chapter1.まずは雰囲気を読もう(空間・人格)
「リアルにも…ハーレム飲み会があれば行くのだが…」
帰宅して部屋も暗いまま早速ゲームのプレイに取りかかる妄想男。
「ピロピロリーン!説明役を務めさせて頂く妖精だよ!このゲームでは、まず4つの練習編で、飲み会で女の子と話す基本的なテクニックを学んでもらうよ!最後の実践編をクリアすると晴れてリアル飲会王に認定されて、素敵なご褒美が与えられちゃうかも!それじゃ、頑張ってね〜☆」
「妖精…さん…」
続けてボタンをポチッとな。
「chapter1.まずは雰囲気を読もう!ギャルゲ好きの君は女の子の顔だけ見ていきなり話しかけないよね?それだけは気持ち悪いのでやめてください!あなたの顔では女の子は引いてしまいます☆」
「…うっ」
「まずは外向的な子か内向的な子か判断して、相手にふさわしい対応をするんだよ!その上で、人間は自分に足りないものを求めるから、一見ポジティブな子のネガティブな面をいたわって上げたり、一見ネガティブな子のポジティブな面を引き出して上げたりすると、好印象!それじゃ早速、練習だよー☆」
「えっ、これだけ…テンポ良いな…」
「第一問:イケメンと楽しそうにお話ししている可愛い女の子がいるよ!あなたならどうする?」
そういう場面の映像とともに選択肢が3つ。
「えっと…外向的みたいだから、友達や趣味のことより、本人自身のことを聞いてみて…正解は2番の『一人でいるときは何してるの?』と聞く…?」
「ブッブー、残念。正解は1番の『関わらない』だよ!イケメンにしか興味がない可愛い子もいるし、キモオタには興味ない可愛い子も多いよ!火傷する前にもうちょっと様子を見るための1番でした〜!」
「十分に様子…見てなかったのかよ…」
「それじゃあ第二問:黒髪ロングで清楚で大人しそうな女の子が一人で寂しそうにしてるよ!あなたならどうする?」
「内向的そうだから…3番の『いじって笑わせる』?」
「ブッブー、残念!正解は1番の『関わらない』だよ!清楚美女に求められるコミュ力は半端じゃないよ!2番も3番もアンタラには高等技術過ぎてNG!もっと様子を見るための1番だよ!」
「これもう…わかんねぇな…」
イケメンでもなく、コミュ力も低いこの男には為す術もないと言うのだろうか?
「クソゲー…」
だけど妖精に罵られて満更でもないドM属性でプレイは続行。