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邪神と猫  作者: 神白
11/12

閑話 〜暴走〜

ここはどこ?ふわふわした空間の中。???誰かいる。聞いてみよう。


すみません。ここはどこですか?


『んあ?!なんでここにお前がいる?・・・あ。もしかして間違えて俺が呼んじゃった?!』


???さっきから何を言ってるのですか?あなた、誰ですか?


『え?俺は邪神だよ!お前が封じ込めた!・・・覚えてないの?!』


あ、そういえば?ってことは、封印場所?おかしいですね。干渉されないように結界を何重にも張り巡らせたはず。


『やっぱり、お前か!壊すの大変だったぞ?!』


壊したんですか。治さないと。あ、つまり、それが壊れたから私の体から黒い瘴気のような魔力が出てきたんですか。あなたのせいでしたか。やめてくれます?迷惑なんで。


『いやいやいや、辞めねぇよ?!出せよ!俺なんもしてねぇよ!』


何かはしたんでしょ?女神に。というか、あなたのせいで私は友達に嫌われたのですが。被害が私にありました。


『お、俺は無実だ!出ーせーよー!』


うるさいです。消滅させますよ?


『そんなことをすれば、魔物や魔獣の大反乱が起きるぞ!いいのか!!』


魔物??魔獣??なぜそこでそれらが出てくるのですか。


『は?俺が魔物と魔獣管理する神だからに決まってんだろ。』


・・・・・・・・・はぁ?!

嘘でしょう。まさか、だから。あーもーめんどくさいです。世界征服の方が楽です。世界消滅させてやろうか。いや、女神を先に。


『お、おい?不穏なことをここでいうなよ。女神死んだらこの世から女の子消えるじゃあねぇか!!』


それはダメですね。私も消えちゃいます。


『・・・猫。お前メスか。・・・・・・ちちちちち。』


なんですか。その小鳥の鳴き声的なものと手招きは。


『小動物はこうしたら寄ってくると書いてあったぞ?』


・・・馬鹿でしたか。私は転生者。元は・・・人間ですからそのようなことには引っかかりません。


『人間?!なんで、猫になったんだよ!』


猫が一番目立たない生き物だからです。屋根や高いところにいても不自然ではないでしょう?


『いや、猫が魔法使ったらそれは猫じゃねぇよ。』


そうしないと生きていけないし、魔王殺せないじゃないですか。まあ、魔気さえ使えば楽勝でしょうが。やっと異世界にこれたのですから、楽しまないと損です。


『異世界召喚?女神がしたんだよな。ってか、封印されて今どれくらいの時間流れてんだ?』


えっと、転生してからの私の年ならわかりますよ。


『ほう!何歳だ?20ぐらいか?』


いえ、確か・・・2568歳だったような。


『・・・・・・・・・・・・・・今なんつった?』


だから、2568歳です。


『俺、封印されて耳おかしくなったか?2568歳と聞こえたんだが。まさか!』


そう言っているでしょう?いつの間にか不死になってました。いつなったんでしょうねぇ。心当たりないんですよね。まだ、ドラゴンの心臓とか食べてないですし。神殺し果たしたわけじゃないですし、封印はしましたけど。なんか、わかります?


『いやいやいや、不死の理由は知らねぇけど!2000年以上経ってんの?!俺、あの結界どんだけ時間かけて壊してるの?!どんだけ硬かったの?!絶対!今!すぐ!出せ!地上の魔物とか魔獣に変なのが出始める!!』


いや、もう出てますよ。ちなみにそれの調査をただいま単独で進行中です。どうすればいいです?


『は?!もう出てきてんの?!ってか解決しようとしてんの?!お前には無理だ!全属性の魔法が使えて、古代魔法とかも使えて、大量の魔力を所持してて、大量の魔物や魔獣を一瞬で片付けられる手段持ってて、封印術使えるものじゃないと!封印できるのは知ってるがさすがに他のは使えな・・・』


できますけど。大量の魔物や魔獣を一瞬で片付けるのは魔気か、重力魔法の上位魔法、ブラックホール作ればいいですし、火、水、風、土、雷、氷、闇、光の属性魔法使えますし、古代魔法は術式を見せてくれたら覚えますし、全部できますよ?


『・・・・・え?マジ?』


???えぇ。マジです。猫は猫でも、勇者ですから。魔王討伐を目論む。


『・・・お前、なんか、特殊なギフトとか持ってるわけ?』


いえ?そんなもの持ってません。

私は独自に開発した魔法で生きてきただけですし。


『お前、凄えな!』



『ん?どした?』


いえ、褒められたのは初めてなのでびっくりしただけです。


『え?凄え奴を凄えと言わずになんていうんだよ。』


・・・バケ、モノとか。


『はぁ?!・・・あのな、お前は俺を体内に宿した勇者なんだから、強いに決まってるだろ?まさか、結界が緩んだのってそれが原因か?気にすんな、気にすんな。』


・・・・・・邪神のくせに優しい。


『フッ!女の子には優しくがモットーだからな!』


なんだ、ただのバカか。ふふっ。


『・・・・・・おい猫、今の顔もう一度!!!』


はい?どの顔ですか。というか、猫なのに表情の変化とかわかるんですか?


