子ですから!


「・・・良くねぇよ!くっそ、あんなことやこんなことができねぇじゃねぇか!」


そんなこと考えてたのですか。蔓さんもしもの時はお願いしますね!


シュル!


返事までしてくれるようになったんですよ!凄いでしょ!


「・・・・良く、ねぇよ。」


さて、加護とやらをさっさと寄越してください。


「はいはい・・・ホイ。あげたぞ。」


なんか、身体が軽くなりました。


「ってか、マジでギフトなしかよ。良く生きてこれたな・・・なんだこれ!!」


ん?どうかしました?


「・・・お前、今自分が何レベか知ってる?」


レベル・・・この世界ゲームみたいな設定あったんですね。私は知らないです。見方とか知らないですし。


「・・・お前、19563レベルだぞ。俺を軽く超えてるんですが・・・。ちなみに女神も超えてるな。あいつ10002レベだったはずだから。」


桁数がかなり多いですね。何故でしょう?知らないうちに上がってたんでしょうね。


「なあ?お前、今何歳?」


これでも一応女の子なんですが。歳ですか?途中から数えてないですね。誕生日とか猫で一人旅ですからね。日付すらわからないですし。


「日付は年月日だ。生まれた・・・いや、こっちに来た日をあの女神に聞くから口の拘束外してやれ。」


ああ、それぐらい覚えてそうですね。待ってください。蔓さんお願いします。


シュル!!


【ぷはっー神に向かって何するんですか!!!】


「んなことどうでもいいから、こいつが来たのいつ?」


【え?猫勇者がですか?えっとー・・・ルナの年の8月26でしたと思いますよ?】


ルナの年・・・分からん。どれくらい?


「さ、3000年前の年だ。」


へー。


【・・・なんで死んでないんですか?!】


そりゃあ、邪神宿してましたから。不老不死ですから。


「原因、俺か。」


そもそもの原因は女神だよね。


【そうなのか。やはり、わしの娘が。】


・・・誰?!


【お、お父様?!】


「お、創造神か。・・・自然に入ってきたな。」


なんか、優しそうな声ですね。えっとー声だけで失礼します。私、娘さんに召喚されました。猫勇者です。


【うむ、話は聞いておった。神界に呼ぶべきなのだが、娘宛の罰をの作成しておってな立てこんどるんじゃ。お前さんの望みがあれば叶えよう。】


え?望み?んー。じゃあ、邪神いなくなったけど、不老不死の猫でお願いします。この世界が気に入ったので、ずっとこっちに居たいんです。


【うむ、確かに承った。・・・他にはないのかの?】


え?んー。あ、神力はお返ししますね・・・ってどうすればいいんでしょう。


【いや、その力は持っておって欲しいんじゃ。お主には邪神の眷属の神獣として生きて欲しい。】


・・・え。なんで、邪神。


「お!いいね!」


【すまんな。私の娘ほどではないが、そいつもさぼり癖があってな、監視を頼みたい。】


あー。ありそう。


「うわっ。ひでぇ。」


まあ、いいですよ。封印して欲しい時は言ってください。すぐに封印作業に入ります。


「無駄だ!俺の眷属になったら封印は俺相手にできなくなる!」


【そこは問題ない。わしが許可したらできるようになる。早速だが、とある空間を作るのでな、そこに娘を封印してもらいたい。大体ー1000年ほどで頼む。】


あ、娘さんですか。了解です。やる気全開になりました。邪神の時もいつでも行ってくださいね!


【えっ!?待って!お父様、いったいどういうこと!!】


【お前は異界から勇者を連れて来すぎだ!それに、邪神の仕事の邪魔までしおって!堪忍袋の緒が切れた!その空間で仕事をしてもらう!1000年ほど出てくるな!1000年後まだ反省がたらなかったら、10000年にしてもらうからな!いいな!!】


【っ!!・・・ご、ごめんなさあい。もうしないから!それだけは許して!】


【駄目じゃ!猫勇者殿、頼む。】


はーい。

“にゃーん”

・・・封印しました!


「・・・いや、なんかさ。早すぎない?呪文とか端折っただろ!」


だって、この世界の魔法使うときいう言葉って本当はいらないでしょ?私は猫だったからわからないし余計に。だから、私が作った。私のみが使える魔法を。


【もう、神の仕事しとるな。猫勇者は・・・。のう?お前さんの名前なんなんじゃ?いつまでも猫勇者ではの。】


私は猫ですから。創造神様は猫とお呼びになってくれればいいのですよ?


「いや、さすがに。それは名前じゃなくて種族だろ。」


【前世の名前はなんなんじゃ?】


・・・私は前世の名前ありません。


「ないことはないだろ?」


いや、無いです。もし、邪神や創造神さまが化け物っていう呼び名を名前として認めるならそれが私の名前です。


「【え?】」


だから、前世は化け物って呼ばれてました。おかしいですよね。前世は魔物もいない、魔法も使えない、ギフトなんてない、そんな世界なのに。私は、背中から 翼が生えるし、鋭い爪で脆い人間を傷つけることができた。だから、私を産んだ母親も、父親も、近くにいた人間は全て、化け物と呼びました。それが名前なのだろうとそのときは思ってましたよ。


「【・・・・・・。】」


あー。すみません。つい愚痴をついてしまいました。つまり、私は名前なんか無いのです。勝手につけて勝手に呼んでください。私は気にしないので。


「・・・なあ?猫。お前は家族に会いたいか?」


会ったら、食べたくなってしまうから会いたく無いですね。


【・・・お前さんは、辛い過去を持っとるの。】


そうですか?大事にされたことがあまりなかったので、創造神様や、邪神のこと結構好きですよ?本当の家族ってこんな感じなのかなぁなんて思ったりしますし。


【・・・お前さん。やっぱり、わしの眷属に・・・】


「いや、させねぇからな!俺の眷属なの!俺の加護与えてるからもう無理!変更不可なの!」


【別に加護は重ねがけしても問題は・・・】


「やめろクソジジイ!俺の嫁に手を出すんじゃねぇ!」


クソジジイって呼んでいいんですか。ていうか、嫁じゃないです。


【じゃあ、わしの孫にならんか?】


創造神の孫・・・抵抗はないですね。邪神よりは。


「何でだよ!」


【ふむ、では今日から猫はわしの孫じゃ!では、早速だが神界での邪神の仕事と猫の仕事について話すから神界に来てもらいたい。】


はい、それは構わないんですが・・・どうやったら行けますか?


【うむ、神力を纏ってみよ、わしの存在してる場所が感じ取れるはずじゃ。それに向かって瞬間移動的な感じをイメージじゃ!】


「曖昧すぎるだろ。説明が。俺が抱っこで連れて行ってやるから大丈夫・・・」


神力を纏って・・・これが邪神のだから・・・あ、これですね。では行きます!


「えっ。ちょっと待っ!」


うわっ。変なところ触らないでください!


「勝手に行くな!俺が連れてくと言ってるだろうが!」


うぐ。・・・・・・。


「わかったか?!返事は!!」


・・・・・・。


「え?どうし・・・」


【馬鹿者が!猫はお前の神力に耐えれず気絶しておるわ!連れてくるならさっさと来い!】


「あ、猫?!わ、悪いそんなつもりじゃ。」


・・・・・・。

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