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第二話:少し嫌気がさしたから

案の定、話すのは舞の悪口。

やっぱり、と思いながらも私も少し本音で話す。

「咲喜、あんたよく舞の親友なんかやってられるね…。」

「けっこう楽しいのよ?あの子。」

「でも休み時間、舞のこと嫌いって咲喜言ってたよね?」

「このごろちょっとうるさいなって思い始めちゃって…。」

「確かにね…。さっきだって、口げんかになってたし…。」

悪口は、止まらない。

けど、私は止める気はない。

私だって、舞への不満は少しはあったのだから。




「少し、嫌気がさしたから」




「咲喜が舞を嫌ってるなんてね。」

「意外よねー。」

「でも、咲喜みたいな子でも嫌いってなると舞を好きな子なんているの?」

「まあ、いるんじゃない?どこかには。」

そんな会話が続いて、分かれ道になった。

「ねえ、咲喜。」

「何?」

「メアド交換しない?」

「いいよ。」

美奈は申し訳なさそうに、「メモ帳、今もってないんだ…。」と言った。

私は「大丈夫。私持ってるから」と言って、鞄からメモ帳とペンを出して自分のメアドを書いた。

「私も、いい?」

日奈子もそう言うので、私はメアドを書いてメモを渡す。

「じゃあね。」

「バイバイ。」

2人と別れ、そして、私は一人で家に帰る。

そして私は2人からのメールを待った。



まず、美奈からメールが来た。


咲喜、メール届いた?美奈です。

※メールが届いたら返信してね


そんな内容。

それと同じような内容のメールが、日奈子からも来た。


そして美奈からメールが来る。

「ねえ、次の標的は舞にしない?」

…返信に困った。

美奈は、夕樹と悠子と日奈子と一緒にクラスの子をいじめている。

いじめはいろいろな方法で、でもかなり本人には効果的ないじめをする。

裏切り、集団無視、暴力、悪い噂を立てる。

みみっちいものから、かなり派手なものまで。

軍師である夕樹の考えに基づいて、いじめをする。

悠子の情報網で次のターゲットを決めて、悠子の情報を基に夕樹が作戦を考える。

その作戦に必要な人数を集めたり、必要な人に呼びかけるのは日奈子で、作戦実行の合図や、現場での指示を美奈がやる。

4人そろえば最強…これが私の4人に対する気持ちだった。

4人にかかれば、舞は不登校まで追いつめられるだろう。

芯の弱い舞はなおさら被害を受ける。

…自殺も、ありうるかもしれない。

だから、一瞬ためらった。

けど、私は帰りのことを思い出した。

友達が他の人と帰るというだけでもかなり反対したという舞のことを思い出して、イライラしてきた。

「いいね!」

そうメールを送る私の顔は、そのときかなり醜く見えただろう。


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