『・・・お前さ、好きなやつとかいる?』


???なぜそういう話になるのかは知りませんが、居ませんよ?猫ですし、人間と恋に落ちるとかありえませんし、異性の猫もどーでもいいですし。


『じゃあ!俺の嫁になれ!!』


・・・・・・・・・・・・え?

ついに頭おかしくなりました?というか、あなたを解放すれば私が魔物や魔獣の対応しなくていいのでは?


『いや、めんどくさい。お前がやってくれよ。手段教えるから・・・・・まあ、解放してくれてもいいぞ?強制契約して封印出来ないようにして愛でまくるから!!』


・・・変態が生れました。契約はお断りします。

手段教えてください。


『えー。契約しようぜー!なー?楽だぞ?ま、手段は世界に何箇所かある瘴気溜まりを浄化すればいい。何箇所あるかとか、場所は・・・すこしだけ封印緩めてくんない?』


・・・・・・変なことしたら、怒りますよ。


『ハイハイ。』


・・・ちょっと待ってください。緩めるにはこの空間から出ないと。


『ん?あぁ、俺が拘束してたわ・・・はいどうぞ?』


拘束とか、油断なりませんね。・・・・・。



シュルルル(・v・)ノ


蔓さん?私を覆ってくれていたのですか。ありがとうございます。さっきの魔力の原因がわかりました。体内に封印している邪神の影響らしいです。魔力に呑まれたから、あんな風になってしまったのです。それでですね。魔物関係の事件の原因もいろいろあってわかりまして、ちょっと、私の中にいるやつの力少し借りることになったので旅仲間が増えます。まあ、姿は見えないし、声だけなんですが。


シュル!( ゜Д゜)ゞ


『おぉー!久々の下界!って森かよ。街にいろよ。まぁ、いいわ。ここの近くにもあるな。そこでやり方教えるわ。』


了解です。浄化すればいいだけじゃなさそうですね。

ピクッ!

ん?


『どした?』


大人数の人の気配。森ならどこでもいいと適当にとびましたが、コレは・・・エレミア王国の近く?確か、八竜の信仰が強い場所ですが。

これはどういうことでしょう?


『いや、だから何が?』


エレミア王国の人間が、八竜ボコボコにしてます。しかも、八竜、瘴気のせいで弱ってますね。これは危ない。


『・・・それは放置しといていいから。早く行こうぜ?』


ダメです。助けに行かなくてわ。


『八竜は不死竜でもある!死んでも蘇るから!大丈夫だって!』


お断りします。勇者ですから。

それに、私、今人間嫌いになりつつあるので。八竜の味方します。


『おい!ちょっ!待っーー?!ーー!!!』


声少しうるさいですが、大人しくしていなさい。



「変異種の原因がついに倒れるぞ!たたみかかれ!」

「瘴気撒き散らしやがって!」

「死ねぇ!!!」


『ぐぅ。違うって言ってる。』

『力が吸い取られる。』

『気持ち悪い〜』

『もう!人間どもの癖に!調子に乗るなぁ!!!』


黒い竜が黒いブレスを吐く。


『馬鹿!創造神様に殺される!人は傷つけるなって言われてるだろ!』


と真っ白い竜が白いブレスで相殺する。


『グウゥだってだって〜!!!』

『っ?!ヤバっ結界張れ!魔法の嵐くるぞ!』

『そんな力残ってない〜!』

『もう、だめ。』

『あー。また卵からやり直し。』

『めんどくさいなーもうー。』


人間側が様々な魔法を八竜に向けて放つ。

その間に立ちはだかる猫。


『『『『『『『『へ?』』』』』』』』


結界発動!!!!

何してる!人間ども!!


『な、何この猫。全部弾いちゃったよ?!』

『嘘ぉ。』


私が現れたことにより、固まる竜と人。

その間に回復させるか。それと浄化。


“にゃーん”


『へ?アレ?』

『瘴気が無くなった。』

『怪我もなくなった!!』


よし、完了。八竜達ははやく巣に帰りなさい。人間には、私が話を聞いとくから。


「こ、この猫、魔獣か?!八竜が喚んだに違いない!あいつを先に狙え!」


騎士の格好をしたやつが私を標的にするように兵士に命じるが、動かない。

「お、おい?!」


「猫、勇者、様?」

誰かが、ぽつりと声を漏らす。


私を知ってるものが居たか。


「猫勇者って、最初にこの世界に呼ばれた伝説の勇者・・・だったか?」

「伝説じゃなかったってことか?!」


「ーーーか!・・・陛下!お待ちください!魔獣かもしれないのですよ?!」


「っ!!陛下?!」

ザッと道を開け、武器をしまう兵士たち。


「猫、なのか?」


・・・・・・?誰だっけ。


「ははは。そうだよな顔が老けているからわからんか。私だ!キーマスだ!キー坊だ!」


!!キー坊?!お爺ちゃんになったねぇ。

トトトッと足元に擦り寄り、フリフリと尻尾が揺らす。


「おぉ!おおぉ!やはり、猫なのか!聞いておるぞ!まだ世界で活躍しとるそうだな?さすがわしの認めた勇者じゃ!」


『・・・まさか、エレミア王国の三代目と面識あるとか、猫様様だな。』

邪神は黙っててください。


「しかし、なぜ邪魔をする?八竜は瘴気を振りまいておる原因だと部下に聞いとるのだが。」


んん?違うよ。八竜は瘴気を振りまいているのではなくて瘴気に力を吸い取られてるんだよ。瘴気を身に纏ってしまったのわけがあると思う。だから、攻撃をやめて?

って、言葉わからないんだった。んーっと・・・


『念話一時的に使えるようにしてやるよ。ちょっと待て。・・・ほい、できるぞ。』


『あ、あー。聞こえる?キー坊』


「?!も、もしかして猫か?!念話何ぞどうやって覚えた?!」


『んー。これは一時的なものだから、覚えた訳ではないんだ。それでね?八竜は瘴気を振りまいている原因ではないんだ。瘴気がまとわりついて居たのは別の理由があると思うんだ。だから、八竜を見逃して?』


これ、魔力使うのか。話すの疲れる。


『まあ、そういうもんだ。』


「・・・・・・しかし、原因が別となるとどうすれば良いかの。我が国では、瘴気が人を襲い、生命エネルギーを吸い取っとるようなんじゃ。死者も出てきておる。」


ん?そんなにひどい作用のものがあるの?暗黒化するだけかと思ってた。


『・・・・・・猫、この爺さんから離れろ。』


はい?何を急に・・・


「猫や、お前さん、もしかして不死なのか?だから、姿が変わらず体も衰えておらんのんか?」


『え?うん。いつの間にか不死になってたんだ。理由はわからないんだけど。竜の心臓とか食べてないのに不思議だよね。』


「・・・・ほう?竜の心臓は食べてないのに、か。お前さん、いつも何を食べとるんじゃ?」


『急にご飯のお話?これでも、魔獣で勇者してるから、魔物とか魔獣が主食だよ。』


「・・・・はっはっはっ!そうか!その手があったか!まだ試していない実験が!」


へ?

『おい!今すぐ離れろ!!猫!』


「そうじゃな、猫や、頼みがあるんじゃ、昔のよしみで聞いてくれるか?」

ガシッと体を掴まれる。

え?え???


『猫!!!逃げろ!そいつが瘴気溜まりだ!!!』


「お前さんのその肉わしの体に吸収されろ!」


ッ!!!

バチ!!

「ぎゃあ!」


私はすぐにキー坊の手から逃れ距離を取る。

ハアッハァ!

き、キー坊?!


『な、何をするの!?』


「お前さんこそ何をするんじゃ。痛いではないか。」

「・・・陛下。陛下のお望みのものはあの竜では?」

「目標変更じゃ、猫の肉を食らう。猫、大人しく我々(・・)にその肉を食べさせろ!ガァァァ!!!」


おかしい!さっきまで、《人》で、あったはずの兵士たちや、宰相さん、キー坊までもの体が変化し、狼人間みたいだったり、上半身だけ、人間で、足元は樹だったり、半魔物化していた。ソレが、国から大量に出てくる。国、全体、が?嘘でしょう?


『キー坊?嘘だよね?ねぇ!ってば!!』

『無駄だ、もう時間が経ち過ぎている。瘴気に完全に呑まれ、死体も同然だ!』


「ガァァァァ!!!」

襲いかかってくる。キー坊や兵士たちだったもの。


私は、私は、呆然と立ち尽くした。


『猫!ぼーっとしてる場合じゃない!逃げろ!おい?!』


そして、私は


泣き叫んだ。


うわぁぁぁぁぁぁあぁぁぁぁぁぁあん!!!


『ぐあ?!おい?!どうしーーー?!ーーーーー!!!!』


邪神は猫の体内にある強大な魔力が暴れまわりだした為、封印場所からの念話が不安定なものとなり、封印術が強制的に邪神と私との繋がりを断ち切り隔離させた。

八竜も、猫から発せられる邪神と、猫の魔力の衝撃波を防ぐのに手いっぱいになっていた。


この状況で唯一動けたものは・・・

シュル?!((( ゜д゜ ;)))


蔓さんだけだった。



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